昨夜,ベッドにもぐって中島らもの「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」をツラツラと読んだ.
読んでいるうちに適当に眠くなったらそのまま寝ようと思って.
中島らもの本を読むのは初めてだったけれど,すごく面白くて止まらなくなった
そして,結局最後まで読んだ.
しかし,これが失敗.
中島らも本人があとがきに書いているように
通読していただくとわかるが,十代前半の明るさに比べると,後半はひたすらに暗い.
のである.
すごく後味が悪くて,読み終わったあと2時間くらい,色々と暗いことをグルグルと考えてしまって眠れなくなってしまった.
一日中なんとなく胸が悪かったので,口直しが必要だと思った.
そこで,思いっきりバカな本を読もうと思って,俺的「バカ笑い No.1 書物」であるところの「板谷バカ三代」を本屋で買ってきた.
本屋で買った足で Junk Cafe に出かけて行き,大好きなクラム・デルレイ(ボンゴレソースのスパゲティ)と食後のコーヒーを飲みながら読んでみた.
もちろん,先々週から店に入った店員さん(♀)を横目で観察することも忘れない.
このおねーさん,ずいぶんと仕事が板についてきた.
僕にコーヒーを出すときに「ミルクはいりませんよね?」と僕の趣味を覚え始めてくれたようだし,帰りのレジでも「いつもありがとうございます」と言ってくれたり.
本日70点!
それはさておき,「板谷バカ三代」だ.
著者のゲッツ板谷は,西原理恵子とは学生時代からの付き合いのあるフリーライター.そんなわけで,彼の本には西原理恵子のイラストがたくさん入ってたりする.
そんなわけで,一瞬「ゲッツ板谷って,要するに西原理恵子のコバンザメライターか?」なんて思ってしまうわけである.僕がこんなこというのはおこがましいけれど,文章もあんまりウマくないっぽいし.
そう思ってしまうわけではあるが,元暴走族でデブで喧嘩っ早い彼はネタの宝庫.ネタだけでずいぶん笑わせてもらえる.
でもって,この「板谷バカ三代」は,彼の最高峰.
自分の家族をネタにしたもので,実の祖母,父,弟のバカさ加減を切り売りしているわけであり,ずいぶんと「まじかいや!?捏造とちゃうの?」と思ったりもするわけだが,たとえフィクションだったとしても笑いが止まらないからOK!
いつもは Junk Cafe で「俺って,風貌は怪しいけれど,実は小難しい本読んでるのよ」という雰囲気をかもし出すために,難しい顔をしながら岩波新書とか学会論文誌(和文)とか,英語の論文のコピーとかをこれ見よがしに見せびらかしているわけであるが,今日ばかりは文庫カバーもついていない「「板谷バカ三代」をケタケタと声を出しながら一人で笑いながら読んでしまった.
そんなこんなで,今日は幸せな笑いに包まれつつ寝れそうな感じです.
とにかく,何も考えずに笑いたいときは,この本を.
なお,文庫版にはゲッツ板屋の地元の立川の紹介記事と,著名人の寄稿が収録されています.