和也(遠藤雄弥)が亡くなって数日後。上村一家は東京へ帰ることになった。
その前日、恵里(浦野未来)と文也(山内秀一)は海のよく見える丘の上に、和也を偲んで植樹をした。
文也はこの島に来て良かったと話した。東京にいた頃、兄の和也は入院してばかりで、思い出らしい思い出がなかった。ところが、島での和也は快活で、たくさんの思い出を作ることができたからだ。しかし、和也が亡くなったことや、東京へ帰ることを考えると文也の気持ちは沈んだ。
それを見て取った恵里は、変な顔を作って文也を笑わせようとした。文也はつられて笑ってしまうが、照れ隠しで「ブス。結婚してやらない」と憎まれ口を叩いた。恵里はそれは嫌だとさみしそうに答えた。
その夜、母・勝子(田中好子)は恵里に話をした。文也が東京に帰ることは仕方ないことだから納得しなくてはならないというのだ。そして、悲しい別れはしないように注意した。決して泣いたりせず、笑顔で送り出すよう命じた。その代わり、今夜のうちに泣けというのだ。恵里は勝子の胸で思いっきり泣いた。
翌朝、恵里は文也に餞別を渡した。それは、自分の使っている巾着袋を裂いて作ったお守り袋だった。前夜遅くまで、恵里が自分で作ったものだ。一方の文也は、キラキラと輝くきれいなスーパーボールを恵里に贈った。恵里はそれを大切にすることを約束した。
恵里の作ったお守り袋は、ミンサー織りの生地でできていた。藍色の地に、小さな白い四角形が織り込まれている。その四角形は、表に5つ、裏に4つ付いていた。恵里はその模様には意味が秘められていると告げたが、どういう意味かは教えようとしなかった。文也は聞きたがったが、恵里は絶対に答えようとしなかった。
いよいよ、上村一家を乗せた船が港を出ることになった。恵里は、終始笑顔で文也を見送った。
しかし、船影が小さくなるにつれ、恵里は気持ちを抑えることができなくなった。目に涙を浮かべ、船を追って突堤を疾走した。
船上の文也に向かって、ミンサー織りの意味を叫んだ。それは「いつまでも一緒に」という意味だと説明した。そして、大人になったら必ず結婚しようと念を押すのだった。それが和也との約束だからだ。
それから7年が経過し、1990年7月となった。
古波蔵一家は、勝子のかねてからの希望通り、那覇に移住していた。勝子は親戚の紹介で、市場で野菜を売る仕事をしていた。父・恵文(堺正章)はタクシー会社に就職し、運転手として働いていた。勝子が働き者で、恵文が怠け者だということは昔から少しも変わっていなかった。祖母・ハナ(平良とみ)は那覇でもマイペースで、悠々自適な生活をしていた。
宮古の高校に通っていた長男・恵尚(ゴリ)は、定職にも就かず、風来坊となっているようだ。あまり連絡もなく、何をやっているかわからなかった。
弟・恵達(山田孝之)は県立高校に入学し、現在は高校1年生だ。特に目立つタイプの生徒でもないが、校内ですれ違った女子生徒・金城ゆかり(ベッキー)に一目で心が奪われた。
恵里(国仲涼子)は、恵達と同じ高校の3年生だった。野球部のマネージャーをやっている。いささか男勝りな性格で、エラーをした部員に檄を飛ばすなどしている。野球部のマネージャーは恵里の他にもう1人いる。前原琉美子(前原絵理)は部員たちのマドンナであり、みんなからチヤホヤされている。一方の恵里は、部員たちから女子とは思われていないかのようだった。
そんな中、キャプテンの与那原誠(宮良忍)だけは恵里に心を寄せていた。「ライバルがいないから獲得が容易だ」などと軽口を叩きつつ、冗談めかした口調で恵里に結婚しようと迫った。
恵里も、それを軽く流した。自分には結婚を決めた人がいるので、与那原とは結婚できないと言って、きっぱりと断るのだった。
下校途中、恵里はスーパーボールを取り出して陽に透かした。恵里は今でも文也との約束を守っているのだ。
国仲涼子さん、ついに登場!嬉しい。
山田孝之やゴリ、ベッキーなど、今でも活躍している人が出てきたのも楽しい。
舞台も那覇に変わり、いよいよ青春編が始まるのかと思うと期待が高まるところです。ですが、冒頭でお断りしたように、朝ドラまとめ記事に関して、気力体力の限界(初出: 千代の富士(現・九重親方))に達しましたので、『ちゅらさん』のまとめ記事は今回で終了させていただきます。
重ねて申し上げますが、ドラマはすごく面白いです。続きは毎日見るつもりです。