袖が浜の海開きが行われたが、課題が山積していた。
大津波のせいで、ウニが激減していたのだ。例年の漁獲高の80%にもあたる大量のウニが陸に打ち上げられ、そのまま死んでしまった。海に潜ったアキ(能年玲奈)はさっぱりウニを獲ることができなかった。
北三陸鉄道の全線復旧には80億円かかると見積もられた。国からの補助なしには到底準備できそうもない。しかし、東日本大震災の被害は甚大であり、北三陸鉄道のみに税金をつぎ込むわけにもいかない。復興予算は他の用途に使うべきだという声も多い。
しかし、大吉(杉本哲太)をはじめ、北三陸の人々は北三陸鉄道の復旧を目標として掲げた。大地震の中、津波の被害を逃れ無傷だった車両は「奇跡の車両」と呼ばれ復興のシンボルとなっている。地元の人々の心の拠り所になるとともに、全国の鉄道ファンからの応援も多数寄せられている。それらの期待に応えるため、採算を無視してでも走らせたいと言うのだった。
けれども、莫大な復旧予算のことが頭痛の種だった。金の話になると、みんなは黙りこんでしまうのだった。アキは津波を被災した海女カフェの復旧を提唱するつもりでいたが、予算配分の優先順位を考えると何も言えなくなってしまった。
復興予算の配分にあたっては、県議会議員の足立功(平泉成)に期待が集まった。しかし、功は議員を辞職してしまったのだという。町の人々はがっかりするのだが、功には目的があった。翌年の北三陸市長選挙に出馬するというのだ。北三陸鉄道の全線開通を目標の一つに掲げ、地元に密着した復興計画の見直しと立案・実行をする目論見だという。その決断に町の人々は大いなる期待を寄せた。
アキとユイ(橋本愛)はふたりきりで話をした。町の人々は、アキとユイの潮騒のメモリーズの再結成に期待を寄せている。しかし、ユイはやりたくないという本音を打ち明けた。地元の復興のために協力を惜しむつもりはないが、歌ったり踊ったりすることは、今の自分がすべきことではないと言うのだった。
アキはユイの言い分を黙って聞いているしかなかった。3月11日、ユイは北鉄の車中で大地震にあった。危機一髪で津波の難を逃れ、無事だった。ユイは多くを語らないが、アキの想像を絶するような体験をしたのだろうと思われた。ユイの心境を思うと、アキはそれ以上何も言うことができないのだった。
復旧の課題が山積みだという問題提起がなされた回でした。特に大きな話の展開はありませんでした。
全体的に退屈な回だったわけですが、弥生(渡辺えり)が「まだ書き写していない」などと往年の『ビートたけしの学問のススメ』のネタを披露したり(本ドラマ2回め)、「んだんだんだ」と言う弥生をスーパーマリオになぞらえて(本ドラマ2回め)ヒロシ(小池徹平)が似顔絵を書いたり、吉田(荒川良々)がB’zの「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」を熱唱したり、寝坊して家を出てきた功(平泉成)が寝ぐせ頭だったりと、細かいギャグはたくさんありました。
『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)