当方の生涯の中で「差出人のわからないプレゼント」を初めてもらったのは中学生のときだ。
登校すると、下駄箱の中の上履きにバラの造花がくくりつけてあった。
上履きの中に画鋲が入れられていることに比べたらよっぽどマシであるが、一般的にこれはイヤガラセである。
しかし、そこでうろたえるのもカッコ悪いので、「悪く無いじゃん。俺、バラ好きだし」とかなんとか言いながら、そのまま上履きを履いて過ごすことにした。
数日間、なんとなくソワソワしている一部の女子たちを観察していると、下手人はほどなくわかった。しかも、僕に好意を寄せている女の子が、ちょっと屈折した愛情表現として行ったらしいこともわかった。
結局、在学中にその女の子とお付き合いさせていただくことになった。
淡いが、滑稽な青春の思い出。
当方のサラリーマン生活の中で「差出人のわからないプレゼント」を初めてもらったのは今年の年初である。
当方のサラリーマン生活の中で「差出人のわからないプレゼント」を2度目にもらったのは先月のことである。
いまだに誰がくれたのかわからない。
当方のサラリーマン生活の中で「差出人のわからないプレゼント」をもらった3回目は本日である。
当方がガンダムオタクであり、特にシャアが大好きであるということを鑑み、ジャンキーな甘いものが嫌いではないという性質まで考慮に入れた、ナイス・チョイスである。
この女性(だと信じておく)の僕に対する深い愛情を感じぜざるを得ない。
一方で、当方はかなり有名な山瀬まみフリークである。某女性に本気でデートに準じるもの(デートに準じるもの?デートに準じるものなのか!?)に誘われたが、例の山瀬トークショーに行く関係で断ろうと思っているほどである。これだけ山瀬まみを愛している当方であるのに、この謎のプレゼント主は決して「山瀬関連品」をプレゼントしようとは思わないらしい。
この女性(だと信じておく)の山瀬まみに対する罪深い嫉妬を感じぜざるを得ない。
なにはともあれ、どうもありがとうございます。
ペッツの半端にメカニカルな動き、楽しんでおります。
シャア専用ペッツは、朝、出社すると机の上においてあった。
前日は、労働三権であるところの「争議権」を行使し、「給料を増やしてくれないんだったら、俺は働かねーよ」と言ったかどうかは覚えていないが、17時に帰った。
その後から、今朝までに、誰か(♀)が僕の席までやってきてシャア専用ペッツを置いたのである。
ガンダムコースターのプレゼント主を推理したときは、「液状に変身し、セキュリティドアの隙間から染み込んできた妖怪人間ベラ」だと考えた。
シャア専用電話メモに関しても、記事には書かなかったが、本人は同じように考えていた。
どちらも、薄いので、なんとかドアの隙間を通過できる。
しかし、今回のシャア専用ペッツに関しては、ベラの仕業と断定するのが難しくなった。
ペッツはかさばる。たとえ本人が液状になっても、肝心のペッツはドアを通過できない。
推理は振り出しに戻ったわけである。
こんなときは、ガンダムのストーリーを思い出そう。
潜入が上手い人物がいなかったか?
いた。
シャア・アズナブルだ。
機動戦士ガンダムの第2話「ガンダム破壊命令」では、ノーマルスーツ(宇宙服)のみでサイド7に潜入し、見事に連邦のモビルスーツの部品の調査に成功している。
機動戦士Zガンダムの第1話「黒いガンダム」でも、やはりサイド7のグリプス(軍事基地コロニー)に潜入して、ティターンズが新開発したガンダムMk.IIを発見した。
ガンダムの時は爆弾でコロニーの外壁を破壊するという強硬手段に出ていたが、Zガンダムの時はコロニーのセキュリティロックの暗証番号をクラックしてドアを開けるという芸当も見せている。この技術を利用すれば、弊社のセキュリティロックなどお手の物だろう。
なお、いずれの潜入でも、偵察の様子を収めたカメラが破壊されるというドジを踏んでいるが。
シャア本人が潜入のスペシャリストであるだけではない。
部下たちも一流だ。
ガンダム第1話が、シャアの部下たちがサイド7へ潜入するシーンから始まっていることは有名である。
連邦軍の本拠地ジャブロー内部へ通じる地下水脈を発見し、爆弾まで仕掛けたのもシャアの部下たちである。
シャアだ、赤い彗星のシャアだ!ヤツが来たんだ!
しかし、待て。
シャアは男だ。部下も男だ。
僕にプレゼントを渡したのは、きっと女性であるはずだ。いや、女性でなければ、僕の気がすまない。
シャアの部下で女性と言えば、ララァだ。
しかし、ララァは賢いが、白鳥を可哀想に思うのが関の山で、潜入などは無理だろう。しかも白いヒラヒラのワンピース姿に裸足だ。目立ちすぎる。
いた。潜入のスペシャリストが。
「スパイ107号」こと、ミハル・ラトキエだ。
深夜に、ベルファスト基地を出航前のホワイトベースではなく、人気のいない弊社ビルに忍び込んだのだろう。
きっと、ピンクの連邦軍の制服ではなく、某青いジャンバー(知る人は知る)を着て変装のうえ潜入したのだろう。そして、やはりオサゲ髪だったのだろう(余談ではあるが、某社食にいたオサゲのおねーさんの隠れファンだったことをここでカミングアウトしておく。わかる人にはわかると思うが、ピンクの口紅をつけて、社食のおばさん達の平均年齢よりは下だと思われるあの人だ。お辞めになったようで、残念だ。「和弁当」だの「中華弁当」だのを食べる頻度が激減しているのは、そこに”目の保養”がなくなったからである。先日、出張のため電車で移動するときに、祝園駅で「どっかで見た顔だなぁ」と気になるおねーさんがいた。”ショートカットにしたあの人だ!”と思い出した時は、既に新幹線に乗った後だった。会った瞬間に思い出していたら、出張を勝手に放棄して追いかけた自信があるとか、ないとか)。
間違いない。
腹をすかせた弟や妹にパンを買ってやるでもなく、僕のためにペッツを買ってくれてありがとう。