ラサール石井が32歳年下の女性と結婚するという話(デイリースポーツ)を知り、「おいおいおい!劇中でも若い(と言っても三十代半ばという設定)の奈津(栗山千明さま)と結婚した(第95回)のに、私生活でもか!?」と言わずにおれなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第99回目の放送を見ましたよ。
1954年(昭和29年)12月。
学校への出かけ際、優子(新山千春)は糸子(尾野真千子)に念押しをした。優子に絵を教えている芳川(久野麻子)が洋服を作りに来るので、失礼のないようにして欲しいと言うのだ。糸子は多くの仕事を抱えていて、その予約のこともうろ覚えだった。優子はよく言い聞かせて家を出た。
午後、芳川がオハラ洋裁店にやってきた。ひと通り作業が終わると、糸子と芳川は優子の進路について話をした。
糸子の考えは、優子の好きにさせようというものだった。娘たちには家を継ぎたくないとはっきり言われており、それは仕方のないことだと諦めている。それだったら、彼女らの好きにさせてやろうというのだ。
芳川も優子の才能を大いに認めていた。ただし、画家として生計を立てることは生やさしいものではないと言うのだった。優子にそれだけの覚悟があるかどうか、芳川にも疑問だという。優子が美大進学を強く志望していることはわかるが、その先の生活について真剣に考えているかどうかはわからないというのが芳川の見立てだった。
その話を聞いて、糸子は優子の覚悟を確かめる必要があると考えた。優子が帰宅するやいなや、ふたりっきりで問いただしてみた。
ところが優子は、糸子が納得するだけの言葉を即答することができなかった。漠然と絵が好きで得意だということ以外に、美術大学へ進学する理由を挙げられなかった。駆け出しの画家は極貧に耐えなくてはいけないことや、一生芽が出ないかもしれないリスクなどについて何も考慮していないことが明らかだった。
糸子は優子を怒鳴りつけ、美大への進学を一方的に禁じた。
優子は一人でいつまでも泣き続けた。これまで自分の進路について放任主義だった糸子が、突然口出しするようになった理由がわからずに混乱した。急に自分の将来を否定されて、どうしていいのかわからなかった。妹たち(川崎亜沙美、村崎真彩)も関わり合いにならないように、めそめそする優子から距離をおいた。
そんな中、千代(麻生祐未)は優子の味方だった。夕食も摂らずに泣き続ける優子におにぎりを作って持ってきてくれた。そして、糸子がなんと言おうと千代だけは優子の味方だと慰めた。千代が面倒を見るから、美術大学を受験すればよいと後押しするのだった。それで、優子の気も晴れた。
ただし、その日から優子は糸子と口を利かなくなった。その上、あちこちで糸子の理不尽さを吹聴して回った。糸子は近所でちょっとした悪者扱いされるようになり、少々困っていた。もちろん、そんな事でめげたり、考えを変えたりする糸子ではなかったが。
ついに優子は、糸子に向かって、死んでも糸子の跡を継がないと罵るようになった。
その言葉は、糸子にとって屁の河童だった。もともと糸子は、優子に跡を継いで欲しいとは思っていないからだ。それに、優子が「母は跡を継がせたくて美大行きを禁じた」と勘違いしているようではまだまだだと思った。
加えて糸子は、優子が親の言いつけなど守らずに、勝手に受験するくらいの気概を見せることを期待して待っているのだ。
安岡美容室には、ウェディングドレス姿の奈津の写真が飾られていました。
第95回で糸子たちはドレスを着た奈津の姿を想像するだけでした。そして、その想像図では、ヘアメイクがされていませんでした。一方、美容室で髪をセットしてもらう奈津は普段着のままでした。そして結局、その日の放送ではドレスを着ませんでした。つまり、ドレス&ヘアメイクの完全バージョンは披露されなかったのです。
それが、今日の放送では、白黒写真でしたが、完全バージョンを見ることができました。眼福、眼福、眼福。
その他、安岡家の長男・太郎に息子・洋介が生まれていました。玉枝(濱田マリ)にとってはひ孫、八重子にとっては孫ということになります。「小原家には女、安岡家には男しか生まれない」と言われていますが、相変わらずそのルールが守れれていますね。