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NHK『ゲゲゲの女房』第60回

 最近、当シリーズ記事を書くのに時間がかかるようになってきており、今日こそは20分以内に書きあげるぞ、と決意した当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第60回めの放送を見ましたよ。

* * *

「こんにちは赤ちゃん」

 定期検診で布美枝(松下奈緒)は軽い妊娠中毒症だと診断された。食事の良くないことが原因のようだ。入院するよう勧められるが、金の心配からそれを断る。

 家にいると、商店街のいつもの人々が家を訪問してくれた。様子を見に来てくれたセールスレディの靖代(東てる美)がみんなに声をかけてくれたのだ。美智子(松坂慶子)は、塩分控え目でも美味しい料理を持ってきてくれた。その他、みんなは家からこども用品のお古や、安産のお守りなども持ってきてくれた。
 人々の温かい人情に触れて涙ぐみつつも、応援を受けて明るさと勇気を取り戻す布美枝であった。

 しばらくして、クリスマス・イブの日。布美枝は定期検診で病院へ向かった。徹夜で仕事をしていた茂も、ふと気が向いて一緒についてきてくれた。
 妊婦に囲まれて居心地の悪い思いをしている茂の所へ、検診を終えた布美枝が深刻な顔をしてやって来た。予定日は年明けだったはずなのに、今夜にも生まれるかもしれないという。そのまま入院することとなった。
 布美枝は仕事のことを心配し、茂に家へ帰るよう言うのだが、居ても立ってもいられない茂は入院道具を揃えると病院に詰めた。

 その日の夜、無事に女の子が生まれた。

「ごくろうさん、お母ちゃん」
「だんだん、お父ちゃん」

* * *


 分娩という一大事なのに、それほど多くの時間を割くでもなく、過剰な演出があるわけでもなく、サラリと流すあたりに、このドラマの潔さを見る。分娩などという「ありふれた」こと(古今東西の人間の数だけ分娩は発生しているという論理的な理由)をわざわざクローズアップしなくても、他にいくらでも見どころがあるのだからスゴイ。

 とても細かい演技だが、今日の向井理にはノックアウトされた。看護師が「ほっぺがぷっくりしているところが、お父さん似だ」と茂に向かって言うところがある。それを聞きながら、茂は我知らず頬に空気を入れて膨らませる。
 すごく良かった。

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