春子(小泉今日子)は若い時に知り合った芸能関係者を強請り、強引にアキ(能年玲奈)の仕事を獲得してきた。しかし、アキはそれを卑怯なやり方であり、自分の実力ではないからやりたくないと突っぱねた。アキと春子は激しい口論になった。正宗(尾美としのり)が仲裁しても収まらなかった。
アキは、春子が荒巻(古田新太)に対して喧嘩腰だったせいでGMTをクビになったことを恨んでいた。GMTのデビューイベントが大盛況だったこともあり、自分もGMTに残っていれば、今頃アイドルとして順風満帆だったに違いないと思うのだ。
水口(松田龍平)はアキのことをたしなめた。責任を春子になすりつけたり、自分がGMTに残っていればという仮定の話ばかりして、現実から目をそらすべきではないというのだ。現実に目を向ければ、上京してもうすぐ1年になるというのにまだ芽が出ない。すでに切羽詰まっており、仕事を選り好みできる立場にないのだ。アキや春子は、この1年の様々な出来事を思い返し、現在の状況の厳しさを思い知った。すると、アキと春子は態度を軟化させ、素直に互いに謝罪した。
春子はアキに、無理に仕事をしなくてもいいと伝えた。その代わり、アキが自分でやっても良いと思える仕事を一つだけ選ばせることにした。その仕事をきっかけに、アキが自分で道を切り拓くべきだというのだ。
10件ほどの番組台本の中から、アキは子供向け教育番組『見つけてこわそう』を選んだ。アキは、司会のさかなクンのアシスタントとして、身近な品物を無造作に壊すという役を担った。品物を理不尽に壊すことによって、逆説的に物の大切さを教えるというのが番組のテーマだった。この番組は人気を博し、実際に子どもたちが物を大切にするようになったなど、反響も大きかった。
その頃北三陸では、夏(宮本信子)が東京見物に出かけることを計画していた。これまで一度も北三陸を出たことのなかった夏だが、アキや春子のいる東京に行ってみたくなったと言うのだ。その時のガイドとしてユイ(橋本愛)も連れて行くと言う。夏は何も言わなかったが、ユイに憧れの東京を見せてやろうという思惑があることは明らかだった。
ユイも東京行きを応諾した。喜んだユイは、早速アキに電話で連絡した。アキもそのことをおおいに喜んだ。
その一方で、アキはユイの元恋人の種市(福士蒼汰)のことを思った。種市とユイは元恋人同士である。つい先日、アキは種市に告白したのだ。種市からも良い返事をもらったが、GMTの小野寺薫子(優希美青)が通りがかったことで、アキは走って逃げたのだった。それっきり種市とは連絡をとっておらず、ふたりの関係がどうなっているのかアキ自身にもよくわからないのだった。
アキの出演する『見つけてこわそう』を見たCMプランナー萩尾(深水元基)から、アキに予備校のイメージキャラクターを努めて欲しいという依頼が舞い込んだ。広告のキャッチコピーは「受験が恋人!」に決っているという。契約期間は1年間であるが、「受験が恋人」というイメージを壊さないためにも、アキには恋愛禁止が課せられた。
春子や水口は、アキに恋人がいるなどとは少しも疑っておらず、その条件を飲んだ。アキの意見を聞くこともなく、話はトントン拍子に進んでいった。アキは何も言うことができなかった。
『見つけてこわそう』が面白そう。一度、これだけで15分間見てみたいものだ。アキ(能年玲奈)が壺を壊し、それがアキの特殊能力によって復元される(逆回転映像)というシュールな展開が何とも。
アキの「じぇじぇ」 vs さかなクンの「ギョギョ」というのも、これまたシュールで。
しかし、「恋愛禁止」っつーのは人権侵害じゃないかといつも思う当方です。ドラマの中だけだったらいいんだけど。
『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)