NHK『ゲゲゲの女房』第94回

 昨日、当方の職場のエライ人のアリガタイお話を拝聴していたところ、「人は得意なことをやってこそ能力が発揮される。『ゲゲゲの女房』の水木しげるは、SF物の依頼を断固として引き受けなかった。その後、自分の得意なジャンルで勝負したのです」などという話が出て、「あのエライ人が見てるんだったら、社内で『ゲゲゲの女房』はオーソライズされたってことだな、俺の毎朝の作業も無駄じゃないってことだな」と勝手に解釈した当方が、「だけど、所長に当blogの存在は告げ口しないでね、お願いだから」と懇願しつつ、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第94回めの放送を見ましたよ。

* * *
「来るべき時が来た」

 大手出版社の週刊漫画誌「少年ランド」に鬼太郎を描く事になり、茂(向井理)は編集者・豊川(眞島秀和)が帰るのを見送ろうともせず、机に向かった。
 「テレビくん」の原稿料は、口座振込みで支払われるという。弱小出版社との付き合いでは手渡しだったので、大手出版社の秩序正しいやり方に布美枝は思わず興奮してしまった。また豊川は、電話を引くよう頼んだで帰っていった。調布にある茂の家まで、毎回通って原稿依頼や打ち合わせをするのは大変なのだ。

 成功のきっかけを掴み、布美枝は有頂天になった。

 布美枝は、深沢(村上弘明)の事務所へ「ゼタ」用の原稿を届けに来た。大手雑誌の仕事が決まったことを報告すると、深沢は大喜びしてくれた。深沢は時代が変わったという手応えを感じていた。すでに漫画は子供だましの二流文化ではない。最近は、大学生も「ゼタ」を熱心に読むようになっている。そこへ、茂の作品が大手出版社を経由して広く世に伝播するのは望ましいことだと、心の底から喜んだ。

 深沢の美人秘書・加納(桜田聖子)だけは、茂の状態を面白くないと感じた。布美枝が帰ったのち、即座に深沢に不満を述べる。「墓場鬼太郎」は、以前に深沢の会社が手がけて出版していたシリーズだ。それが大手出版社に横取りされたように感じるのだ。「ゼタ」では新人賞を設けて新進作家の発掘を行っているが、自分たちが見つけた才能を金の力で大手に引きぬかれてしまう状況を招きかねないと警戒しているのだ。
 しかし、深沢はそんなことは意に介していなかった。奥深いストーリーと斬新な表現の漫画を世に出すことが自分の願いであり、それが実現するなら、自分の会社だろうと他社だろうと関係ないと言い切る度量を持っているのだ。

 通帳を記帳した布美枝は、桁違いの金が振り込まれているのを見つけて、処理間違いが起きていると思った。大手出版社の原稿料は、それほど破格だったのだ。たった32ページの原稿で、貸本1冊を丸々描いた以上の原稿料が支払われるのだから、驚くのも無理がない。
 布美枝は茂に相談して、家に電話を設置することを決めた。

 早速、豊川から原稿依頼の電話連絡が来た。鬼太郎を本誌「少年ランド」で連載することが正式に決まったのだ。

 そうこうしているうちに、「テレビくん」の掲載された雑誌が発売された。すぐに戌井(梶原善)と浦木(杉浦太陽)がやって来て、それぞれ感想を述べる。戌井ができを褒めるのに対して、浦木は冷ややかな反応を示す。古臭い絵柄でオドロオドロしい物が子供に受けるはずがないと言うのだ。この調子では鬼太郎の連載も失敗するから方向転換しろと言い出す浦木。それを聞いた戌井は怒り出し、いつの子供たちも怖いものや不思議なものを好む。それに、日本は明るく豊かな時代に変わりつつあるからこそ、その反動で暗い物語が受け入れられる余地があると主張する。
 戌井もまた、茂の漫画の大ファンなのである。自分の出版社の仕事は後回しにしても良いから、大手の連載に注力しろとまで言うのだった。

 時が流れ、鬼太郎はすでに2回分の連載が発表された。しかし、期待に反して人気はどん底であった。編集会議で茂の漫画は酷評された。編集長の豊川でさえ、編集部員たりの士気低下を抑えることはできなくなっていた。
 同社に出入している浦木は、鬼太郎が窮地に立たされているという噂を布美枝に伝えた。読者アンケートで3回連続最下位になると、連載は打ち切りになるのだ。そうでなくても、すでに2回とも人気が低迷しているので、3回目の原稿は難癖を付けられてボツになる可能性が高いと知らせるのだった。
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 本日は、ベタな電話ギャグが挿入された。
 電話がついて、嬉しくなって電話の前に座り続ける布美枝。相手に失礼がないように、ベルが鳴ったら即座に取ろうと待機していたのだ。

 電話が鳴った。喜び勇んで出てみると、ラーメンの出前を頼む間違い電話だった。
 また鳴った。また間違い電話だった。
 三度鳴った。「うちはラーメン屋じゃない!」と怒りながら電話に出ると、それは豊川からの原稿依頼連絡だった。

 布美枝の横にちょこんと座り、別のやかましさに耳をふさぐ藍子(篠川桃音)の様子も可愛らしかった。


 それと、今日は深沢と戌井の侠気がカッコよかったね。どちらも台所事情は苦しいのに、うちの仕事は後回しでいいから、お前の作品を世に出すことを優先しろ、みたいな。惚れるね。

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