昨夜は巨乳未婚女性を前にして確固たる自制心を必要とする夜だったわけだが、アルコールをいつもより多めに摂取してしまい「まぁいいや、もうなるようにしかならんし」と半分理性が飛びかけたのだが、アルコールのせいでぐでんぐでんになってそのまま朝まで熟睡してしまったので、結局は己に打ち克つ結果となった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第120回目の放送を見ましたよ。
優子(新山千春)はオハラ洋装店の手伝いをやめて、独立して心斎橋で店を始めたいと言い出した。北村(ほっしゃん。)に物件の紹介と融資を受けるのだという。糸子(尾野真千子)と自分の2つの個性が店でぶつかり合っていては、従業員たちも仕事がやりにくいだろうと言うのだ。
2人の個性が衝突し、周囲がやりにくそうだという見立ては糸子も同じだった。しかし、糸子の計画では自分が引退して、優子に店を譲るというものだった。それが反故にされようとしているのだ。すでに店の古株の昌子(玄覺悠子)と松田(六角精児)にも大見得を切っている。今さら計画を引っ込めるのはかっこ悪くて、きまりが悪い。優子の自由にはさせないつもりだ。
糸子は感情を隠そうともせず、自分の計画を台無しにされたと怒りを露わにした。
しかし、優子の意思は固かった。
自分は東京で実力をつけ、進むべき道も見つけた。しかし、オハラ洋装店にいては自分のやりたいことの半分も発揮できない、生きながら死んでいるようなものだと泣きながら訴えた。
糸子はもう何も言わなかった。好きにしろと告げて、家を出ていってしまった。糸子の怒りの源泉は自分のカッコ悪さだった。家長であり店主である自分がないがしろにされている状態が気に入らないのだった。
翌日、糸子は仕事中の優子を店の裏に呼び出した。そして、突然、店から出ていけと告げた。
糸子が言うには、新規店舗の準備は片手間にできるものではない。本気で店をやる気なら、そっちに集中しろと言うのだった。そして、自分は優子の力を借りなくても平気だとたんかを切った。
それが糸子なりのけじめだった。善作(小林薫)が自分にしてくれたように、厳しさを装いながらも優しく娘の独立を見届けることができた。当初の計画とは違ってしまったが、カッコよく送り出すことができたと安堵するのだった。
そして、聡子(安田美沙子)を店の跡継ぎにするなら、まだしばらくは糸子が一線で働ける。それはそれで嬉しいことだった。
ところが、優子の独立は不安の幕開けだった。
店の開店前、内装工事の問題すら優子は自分で解決できなかった。内装工事の職人らは女の優子をなめてかかっている。それに対して優子は何も言えず、手を抜かれるばかりなのだった。糸子に解決を依頼した。糸子は現場監督(酒田かおる)に怒鳴りたて、睨みを利かせることで、なんとか優子の希望を通すことができた。
一方で、優子に対しても激しく説教するのだった。これくらい言えないと女店主は務まらないと叱った。
1965年(昭和40年)元日。
直子(川崎亜沙美)が帰省した。優子は直子に東京の店の様子を聞いた。しかし、直子はまともに答えようとしない。売上が悪いのだろうと思いしつこく聞く優子に、ついに直子は店をやめると白状した。年明けに店をたたんで、パリに行くのだという。
優子は無責任に店をやめようとする直子を罵った。それには直子も黙っていなかった。昔からオハラ洋装店を継ぐと言っていた優子が心斎橋に店を開くのは話が違うと言い返した。ふたりは大げんかを始め、優子は泣かされ、直子は家を出ていった。
糸子は呆れるのだった。
結局、糸子は自分がカッコいいかカッコ悪いかしか考えてなくて笑った。
でも、人って多くの部分で、見栄を張ることを優先して生きてるよなと思ったり、思わなかったり。