『蒲田行進曲』(深作欣二・監督、松坂慶子・主演)

最初の10分くらいは、ノンストップ・ナンセンス・コメディ(昭和末期には面白かったのかもしれないけれど、21世紀にはキツいギャグのレベル)かと思いながら見たんだけど、中盤以降は純愛と友情のシリアス・ストーリーで引き込まれた。大切な人への無償の奉仕の物語だと捉えれば、そのテーマは普遍的だからだ。

ちなみに、1982年作品。松坂慶子が美人。当方は、最近のバラエティ番組で見かける松坂慶子の姿しか知らなかったので、若い彼女を初めて見て、時間の流れは残酷だと思った。

あと、特典映像には、この映画のロケ地(京都太秦撮影所とか)や関係者(映画の中で大部屋役者を演じていて、現在でもリアルで大部屋役者のおっちゃんとか)へのインタビュー映像が入っていた。ずいぶん最近になってから撮られたものらしいが(撮影年不詳)。
その特典映像の中で、案内役を務めていたのが緒川たまきだった。「トリビアの泉」という番組でガセネタに対して「ウソつき」って言ってたおねぇさんだ(Youtubeで参考映像を見る)。きれいだった。20年後、松坂慶子のようにならないことを祈るのみ。

以下、あらすじ。


映画スター・銀ちゃん(風間杜夫)は2つのトラブルに遭遇している。

一つは、旬の過ぎた女優・小夏(松坂慶子)を妊娠させてしまったこと。
その存在が表沙汰になると人気に響くので、彼女を付き人俳優のヤス(平田満)に押し付け結婚させることにする。
最初は戸惑う小夏とヤスであった。しかし、ヤスは親分の銀ちゃんを助けてやりたいこと、そして女優時代の小夏に憧れていたことなどから、心優しく小夏に奉仕する。小夏も、そんなヤスに心を惹かれ、ふたりは夫婦の絆を確かなものにしていく。

銀ちゃんが直面しているもう一つのトラブルは、主演作品の大アクションシーンが没になりかけていること。
新撰組の土方を演じる銀ちゃんに斬られた敵が、10mもの階段を転げ落ちるというシーンが台本にある。ダイナミックなシーンなので、映画のクライマックスだ。しかし、生死にかかわる危険なスタントであり、引き受ける役者がいない。
ヤスは銀ちゃんへの強い憧憬と尊敬があり、そのスタントを命がけで引き受けることにする。無事ではすまない仕事であり、ヤスはもちろん、身重の小夏、そして銀ちゃんまでもナーバスになり、3人の関係が悪化する。

そしていよいよ、大階段撮影の本番を迎える・・・。

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