夜は涼しくなり、窓を開けて寝ていたら体調を悪くした当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第142回めの放送を見ましたよ。
喫茶店で倒れた修平(風間杜夫)は、居合わせたアシスタントらに付き添われて帰ってきた。修平は血圧を下げる薬を飲み過ぎて貧血を起こしたようだ。医者の往診を受け、彼の体調は落ち着いた。
問題は、修平と一緒に若い女までが家に来てしまったことだ。
彼女は、以前に茂(向井理)に会いに来た劇団員の一人、川西志穂(入山法子)だった。彼女は、自分が修平を映画に誘って連れ回したせいで大変なことになったと詫びた。以前、銀座の歌舞伎座に連れて行ってもらったお礼をしたかったのだという。
実は、修平と志穂には奇妙な縁があったのだ。志穂の祖父・川西一学(鈴木綜馬)は、活動弁士(サイレント映画のセリフや状況説明をする職)だった。修平が運営していた境港キネマで働いたことがあり、修平と親しかった。
志穂は祖父から修平の話をよく聞いていたという。先日、村井プロダクションを訪問し修平に会った時には気付かなかったが、後で考えてみれば祖父の親友であると思い至ったのだ。それで手紙を書き、実際に会って話を聞くようになったというのだ。
志穂の祖父・一学はすでに亡くなったが、生前には修平が書いていた映画シナリオの続きをずっと気にしていたという。境港で第三丸という船が爆発したことを題材にしたシナリオだが、爆発事故の前で筆が止まっていたという。志穂もその続きを聞きたくなったというのが、修平に会う動機だった。
話を聞いていた絹代(竹下景子)も昔のことが懐かしくなってきた。もちろん、一学のこともよく覚えていて、修平とふたりで夜遅くまで映画の話をしていたことなどを志穂に聞かせてやった。映画館が潰れ、戦争のゴタゴタなどもあり、一学と音信不通になってしまったことは、絹代も悔やんでいたのだ。
修平の浮気疑惑が晴れたことと、旧知の孫に会えたことで、絹代はいっぺんに機嫌が良くなった。
修平が志穂と出かけていたことを知らなかったはずの絹代が、近頃どうして不機嫌だったのか茂は理由がわからないままだった。一方で布美枝は、絹代が修平が女性と出かけていることに気づいていたのではないか、そのせいでヤキモチを焼いていたのではないかと、女の勘で気付くのだった。
しかし、茂や布美枝(松下奈緒)は、やましいことがないのに、修平が志穂とのことを隠していた理由がさっぱりわからなかった。
修平は、隠していた理由を絹代にだけ白状した。志穂と会ったことで、書きかけのシナリオを完成させる気になった。しかし、また挫折してしまうかもしれない。再開し、また途中で投げ出したと知られてしまってはきまりが悪い。だから、みんなには黙っていたのだという。
一方で、絹代が妬いていたと気づいた修平は、彼女のことをからかう。それを認めたくない絹代は落ち着きをなくし、話題を変えようとキョロキョロする。シナリオ原稿の入った手提げ鞄をベッドの修平に押し付け、今度はしっかり書き上げるようにと発破をかける。そして、完成したものを読むのが楽しみだと付け足した。
昭和57年7月になった。
藍子の教員採用一次試験の日である。茂はいまだに藍子(菊池和澄)が教師になることに賛成していない。しかし、何も口出ししないのは、教員採用試験の倍率を考えれば藍子が合格するはずはないと思っているかららしい。
喜子(松本春姫)によれば、藍子は夜遅くまで勉強していて、相当真剣に取り組んでいるらしい。そんな姉の様子を見て、喜子も自分の進路について、少しだけ真剣に考え始めるのだった。
そういえば今週の冒頭で、修平が家の中で手提げ鞄を探しまわるシーンがあった(ように記憶している)。まさか、その中に書きかけのシナリオが入っていたとは。
また、劇団員・川西の初登場も数日前なのだが、どうしてそういうシーンがあるのかよくわからなかった。まさか、その女性が修平と結びつくとは。
いろいろ、やられましたな。