あさ(波瑠)が新次郎(玉木宏)に手紙を出してから2ヶ月が過ぎたが、彼からの返事が来ない。あさは新次郎のことばかり考え、気を揉んでいた。
新次郎は番頭の亀助(三宅弘城)が破れた手紙を復元しているのを見つけた。聞いてみると、新次郎の母・よの(風吹ジュン)が、読む前に誤って破ってしまった手紙の内容を確認しているのだという。
それというのも、彼女は長男・正太郎(木内義一)が肺の病で寝込んでしまったことをひどく悲しんで泣いてばかりいる。涙を拭いているうちに鼻紙を使いきってしまい、たまたまそばにあった手紙を掴んで鼻をかんだ。それがあまりに字の汚い手紙だったので腹を立て、中身を見る前に破り捨ててしまったというのだ。
あまりの滑稽さに新次郎もおかしくなった。亀助と一緒に面白半分で紙片を並べ始めた。惣兵衛(柄本佑)の人となりを教えて欲しいという切なる願いがしたためられており、それを長い間放置していたことに青ざめた。
早速、新次郎は、一人で料亭にいる惣兵衛を尋ねた。そこでふたりだけで話をした。
結婚のことを話題にすると、惣兵衛は全く興味がなさそうだった。自分の意思とは無関係で、家同士の決まり事なので知ったことではないと言うのだ。
そればかりか、惣兵衛は母・菊(萬田久子)を殺したいほど憎んでいると打ち明けた。
そもそも菊が家の跡取り娘で、惣兵衛の父・栄達(辰巳琢郎)は入婿なのだ。そのため、菊は威張っているばかりか、男のことを単なる道具だとしか思っていない。惣兵衛自身も彼女の駒として使われていると感じているのだ。
さらに、そのような経験から惣兵衛は女達が大嫌いだという。女はずるくて、煩わしくて、意地汚いと評した。
そこまで一方的にまくし立てると、惣兵衛は帰って行った。
新次郎は、あさになんと言って伝えたらいいものか思案にくれた。
大坂でそのようなことが起きているとは知る由もなく、京都ではあさとはつ(宮﨑あおい)の嫁入り準備が着々と進められていた。ふたりは揃って、弥生の晦日に嫁入りをする。その日まで1ヶ月を切っていた。
はつはその日に向けて淡々と準備していた。彼女が言うには、自分には親が決めてくれた道を進むことしかできないし、それが自分のやれる精一杯のこと。後悔するはずもないと話すのだ。
一方のあさはまだ気持ちの整理がつかなかった。
その上、嫁入りの際のお付の女中として、あさにはふゆ(清原果耶)が付き従うこととなった。彼女と仲が悪いわけではなかったが、あさは幼い時から面倒を見てもらった女中のうめ(友近)と別れるのが悲しいのだ。うめははつのお付となることが決められている。
イライラしたあさは、庭の木に登って苛立ちを発散させようとした。
その危険な行為を見つけ、止めに入ったのは女中のうめだった。
うめは、木登りの代わりに自分と相撲を取ることを提案した。あさは喜んで応じた。小さな時から、相撲では男の子にも負けたことのなかったあさだが、うめだけにはどうしても勝てなかった。これが最後の相撲だと思ったあさは、今度こそ勝つと意気込んだ。
うめと組み合うと、あさの胸中にはいろいろな悩みが去来した。
なぜ自分たちは親の言いなりに結婚しなくてはならないのか。どうして新次郎は自分に手紙を書いたり、会いに来てくれたりしなくなったのか。はつは、なぜ許嫁や姑から冷たく扱われなければならないのか。
女中のうめは、そんなあさにも手加減はしなかった。夢中になり、あさのことを思い切り投げ飛ばした。直後、我に返ったうめは、慌ててあさを助け起こした。
あさは、うめの胸で号泣した。くれぐれも、姉・はつをしっかり支えてくれと頼み込むと同時に、これまで育ててくれた感謝を精一杯述べるのだった。
その頃、大坂では新次郎の兄・正太郎が危篤に陥った。
昨日の放送では、あんなに優しい新次郎(玉木宏)がなぜ手紙の返事を寄越さないのか不思議でならなかったのだけれど、今日の放送の冒頭でちゃんと明らかにされた。放送の最後に視聴者へフラストレーションを与えておいて、翌日にきちんと納得できる形で謎解きをしてくれる構成が気持ちいい。
母・よの(風吹ジュン)が鼻紙代わりに使ってしまったというコント仕立てなのはどうかと一瞬思ったりもしたわけだが。そう思ったのだけれど、直後の新次郎役・玉木宏の滑稽だけれど見事な顔芸と合わせて見ると、それはそれで良いアクセントになっていて悪く無い。新次郎やその家族の朗らかな性質が自然に伝わってきて、「ああ、ちょっと変なところはあるけれど、あさ(波瑠)はこの家に嫁ぐことできっと幸せになるのだろう」と希望を与えてくれた。
そして、それと対比する惣兵衛(柄本佑)の辛気臭さが際立つわけである。
今回、まとめ記事本文で初めて女中・うめ(友近)をきちんと取り上げた。
番組の中ではほぼ毎日出演していたし、幼い時からあさの厳しいしつけ役でありながら、良き相談相手でもあるという、あさにとっての重要人物でした。そのことをまとめ記事でもちゃんと記述しておくべきだったのに、当方の能力不足で書ききれませんでした。
サーセン。
あとこれだけは最後に言っておきたい。
はつ役の宮﨑あおいさんが可愛すぎて。毎朝彼女を見れて幸せです。