明日か明後日あたりがまとめ記事のXデーかもしれないと言っておく当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第106回めの放送を見ましたよ。
加野銀行の大口顧客である工藤(曾我廼家八十吉)が頭取・榮三郎(桐山照史)を訪ね、私的な相談を持ちかけた。
工藤の娘・サカエ(横田美紀)の縁談を紹介して欲しいと言うのだ。サカエは女学校を卒業して2年経つが、嫁入り先がなかなか見つからないという。それというのも、本人が嫁に行きたくないと言っているのだ。家に入ってしまっては、女学校でせっかく身につけた学問が無駄になってしまうと言っているのだ。かといって、女を雇ってくれるところもなく、サカエは何もしていない状態だという。そこで、工藤はなんとかサカエ本人も納得する嫁ぎ先を見つけようと栄三郎に相談に来たのだ。
その話を聞いたあさ(波瑠)は、加野銀行でサカエを雇うことを発案した。
これからの世は、女であっても男と同じように働くのが当然となる世の中になるべきだと思うからだ。世間ではまだまだ女は働くのに向いていないと思われているが、あさはそんなことはないと思っている。古来、女は炭鉱や田畑で働いてきた例もあり、そこでは男に引けを取らなかった。働くのに向いているかどうかは、性別の問題ではなく、個人の適性の問題だと あさは考えるのだ。
近頃、美和(野々すみ花)の晴花亭でも女性給仕が働いている。募集広告を出したところ、応募者が殺到したという。その話を聞いて、働きたいと思っている女性は多いはずだという確信を得た。
それであさは、栄三郎たちに加野銀行で女子行員を雇うことを提案した。
しかし、栄三郎や頭取・山崎(辻本茂雄)に加え、新次郎までもが難色を示した。
山崎の意見は、女は数字に弱く、金を間違いなく扱うことができないというものだった。
それに対してあさは、これまでは女が学ぶ機会がなかったからだと反論した。女子教育も普及しつつあり、計算のできる女も増えていると主張した。
栄三郎は、女が銀行で働いている前提のないことを挙げた。実際に仕事ができるかどうかは別として、世間の人々は女には仕事ができないと決めてかかっている。仕事ができないと信じられている女たちが銀行にいると、顧客の信用を失ってしまうというのだ。
あさは、世間の思い込みを逆手に取ると説明した。これまで前例のない事だからこそ、うまく行った時に加野銀行の特色となって差別化できると主張した。
もちろん、そのためには仕事をきちんとこなす者を雇用しなくてはならない。そこで、厳しい選抜試験を行い、優秀で根性のある者だけを選び出すと約束した。
加えて、女子行員の責任を全てあさ個人が引き受けると申し出た。女子行員が一人前になるまでは、あさのポケットマネーから給料を出すと言う。
新次郎が反対する理由は、女子行員が痴漢に遭うのではないかという心配であった。一同は呆れた。
あさは、女子行員たちの尻が触られないよう、自分が守ると力強く話した。その決意を聞いて、新次郎は安心した。
むしろ、女性がいると店が華やかになると言って賛成した。
加えて新次郎は、栄三郎と山崎に あさも女であることを思い出させた。
あさは女であるが、一度も計算を間違ったことがないし、きちんと金を扱うことができた。女であるからといって、仕事ができないと決めつけるのは誤りであると諭した。
そう言われると、もう反対はできなかった。
こうして、女子行員の募集が始まった。
新聞広告や口コミで噂が広まり、100人もの応募があった。
学科試験、接客試験が課され、遊び半分で応募した者や能力が満たない者は容赦なく落とされた。特に、魅力的で知性のある女性たちが選抜された。
試験を通過した者を対象に、最後はあさがひとりひとりを面接した。
面接では、器量や愛嬌の良さよりも、根性があって打たれ強そうな者を選んだ。
こうして、高木ツル(村崎真彩)、末松すず(三宅唯真)、中川ハト(加藤千果)、そして工藤の娘・サカエの4人が合格した。
あさは4人に訓示を行った。
この世は男尊女卑である。どんなに小さなものであれ、女が失敗するとケチを付けたくてウズウズしている男が大勢いる。だから、失敗はしないようにと注意を行った。ただし、それは失敗をしたら解雇するという意味ではなく、失敗しない女性になるよう研鑽に励もうという意味だった。
あさは女子行員は見習いとして、男子行員より1時間早く出社するよう命じた。そして、その1時間の間にあさが自ら訓練を行った。あさは家族と朝食をともにする時間を失ったが、意に介さなかった。
あさは、自分たちがこれからの女性たちの道を切り拓くのだという矜持があったのだ。
女子行員たちもその思いを共有した。
その頃、あさからの手紙で、はつ(宮﨑あおい)は長男・藍之助(森下大地)が加野銀行にいると知った。
実は藍之助は、惣兵衛(柄本佑)を罵倒して家を飛び出したのだ。
惣兵衛本人は、自分たちが藍之助の話をきちんと聞いてやれなかったのが悪かったと言い、怒ってはいなかった。しかし、はつは、父にひどい言葉を投げつけた藍之助のことを許していなかった。
女子行員・中川ハト役で登場した加藤千果さんといえば、『カーネーション』で百貨店のエレベーターガールを演じており「上ぇへ参りまぁ~す」が話題になった女優さんですよね。
またお会いできて嬉しいです。