どうしようもない状況に陥り、「猫ですらこんな状況でもリラックスしているというのにおまいらときたら……」(ハムスター速報)を見て現実逃避し、その中にあったモノレール型猫で激しく笑うことができ、その結果朗らかな気持ちになった当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第70回めの放送を見ましたよ。
茂(向井理)は『悪魔くん』最終話の原稿を戌井(梶原善)に届けた。しかし、有り金全てを印刷屋に支払ってしまっていたため、原稿料を受け取ることができなかった。
帰り道、八百屋で真っ黒に変色したバナナを見つけた。見た目が悪いことを理由に八百屋を言いくるめて、100円に負けさせて1束買った。茂は戦争中に南方の現地民から珍しい果物をもらって食べていた。だから、色は悪くても熟しきったバナナが美味しいことを八百屋よりもよく知っていたのである。初めは顔をしかめる布美枝(松下奈緒)であったが、思い切って食べてみて、そのおいしさに顔をほころばせるのだった。
はるこ(南明奈)と浦木(杉浦太陽)が、大量の缶詰を持ってやって来た。はるこは、浦木との打ち合わせ前に、暇つぶしに入ったパチンコ屋で100円で大勝したという。パチンコ屋に住み込みしている都合上、景品を持ち帰るのもバツが悪いというのだ。
一方ではるこは、漫画の持ち込みが失敗続きで、少し落ち込んでいた。藍子の姿を見て元気を貰いに来たと話している。
藍子のオムツを取り替えるため、布美枝とはるこは2階へ上がる。布美枝は、家の前で撮影した写真をはるこが持っているのに気づいた。それを慌てて隠すはるこの様子を見て、布美枝はなんだか胸騒ぎがするのであった。
一方、居間に残った浦木は、茂に今後の仕事口を紹介する。只野マコトという漫画家は、業界新聞(製鉄新聞、炭鉱新聞などの専門誌)の仕事で羽振りがいいという。一度原稿を書けば、同じものが各紙に転載されるため効率良く稼げるという。浦木は只野の住所の書付を押し付けるが、茂は乗り気にはなれなかった。
藍子がちゃぶ台に手をかけて、つかまり立ちをしていた。自分の足で立てるようにいろいろ試しているのだと言う布美枝の言葉に、茂は自分の境遇を重ねた。自分もいろいろ試してみようと思うようになった。
はるこ役の南明奈は相変わらず浮いている(あのカツラはいい加減にして欲しい)わけだが、どうも茂に心を寄せているんじゃないかという雰囲気。そして、それに気づく布美枝。っつーわけで、一波乱ありそう。貧乏ネタばかりで食傷気味ではあるので、色恋沙汰でアクセントが欲しいところなので期待しているなり。
ただし、はるこは茂に恋しているのではなく、純粋に藍子のことが可愛いと思っている可能性もある。それを布美枝(および、視聴者である当方)が茂への恋心と勘違いしている可能性。はるこの所持している写真には、茂だけではなくて藍子も写っている。藍子に会いに来たというセリフもあるし、赤ん坊用の離乳食の切り抜きなんかも持ってきてくれた(上のまとめからは割愛)。
そういえば、その離乳食は鮭のクリームソースであった。そして、はるこの持ってきた缶詰のラインナップに鮭もあった。切り抜きの内容に合わせて、はるこがパチンコの景品を選んだ可能性も高い。それらは藍子の健康のためだと解釈できる。
そんなわけで、布美枝と視聴者を誤解させる巧妙な脚本&演出かもしれんな。