竹内まりやのベスト盤を聞く夜

マドンナの映画の話

確か、マドンナ主演の映画の「フーズ・ザット・ガール」という映画だったと思う。

マドンナがCDショップで万引きをしようと計画する。しかし、CDには電子タグが付けられており、支払いをせずにゲートをくぐると警報が鳴るようになっている。そこで、店内にいたトロそうな男に目をつけ、彼のバッグの中に適当なCDをこっそりと入れておく。何も知らない彼がゲートをくぐると、けたたましく警報が鳴る。警備員は警報を止めもせずに急行してくる。

その隙に、マドンナは目的のCDを懐に忍ばせて、ゲートをくぐって立ち去る。さっきの男のせいで警報がなり続けているから、マドンナがCDを万引きしても新たに警報が鳴ることはないのだ。

竹内まりやの曲をよく知っている件について

竹内まりやの30周年ベスト”Expressions”を購入し、3枚組みのうちの2枚目のCDを聞いている。

先日、僕は竹内まりやと中島みゆきの区別が付かない男であるということを語った。そんな僕のはずなのに、このCDの曲はどれもよく知っていた。さすがに歌詞をそらで唱えるということまではできなかったが、鼻歌を合わせて歌うことができた。確かに竹内まりやは有名な歌手なのでどこかで聞いて覚えていた可能性もあるけれど、中山美穂「色・ホワイトブレンド」のカバーを聞いていたら、アレンジの細かいところまでよく知っていた。「マージービートで唄わせて」なんていう、ビートルズをモチーフにした歌なんてかなりのデジャブ感まである。

以前にパフィーやピチカート・ファイブのベスト盤を買った時には、ここまでの「知ってる感」はなかった。

竹内まりや “Impressions”

よくよく調べてみると、1996年に発売された竹内まりやのベスト盤 “Impressions” の収録曲のほとんどが、今回のベスト盤 “Expressions” に収録(曲リスト)されていることがわかった(タイトルがそっくりだなぁ)。

そして、”Impressions” が発売された時期と、モノクロを基調にしたジャケットに心当たりがあったのだ。そして、札幌のTUTAYA 光星店の店内の様子も思い出された。

一緒にお店に行った女の子が、竹内まりやの “Impressions” をしげしげと眺めて、買うかどうか迷っていた。かなり欲しがってはいたのだけれど、その日は買うのをやめたらしかった。CD売り場にも飽きてきたので、併設されている書籍コーナーに移って、それぞれ立ち読みをしたり、しなかったり。

彼女が立ち読みに熱中しているのを確認して、僕はこっそりとCD売り場に舞い戻った。で、竹内まりやのCDを購入して(ここはマドンナの映画と違うところ)、素知らぬ振りしてまた彼女の元へ戻った。そして、気づかれないようにそっと彼女のトートバッグに竹内まりやを忍び込ませておいたのだ。
#こういうところ、無駄に策士な俺。

そして、それから数週間ヘビロテ状態で二人で聞いた記憶がよみがえってきた。それで、竹内まりやの楽曲になじみがあったのだ。

ラヴい小道具に使った歌手をなぜ忘れるのか?

人生には、忘れてしまった方が幸せな記憶があるってことじゃね?

でも、思い出したら思い出したで、ちょっと胸の奥が暖かくなるね。
ウィスキーを舐め舐めしながら、ゆっくりと竹内まりやを聞く夜。

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