劇場版Zガンダムのフォウ役を島津冴子さんに戻せ

あなたの初恋はいつですか?

と聞かれれば,
小学校4年生のとき.同じクラスの女の子.行動が粗野で,男の子っぽい女の子だった.クラス替えでクラスが変わった後,彼女は転向してしまってそれっきり」
と胸を張って答える当方.

じゃあ,second love は?

と聞かれれば,初恋の時よりも声を大にして
フォウ・ムラサメ!え?知らないの?『機動戦士Zガンダム』に出てくるヒロインで,完全な戦闘マシーンになるため,いろいろと人体改造をされた女の子.ボーイッシュなショートカットで,モビスルーツに乗り込むと悪魔のように殺戮をするんだけれど,ふとプライベートに戻るとすごく女の子っぽくなるんだ.特に,第35話『キリマンジャロの嵐』で見せる入浴シーンと”そこの怪しいやつ,止まれ.動くと撃つ!”から”ばーん!(ハート)”のコンボは,今思い出しても胸がキュンとして萌えちゃうよね.でもって,島津冴子のちょっぴりハスキーがかったアダルトな声がよかったんだ.それから・・・
といくらでも話が続いてしまう当方.

いよいよ,10月に公開される映画「機動戦士ZガンダムII 恋人たち」では,フォウの登場がありますし,”恋人たち” とあるようにフォウの活躍も期待できるわけですが・・・.

フォウの声が島津冴子じゃないって,どういうことやねん!

あちこちで話題になっているようですが,ここがよくまとまっています.
http://wiki.livedoor.jp/eternalfour/d/FrontPage
(劇場版Zガンダムのフォウ役を島津冴子さんに戻せ)

このサイトでは,反「恋人たち」運動(映画を見ず,DVDも買わないことで製作陣に抗議する)を繰り広げようとしている様子.

僕もその気持ちはわからないではないが,とりあえず映画は見に行くし,DVDも買う.
島津=フォウに対する思い入れは,僕だって強いし,ぜひ彼女で映画を作ってもらいたかった.
しかし,島津冴子が出演しないならしないで,どんな映画に仕上がったか興味はあるので映画は見る.

それに,島津=フォウに会いたくなったら,旧TV版のDVDだって見れるわけだし.

それに,フォウの名セリフ
「私は常にあなたのそばにいるわ」
なわけで,自称ニュータイプな僕の心の中には,いつも島津=フォウがいるわけだし.

それでいいのだ.

邪馬台国はどこですか? / 鯨統一郎

先日の「タイムスリップ森鷗外」に引き続き,鯨統一郎の歴史ミステリを読んでみた.

この人の破天荒なアイディアには感心させられる.

今回は,バーに集まる4人の人々の歴史談義を下敷きに,歴史上の有名な出来事に関する新解釈を繰り広げる.
で,取り上げてる題材が素っ頓狂でおもろい.

「悟りを開いたのはいつですか?」では,ブッダは実は悟りなんて開いていなかったんじゃないかと,いわゆる仏教の根底を覆す大風呂敷を広げる.

書名にもなっている「邪馬台国はどこですか?」では,九州 vs 畿内の論争で有名な邪馬台国のあった場所について,”隠し玉”ちっくな説を主張.

「聖徳太子はだれですか?」では,お札の肖像画にもなった超有名人の聖徳太子をして,彼は架空の人物ではないかと空想をめぐらせる.

「謀反の動機はなんですか?」では,織田信長が明智光秀に討ち取られたことについて,信長自身が画策した壮大な”自殺計画”であると説得する.

「維新がおきたのはなぜですか?」では,明治維新の真の黒幕を勝海舟であるということを議論.

「奇跡はどのようになされたのですか?」では,イエスの復活は巧妙に仕組まれたお芝居で,十字架に貼り付けられた時点ですでにイエスとユダが入れ替わっており,処刑されたのはユダではないかという仮説を論じる.

ここで,話の種明かしをするのは反則っぽいが,どの話も冒頭に仮説を提示して,残りの紙面で検証を行うというスタイルなので,まぁありでしょう.

読んでみた感想としては,思考遊びとして十分に面白かった.「よく,そんなこと思いついたよな」って感じで.
そして,説得の道筋も,あり.一人の登場人物が大胆な仮説を提示→聞き手が反論→仮説をサポートする証拠を再提示 という構成で,議論がスムーズに流れてる.

登場人物の会話スタイルをとっているため,小難しい話でも,まぁ割とすっと頭に入ってくる.
ただ,個人的には,やや冗長な感じもしたので,もっとサクッと事実の記述だけで読ませてもらいたかったかも.そうすると売れなかったと思うだろうけれど,話の内容自体はスムーズになると思った.

あと,正直な感想として,「邪馬台国はどこですか?」以外の話は,読後感があまりよくなかった.
仮説を支持するための証拠の提示が,すべて歴史上の史料の”解釈”でしかないので,真偽のほどは断定できないと思った.
それに対して,「邪馬台国はどこですか?」に関しては,仮説の検証が比較的容易にできる.本書の中でも触れられているとおり,指摘されているポイントを実際に掘って,邪馬台国の跡が出てくりゃいいだけなので,検証ができる.
#c.f. ブッダが悟りを開いたかどうかなんて,客観的に示す証拠なんて出てきようがないから,シロともクロとも言いようがない.

んなわけで,「邪馬台国はどこですか?」という話は,スタイル,内容ともとてもよい.
その他の話は,スタイルは面白いけれど,客観的に見ると,僕的にいまいち.

いずれにせよ,面白くて夢中になることに間違いはない.

Special thanks to hirori.