朝倉かすみと俺。
出会いはいわゆる「知人の紹介」ってやつだ。最初は一方的に「好きだなー」と思うだけだったのだけれど、いつしかSNSで連絡を取り合うようになり、気づけば僕は彼女にゾッコンだった。主な経緯はこっちに書いてある。
そんな彼女から、贈り物が届いた。
さらに、手ぬぐいの上にコップの入ったお茶も配置した。僕にとって、朝倉かすみさんといえば「お茶をこぼす」人であるからだ。彼女がうっかりさんでお茶をこぼすというのではない、俺がうっかり野郎でお茶をこぼすのだ。過去に二度、彼女の著作を読んでいる時にお茶をこぼした。主な経緯はこっちに書いてある。
手ぬぐいには朝倉かすみさんからの自筆メモが添付されていた。そこには「手ぬぐいは こぼした水をふくのに もってこいです。」と書かれていた。
これは俺に対する挑戦状だと思った。「早くお茶をこぼせ、お約束だろ?」と言われていると理解した。だから、1枚目の写真のように、手ぬぐいをソファの上に広げ、不安定な所にお茶の入ったコップを置いた。写真を撮りながら、お茶がこぼれることを期待した。わざとこぼすのはダメなんだ。ギリギリ危ないことをして、運悪くこぼれて濡れるというのが理想的なのだ。だから、ソファの上のギリギリ湾曲している部分にコップを設置し、コップが倒れた時にちょうど液体が流れるだろう位置に本も置いた。そして、こぼれた時には新品の手ぬぐいはもちろん汚れてしまうし、手ぬぐいは薄手だからソファまで濡れ濡れだ。
さぁどうだ!
結果としては、お茶はこぼれなかった。ついビビってしまって慎重に取り扱い、撮影が終わるやいなやすぐに片付けてしまったからだ。諸君の期待に添えず、断腸の思いである。
かわりに、初めて水没させた記念すべき1冊である朝倉かすみ『そんなはずない』の汚れたページの写真を掲載しておく。
朝倉さん、楽しいメモと手ぬぐい、ありがとうございました。