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NHK『カーネーション』第124回

関東地方は未明から降雪に見舞われ、車の運転は危険だし、バスを利用して交通混雑に加担する必要もあるまいという判断、さらに、出社しなければできない作業もない(雪を見越して昨日のうちに片付けた)ので会社を休ませてもらうことにしたわけであり、本日13:05からのNHK『スタジオパークからこんにちは』のゲストが尾野真千子であることは単なる偶然であり、それを見るために休むのではないと言い訳する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第124回目の放送を見ましたよ。

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第22週「悔いなき青春」

余命半年と宣告された玉枝(濱田マリ)であったが、結局それから1年8ヶ月も生き長らえた。その間、玉枝は死ぬことが怖くないと言い続けた。早くに亡くした夫や、戦争で亡くした二人の息子(須賀貴匡尾上寛之)があの世で待っていてくれると思えば、何も恐れることはないというのだ。自分の死を自然に受け入れることができて、むしろ入院前よりも元気になったほどだった。同じように夫(小林薫)を亡くしている千代(麻生祐未)は、玉枝に強く同意した。

対して糸子(尾野真千子)は、彼女らの言っていることの真意が理解できなかった。けれども、老婆たちが達者なことは嬉しくて、頼もしいことだった。
しかし、1972年(昭和47年)9月のある朝、ついに玉枝はこの世を去った。八重子(田丸麻紀)は、介護から解放された安堵と、実の親以上に付き合いの長かった玉枝の死去に放心状態になってしまった。駆けつけた糸子は、八重子をねぎらうように何も言わずに肩を抱いた。

その年の冬頃には、聡子(安田美沙子)は周りからも認められるほどの実力者になっていた。糸子の下で働くのと並行して、優子(新山千春)や直子(川崎亜沙美)の店へも頻繁に手伝いに行っていた。今でも主な仕事は姉の店の売れ残りを岸和田で売るというものだったが、多くの経験を積むことでデザインや経営のノウハウも蓄積していた。

聡子本人は相変わらずのん気な態度で仕事をしていたが、昌子(玄覺悠子)や松田(六角精児)によれば、周囲の適切な手助けさえあれば、もう店を任せても安心だという。その意見を受け入れ、いよいよ糸子も聡子に店を譲ることを決めた。

年の瀬になり、糸子は聡子に代替わりのことを切り出した。大仰に言い過ぎると失敗すると考えた糸子は、ふたりでクリスマスケーキを食べている時に、何でもない風にさり気なく話し始めた。すると、聡子はケーキに夢中なままで生返事しかしない。不安になった糸子は、もう一度はっきりと聡子に意思の確認をした。それでもやはり暖簾に腕押しであった。けれども、それはいつもの聡子の態度であり、役割さえ与えてやれば立派に全うするのが聡子の性分なので、あまり気にしないことにした。
聡子が代替わりを承諾したものと見なし、年明けから聡子を店主とすることで準備を進めていった。

大晦日に優子と直子が帰省した。糸子は家族が全員揃ったところで、改めて聡子へ店を譲ることを発表した。上の姉たちはその考えに大賛成だった。しかし、聡子は紅白歌合戦に熱中していて、話に加わろうとしなかった。

そして突然、聡子は素っ頓狂なことを言い出した。ロンドンに行くつもりだというのだ。身寄りのない土地で、誰に頼ることもなく、一から自分の好きなことをやりたいという。それには家族一同驚いた。

いつも反対のことばかり言う優子と直子も珍しく意見が一致した。英語もできない聡子がロンドンで生活できるはずがない、ただでさえ頼りない聡子が異国で一人で暮らしていけるわけがないなどと猛反対した。姉たちの売れ残りを売るのが不満なら、それはもうやらせない。岸和田で自分の好きなようにデザインした服を売ればよいと言いくるめようとした。

しかし、聡子の決意は固かった。
厳しい表情で成り行きを見守っていた糸子は、一言恫喝して優子と直子を黙らせた。そして、聡子のロンドン行きを認めた。厳しい表情を崩すことなく、好きにすればいいと聡子に告げるのだった。

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玉枝と千代が随分と歳を取りました。今日で玉枝が退場ですが、千代の最期も近いことでしょう。

来週からは糸子の老年期が描かれます。ところが、まだ若い今週の糸子は、玉枝や千代の文字通りの「老婆心」が理解できません。彼女らの態度を呆れたように眺めています。ところが、いつかふと同じ事を悟るという流れになっているのでしょうか。来週以降、夏木マリ演じる糸子が「安岡のおばちゃんやうちのお母ちゃんが言ってたことが、今になってわかりました」みたいに言う時が来るのかもしれない。

千代はまだ生きていますが、少々ボケてきたようです。年越しそばを何度も食べようとします。けれども、それ以外は何をしゃべるでもなく、優子や直子がガミガミ言っている横で終始ニコニコと笑っているばかりです。その様子がかわいくもあり、はかなげでもあり、物悲しくもありました。
話をわかって笑っているのか、わからずに笑っているのか。気のせいかもしれませんが、糸子が聡子のロンドン行きを認めた瞬間、笑顔の度合いが少し増したように見えました。

糸子が尾野真千子から夏木マリに交代することは、どちらかと言うと批判的意見が多いようです(根拠なし、当方の印象)。

ヒロイン交代が避けられないなら、たとえば、千代役の麻生祐未に任せるという手はなかったのだろうか。
朝ドラでは幼少期のヒロインが、ヒロインの娘役として再登場するというのがいわば定番だ(本作では、二宮星がそうだった)。それと同じように(もしくは逆パターンで)、ヒロインの母親に老年期のヒロインを演じさせるというのもありなんじゃないか?

千代は、男勝りの糸子とは違って、上品なお嬢様タイプでおっとりしている。麻生祐未はそれを好演した。同じドラマの中で、正反対の正確の糸子を演じるというのはそれだけで面白そうじゃないか。芸達者な麻生祐未なら、見事に演じわけてくれそうだ。それを見てみたいとは思わないか?

正司照枝なら、祖母・ハルと全く同じ演技で老年期の糸子を演れそうだが、意外性という点で絶対に麻生祐未を推したい当方である。

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