中崎タツヤの漫画『じみへん』に交通事故に遭った男が来世でサケに生まれ変わる幻想を見る話があり、サケとなった彼は命がけで川を遡上し明日はいよいよメスと繁殖行動ができるというその夜に夢精してしまい、メスとつがいになれなかったところで意識を取り戻し、「生まれ変わってもサケはいやだな」とつぶやいて死んでいくというものがあるのだが、下のポスターを見た瞬間にその話を思い出した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第83回めの放送を見ましたよ。
求ム、猛者。 pic.twitter.com/nC04yVgjnT
— Wataru Toyokawa (@watttcho) July 4, 2013
春子(小泉今日子)は、店で化粧品を万引きしようとしているユイ(橋本愛)を見つけた。それを制止し、春子はユイを喫茶リアスに連れ込んで説教した。
ユイは自分の事は放っておいて欲しいと抵抗した。誰にも迷惑をかけていないし、自分を地元アイドルに仕立てあげて大騒ぎしたのも大人たちが勝手にしたことで自分には関係ないと言うのだ。
春子は、ユイの母・よしえ(八木亜希子)が蒸発したせいで上京できなくなったと言うなら筋違いだと叱った。今のユイは、学校にも行っていないし、父・功(平泉成)の看病も一切していない。家にも帰らず一日中ブラブラしている。地元で有意義なことを何もしていないのだから、東京に行ったと同じなのだ。
春子はユイが自分に似ていると言う。春子(有村架純)は夏(宮本信子)に反対されてもアイドルを目指して上京した。親が障害になろうとも、夢の実現のためには自分で道を切り開くしか無いのだ。
それでもユイは無気力だった。ユイが言うには、もうアイドルを目指すには手遅れだという。今のユイは18歳であり、下積み期間を考えれば、20歳までにデビューできる見込みもない。それに、すでに夢から覚めたのだという。自分とは違うキャラを作って、男に媚びるなどダサいというのだ。アキもそのひとりだと断じた。
その言葉を聞いて、春子はアキに電話をすると言い出した。ユイがアキのことをバカにしていると報告するというのだ。すると、ユイは電話を奪ってやめさせた。強がって見せたのはユイの本心ではなかったのだ。それが親友のアキに伝わるのだけは避けたかった。
その瞬間こそユイの更生の絶好の機会だった。春子は「18の小娘がかっこつけてんじゃねーよ」と厳しく一言だけ投げかけ、店を出た。そこでは、ユイのことを心配した町の男たちが様子を伺っていた。彼らにユイを優しく慰めるよう指示した。男たちは泣いているユイを前にどうしていいかわからず右往左往するばかりだったが、ユイを気遣う様子だけは伝わった。春子の厳しさと、男たちの不器用な優しさの緩急によって、ユイは立ち直り始めた。
後日、髪の脱色やヤンキー・ファッションはそのままだが、柔和な笑顔を取り戻したユイが喫茶リアスに遊びに来た。
その頃、GMTの寮では水口(松田龍平)から驚くべき企画が発表された。荒巻(古田新太)の発案で、アメ横女学園とGMTのメンバー総勢46人を対象に「国民投票」と呼ばれる人気投票を年末に行うことになったという。当然、アキもその対象に含まれ、突然のことに驚くのだった。
海女の弥生(渡辺えり)の夫・今野あつし(菅原大吉)は、駅前商店街で「ブティック今野」という洋服店を営んでいます。その店で扱う洋服は、自他共に「蛾の模様」みたいなケバケバしいものです。いつも弥生がそれらを身に着けています。
確か2日くらいまえの放送だったと思うのですが、今野夫妻が店の商品を持ってきて春子(小泉今日子)に着せていました。柄はダサいのだけれど、春子本人はわりと気に入った風でした。弥生が同じ服を着るのだが、春子の方が美人だということもあり、それなりに似合っていました。それからは、春子はその服を着用し始め、服の模様に合わせるように化粧も派手になりました。
そんな姿となった矢先、ユイ(橋本愛)の万引きを見つけ、彼女に説教をするのです。ブティック今野の派手派手ブラウスとケバケバ化粧姿で、スゴスゴとヤンキー言葉で凄む春子は迫力満点でした。このシーンのために2日くらいまえの謎の衣装替えシーンがあったのかと感心してしまいました。
その他、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)のヒット・シリーズに『おめでた弁護士』というのがあって、主人公は法廷で必ず産気づくという謎のドラマが紹介されたわけですが、それが霞むほど、今回は春子のヤンキーねーさん姿に全て持っていかれました。ほかはほとんど何も印象に残らない。
『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)