茂(向井理)の『墓場の鬼太郎』は、月一読み切り連載として8月と9月に「週刊少年ランド」に掲載された。しかし、2回とも読者アンケートで最下位となってしまった。浦木(杉浦太陽)は絶体絶命の危機だと騒ぎ立て、子ども受けのする安易な路線変更を提案する。
そこへ、「ゼタ」を出版する嵐星社の秘書・加納(桜田聖子)が激励に訪れ、個性を貫けという深沢社長(村上弘明)の言葉を伝えた。浦木は、美人で聡明な加納に一目惚れした。
「週間少年ランド」の編集会議は紛糾していた。市場2位でトップを狙っている時期にあり、茂の漫画のように雑誌の足を引っ張る不人気漫画は即座に打ち切るべきだという意見が大勢だった。しかし、若き編集長である豊川は、茂の漫画に運命を託すつもりであった。常識を打ち破る斬新な紙面づくりをしなくては、トップを獲得するのは難しいと考えるからだ。もちろん、茂の漫画の真価を見ぬいてのことだ。彼は編集長権限で、「墓場の鬼太郎」の週刊連載化を決めてしまった。
そのことをまだ知らない茂は、自分の進むべき道を迷い始めてしまった。しかし、自分が良いと思う作品を作るしかないと自身を奮い立たせ、原稿にとりかかるのだった。
月刊連載の3回目が発表された直後、豊川が茂を訪ねた。彼は読者からの手紙を携えていた。束を見た瞬間、貸本時代に苦情の手紙を大量に受け取った記憶がよみがえり、落胆する茂だった。しかし、その予想に反して、手紙はいずれも好意的なものだった。熱烈なファンの付いた漫画は大成すると信じる豊川は、それらの手紙を根拠に茂も大ヒットすると確信している。
豊川は「墓場の鬼太郎」を週刊連載化すると伝えた。週刊化にあたっては、読者の興味を次回に引っ張る仕掛けが必要だが、茂は紙芝居作家時代の経験が活かすことができると胸をはる。砂かけばばあや一反木綿、ねずみ男など、仲間となる妖怪の構想を披露し、鬼太郎が仲間と力をあわせて大きな戦いに巻き込まれていくというストーリーを展開することに決まった。
昭和40年11月。
茂は質屋にやって来た。無理をしてテレビを買っていったことを心配していた主人(徳井優)は、茂がとうとう食い詰めたのかと心配顔である。ところが、彼の予想に反して、茂は鼻息荒く、これまでの質札を全て叩きつける。そして、質入していた品物を全て引き上げて行った。
ついに村井家は極貧生活を脱したのだ。
引き上げてきた品々を広げ、感慨にふける茂と布美枝。布美枝が母から貰った着物もきれいなまま残っていた。預けた品物が早く帰ってくるようにと、布美枝が忍ばせておいたオマジナイの札もそのままだった(59回; オマジナイの意味について調べたのはこちら)。
その時、黒電話が鳴り響いた。茂がビクビクしながら受けると、豊川からの吉報だった。「テレビくん」が今年の漫画賞を受賞することが決まったという。にわかには信じられず、呆然とする茂と布美枝であった。
今日のクライマックスは漫画賞受賞。茂の前途が眩しすぎるくらいに明るくなりました。
そのプロローグとして、質草をすべて受け出し、感慨にふけるシーンも見ていて気持ちのいいものでした。
ただし、週刊化したものがどの程度の人気を博しているのか、今日の放送では説明がありませんでした。
明日はいよいよ、予告編に出てきた受賞式典ですね。