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山瀬まみ『パーフェクト・ベスト』

本日、10月2日は山瀬まみの誕生日。

キンチョールのCMで「43歳(事務所発表)」と叫んでいた時点から1歳増えて、44歳となったわけである。キンチョールは殺虫剤であり、宣伝は夏に集中的に行うのが効果的だ。秋になって虫が減れば、当然CMの機会も減ることだろう。CMの発言と実年齢の不整合は、CMが流れなくなることで自然に解消されるわけだからよく出来ている。

さて、本日、キングレコードの「パーフェクト・ベスト・シリーズ」から山瀬まみのベストCDが発売された。本人の誕生日に発売されることは大変喜ばしいことである。
もちろん、発売日であり彼女の誕生日である今日、きちんと入手してうっとりと聞いている当方である。

山瀬まみのオリジナル・アルバムは1993年に発表された『Might Baby』が最後であり、実に20年前のことだ。気が遠くなる。

それ以後、1999年に『アーティスト・コレクション』、2011年に『25th Anniversary Best Album』(当ブログの記事)がそれぞれ発売されている。

正直、ベストばっかり出すぎだ。しかも、今回の『パーフェクト・ベスト』は、前作『25th …』が発売されてから2年しか経ってない。さらに言えば、収録曲がほとんどかぶっている。生真面目に iTunes に登録したら、デビュー曲「メロンのためいき」が5曲もダブってしまっている。

山瀬まみのことを何よりも愛しているから、それ自体に文句はないのだが。それ自体に文句はないけれど、もうちょっと何か別の曲を入れるとかサービスして欲しかったとも思うわけで。

今回の新ベスト盤において、初CD化されたのは4曲。
その4曲の作詞は全て松本隆であり、堀内孝雄作曲「水蜜桃」、浅沼正人作曲「自由にして」、宮城伸一郎作曲「Miracle Kiss」、浅沼正人作曲「リボンをほどいて」となっている。今の若い人たちにはピンと来ないかもしれないけれど(白状すると、僕は堀内孝雄しかピンと来ない)、いずれも錚々たるメンバーだそうだ。

それはすごい。すごいんだろうけれど、僕はそれらもアナログ盤からデジタル化した音源を個人的に持ってたしなぁ、と思うわけで。他の曲の未発表音源とかあったらボーナスでいれてくれても良かったのに、と思ったり、思わなかったりする当方です。
いや、山瀬まみが好きだから、これでもいいんだけれど。オフィシャルに上記4曲がデジタル化されたわけだし。

今回のベスト盤には中崎あゆむのライナーノーツ付き。
僕は、この中崎あゆむという人のことを知らなかった。しかし、山瀬まみのキャリアについて、簡潔にして詳細、冷静でありながらポジティブに解説されていて舌を巻いた。この人、すごい。

ホリプロスカウトキャラバンで優勝し、松任谷由実作曲の「メロンのためいき」でデビューし、歌は実力派だったんだけれどパッとせず、バラドルになり、現在は名司会者として現役というのが山瀬まみの略歴なのだ。
中崎あゆむの解説はその流れをしっかりと抑えつつ、スカウトキャラバンでは中村由真や我妻佳代と争っただとか、正統派アイドルとして売りだされたため素人っぽいアイドルが受けた時代(おニャン子クラブ)と相容れなかった、バラドル化のきっかけは『テレビ探偵団』だった、レコード会社をソニーに移籍し1枚だけCDを出した、カッパの着ぐるみを着こなす・・・、など当方の琴線に触れる記述に溢れている解説だったのです。

このライナーノーツだけで十分元が取れた。パッケージとして、良いベスト盤です。

ジャケ写はアレだけど。

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