16年前、同僚が出勤途中に子猫を拾ってきた。周りに親猫が見つからず、そのままでは助からないだろうということで、会社まで連れてきた。
当時、僕もあるにゃんを飼っていたので、その同僚は僕に真っ先に相談にきた。会社のすぐそばに僕の行きつけの動物病院もあったので、すぐさまそこに駆け込んで健康診断してもらったり。
ただ、その獣医からは「きちんと飼えないなら、無責任に保護するな」と注意された。同僚と僕は少々しゅんとしながらも、社内で里親探しに奔走した。
そして、なんとか引き取り手が見つかった。当時まだ新婚(だったはず)で、夫婦ふたりで暮らしている別の同僚のところに貰われていった。
そこらへんの顛末は、当ブログに記録が残っている。
今日、その里親クンと仕事の用事でメールのやり取りをしていた。関係者何人かが含まれていたので、いたってビジネスライクな文面で。
ところが、一連の連絡が終わった後、「木公さんだけにお伝えしたいことが」との書き出しでメールが届いた。
その内容というのが、件の猫ちゃんが11月6日に息を引き取ったという知らせだった。
彼によれば、亡くなるほんの1週間前までは普段と変わらず元気にしていたらしい。長患いで苦しまず、安らかに逝けたのが不幸中の幸いだと彼は書いていた。
8年前に糖尿病を発症し、獣医からは長くて2年しか生きられないだろうと言われたらしい。それが長生きし、それまでの生涯の2倍も生きたのだから立派なものだとも書いていた。
彼と妻の間には、今日まで子どもはいない。
猫がいたことで、夫婦の間に素晴らしい思い出が残ったと最後に書いてあった。
鼻の奥がツンとしました。