モンキー・パトロール / 有間しのぶ

当方のようなおっさんが夜な夜な読むようなマンガではないことは重々承知の上だが、「モンキー・パトロール」文庫版全3巻を購入し、先週からチマチマと読んでいた。

先ほど読み終えたのだが、おっさんの目に涙がホロリ。

主要登場人物は、
おやっさん: 20代中ごろの女の子だけれど、思考も行動もエロ親父そのもの
すず: おやっさんの同級生だが、フェロモン出まくりでどんな男もイチコロ
香ちゃん: 30目前のおねぇさんで、ババくさい守銭奴。男運なさすぎ
な3人。

この3人が、基本的に男関係のことでウダウダやってるだけの、4コママンガ。
エロくて、下衆で、山場がなくて、ダラダラしているだけのストーリーだけれど、なぜか昔から当方の気に入りマンガだったのである。


基本的に、上記3人が狂言回しで話は進んでいくわけだが、脇を固めるキャラクターたちが全員個性が際立っていて、人間模様を追うのも楽しい。

玄夜クンという、超イケメン(しかも、上半身が逆三角形)な古着屋の店長がいるのだが、彼が身も心もいい男。
別れた彼女から未練がましく電話がかかってくるシーン (文庫版 2巻 p.221)。

花梨奈
「あたしも恋人つくるから、参考に教えてよ。あたし、どこがダメ? 正直に言って」

玄夜
「・・・昔、俺が最高潮に忙しかった時。ボロボロだったけど会いたくて、急にファミレス呼び出したことあったじゃん」

花梨奈
「うん」

玄夜
「そんな時でも、ばしっとおしゃれして来たろ。あれ嬉しかった。
いつでも綺麗にしてたよな。
もうそーゆー事しかおぼえてねーや。
元気でな・・・」

うわ~ん。泣かせる (脇役のクセに!)。
ちょっとお出かけの途中で、新祝園駅のホームで電車待ちの時にこのシーンを読んでいたのだけれど、マヂやばかった。

当方も33年生きてきたので、それなりに女の子とのお別れっつーものは何度か経験してきたわけだけれど、いつも相手の悪いところを思い出しては、自分を正当化してきたことをプチ激しく反省。

つーか、男女の間のことだけじゃないよね。
仕事とか買い物に行った先とか、生活一般について、縁の無くなった人のことを悪く考えようとする傾向はあるよね。
どうせ縁がなくなって、もう二度と会うこともない相手ならば、ネガティブなことばっかり思い出すよりも、「良かった探し」(by ポリアンナ)をして、楽しく振り返る方がどれだけ人生楽しく過ごせるか。
考えることしきり。

どーでもいいが、その昔、お付き合いしていた女の子の愛読書が、この「モンパト」だったわけで。
その人につられて僕も読んでいたわけだけれど、「モンパト」の完結前に別れてしまったので、結末がわからずに今日まで至っていたわけで。
本屋で「モンパト」が全巻売られているのはいつも見ていて、結末が気になっており、いつも手を伸ばしかけていたわけだが、
あのオンナが読んでいたマンガ
と、妙にイコジになって、購入には至らなかったという事情がある。

たった1週間前のことなのに、何のきっかけだか忘れてしまったが、とにかく買った。
そして、読んだ。
最後には、「相手の長所だけを覚えていることが、人生の秘訣」という悟りを開かせてくれた。

至福だ。

でも、やっぱり、基本的にエロ下衆マンガだけどね。
それでもなお、やはり玄夜がらみの”外伝”(3巻の p.215あたりからのヤツ)を読んで、ものすんごく泣かされた当方がいるんだけどね。

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