締切りがいくつも重なり、ろくに寝ることもできず、疲労困憊している茂(向井理)。それに加えて、夕食中も黙って新聞を読むばかりである。家族は不満に思いながらも、仕事の状況を考えれば仕方ないと納得するしかない。
布美枝(松下奈緒)は茂の身体を気遣い、あまり無理はしないように優しく語りかける。それに対して茂はイライラとしながら、仕事の事に口出しをするなと言い返す。布美枝の態度が一気に硬化した。
茂は、次の日曜日に富士山の別荘に一家で出かけると、急に宣言した。子供たちですら、あまりに突然ことで、他に用事があるなどと言って賛成しかねている。
布美枝は不機嫌な態度で食器を片付け始め、自分は絶対に行かないと反抗した。自分に従わないことに腹を立て、怒鳴りつける茂。
いよいよ感情的になった布美枝は、自分の話を全く聞いてくれないのが辛いと不満をさらけ出した。そして、そのまま家を飛び出してしまった。
同居している茂の両親は、たまたま夜遅くまで芝居を見に行っており不在だった。泣き叫ぶ喜子(松本春姫)のことを、藍子(菊池和澄)が気丈に面倒をみた。
茂は子供たちすら放っておいて、すぐに仕事に戻らねばならなかった。仕事をしながら、ちらりと布美枝のことが頭をよぎるが、彼は自分の何が悪いのか全く理解できないでいた。
布美枝は、気づけば深大寺そばの社に座り込んでいた。貧乏だけれど笑顔の溢れていた頃を思い出し、今はいったい何が変わってしまったのかと考えこむのだった。
我に返った布美枝は、おずおずと帰宅した。子供たちは落ち着いて帰りを待っていた。その様子を見て、頼もしく思う布美枝であった。
台所の様子を点検していると、茂が姿を表した。目が合うふたりだったが、茂は即座に仕事に呼び戻された。何も言葉を交わすことなく、茂は去っていった。
翌日、布美枝はふたりの子供を連れて、昼から夕まで長時間買い物に出た。帰宅すると、家では大騒ぎになっていた。茂は布美枝が子供たちを連れて家を出ていったのだと誤解し、大慌てしていたという。無事に帰って来たことを確認すると、茂はバツが悪そうな素振りを見せながらも、特に何も言わずに仕事に戻ってしまった。
勘のよい絹代(竹下景子)が、夫婦に何かあったのかと無遠慮に聞くが、布美枝は何も無いとごまかすのだった。
特にこれといったヒネリもない、単なる夫婦のすれ違いが続いているだけです。今日の放送は見逃しても、何ら問題はない。