会社の女子が、出勤途中に子猫を拾った。つーか、弊社の敷地内の草むらで見つけ、そのまま職場につれてきた。弊社ビル内で、当方と一二を争う猫好きの彼女のこと、どうしても捨ておくことはできなかったようだ。
周りにはきょうだいも親猫も見当たらなかったとのこと。まだ目も開いておらず、歯も生えていない。体重は97グラム、性別不詳。生後1週間弱とみられている。小さな声で、ひっきりなしにみぃみぃ鳴いている。
毛並みはまだ揃っていないが、黒と白の縞のある、かわいいネコちゃんになりそうな予感。
当面は、拾い主の女子が面倒をみることになったのだが、彼女の家にはすでに猫が1匹。気難しい猫なので、永続的に飼うことは困難。僕の家でもあるにゃんで手一杯。
どなたかが里親になってくれるとありがたい。
以下、本日の顛末を僕の視点から書いてみる。
将来この猫の飼い主になる人は、この子の伝記のプロローグだと位置づけてくだされば。
今朝、10時半ころの話である。
当方の職場は、みんな大きめのタワー型パソコンを使用しているので、あちこちからファンの音がゴーゴー聞こえている。何か嫌なことでもあって怒りをぶつけてるのか知らんけど、キーボードを叩く音が大きい人もいる。カチャカチャカチャカチャ。
一方で、みんなはシャイなのか何なのか、あんまり人同士の話し声は聞こえない。用件はメールでのやり取りがほとんどなので、電話のベルもならない。
そんな環境で当方もパソコンに向かっていると、なんだか背後から「みぃみぃ」聞こえるような気がした。暑くて寝不足でもあり、ついに幻聴まで聞こえるようになっちゃったかと思った。そして、「木公さん・・・、木公さん・・・」と蚊の鳴くような声が僕を呼ぶ。もしかして、自分はもう死んでいて、化け物か何かが自分を迎えに来たのかと、背筋が寒くなった。
振り返ると、隣の部屋にいるはずの女子がそこに立っている。
手には、ジャンガリアン・ハムスターを持っているように見えた。彼女は猫を飼っているはずなのに、なぜネズミなんだろうかと思った。おとなしそうな顔して、自分の飼い猫に生き餌としてハムスターを与えてるんだろうかと、一瞬空恐ろしくなってしまったり。「一匹、あるにゃんにもおすそわけです・・・」なんて言われたらどうしようかとドキドキしたり。そんなん、オレはよーやらんわ。
僕の取りこし苦労を尻目に、彼女が言うには「猫を拾ったんだけれど、どうしていいかわからない。あるにゃんを拾った時にどうしたのか聞こうと思って・・・」とのこと。
僕があるにゃんを拾った時は、生後2カ月くらいが経過しており、目もぱっちり開いていたし、固形物も食べることができるくらいに成長していた。しかし、彼女が連れて来たのは、目すらも開いていない、どう見ても生まれたばかりの赤ん坊。
こりゃ、俺にもどうすることができないと即座に判断し、2分後には職場そばの かなか動物病院に向けて二人で出発(理解のある職場で本当に良かったと思う)。同病院は当方のかかりつけであり、職場からも車で1分という好条件。
病院でまず念押しされたことは「ちゃんと育てる気はあるのか?」ということだった。僕たちはそのことについてきちんと話し合っていなかったけれど、あうんの呼吸で、「当面は自分たちで面倒をみるが、両方ともすでに飼い猫がいるから永くは飼えない。責任を持って里親を探す」と宣言。
動物病院の先生も納得してくれ、「後日、写真を持ってきてくれたら、待合室に募集広告を出してあげますよ」と協力的でもあった。
さらに、養護の方法についてのレクチャーを受ける。猫用ミルクをお湯で溶き、人肌程度に冷まして注射器で飲ませる。分量は3時間おきくらいに、20mlほど。飲み終わったら、ティッシュで肛門を刺激し排泄を促す。体温調節のため、湯たんぽ等を与える。
会社に戻ってきて、段ボール箱の中に寝室を作ってやり、ミルクを与えた。腹いっぱいになると寝る。腹が減ると起きて鳴く。ミルクを飲まされ、ティッシュでおしっこをしぼりとられ、寝室に戻してやるとお湯の入ったペットボトルに身を寄せて寝る。
つーか、拾い主の手をズンズン登るほど元気ではある。病院に行く前はおとなしかったのだが、病院がよっぽど怖かったのか(先生は、太ってた頃の岡田斗司夫風で、愛嬌のある姿なのに)、帰り道では暴れまくっていた。拾い主女子をてこずらせるほど、元気だ。
性別は判明次第発表します。
可愛い猫ちゃんなので、里親もはやく見つかればよいと思う。
我こそはと思う方の連絡を待つ。
問い合わせは、お気軽にどうぞ。
※このぬいぐるみは、当方のデスクにあったもの(写真)。