僕の好きな小話

ほぼ日刊イトイ新聞」の”言いまつがい” に出てた投稿.

言いまつがいでも、
しまつがいでもないと思うのですが、
私的に、何かどこか、
まつがったような気がするので‥‥。
私が高校生2年だった頃、
付き合っていた彼が卒業する時に、
制服の第二ボタンを貰いました。
素敵な思い出の1ページだけど、
将来誰かと結婚する時に、
こんなモノをいつまでも
大事に残しているのを見つかっては、
相手が気にするかもしれない‥‥と思い、
ある年の大掃除の時に、処分しました。
あれから十数年。二児の母となった私は、
「あの時アナタにもらった
 ボタンは
 実家にあるはず」
などとあいまいなコトを言って、
夫をはぐらかしています。
まさかそのまま結婚までするとは
思わなかったんだもん。
(目測誤り)

(2005年5月8日の言いまつがいから転載)

はは.ちょっぴりお間抜けさんですが,お幸せそうで何より.


もう一発,大好きなお話は,「アーサー王伝説」のどっかで読んだお話.

ある騎士が,とても醜い女と出会う.
その醜い女は,図々しくも騎士に向かって,結婚してくれとかなんとか懇願するわけだ.
でもって,騎士も騎士でかなりの人格者で,この女と結婚することを承諾してしまう.
へんな女と結婚するわけで,この騎士様は周りのみんなからすごくバカにされてしまう.

ところがある夜,二人っきりになったときに,その醜い女は絶世の美女に姿を変える.
彼女が言うには,
自分は悪い魔法使いによって醜い姿に変えられた.その魔法を解く方法は,誰かと結婚すること.あなたが結婚を承諾してくれたおかげで,魔法の一部が解けました.ただし,完全に元の姿には戻れません.昼間か夜のいずれかしか元の姿に戻れず,それ以外は醜い姿のままです.どうか,元の美しい姿に戻るのは昼と夜のいずれが良いか,あなたが選んでください.
とのこと.

すると騎士様は,「夜に元の姿に戻ってくれ.昼間,みんなの前で君のような妻をもらったことをバカにされてもかまわない.夜,二人っきりのときに本当の姿を見たい」とかなんとか言うわけだ.
いいやつだなぁ.

すると,女は涙を流して喜び,
私の魔法を解く本当の鍵は,あなたの言葉です.夜に元の姿に戻るように選んでもらえば,魔法は完全にとけるのです.ありがとうございます
と言い,それからは二度と醜い姿に戻ることはなかったそうな.

キスで白雪姫を目覚めさせる王子様よりも,こっちの騎士様の方がよっぽどイイ奴だと思う,当方です.

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