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NHK『あさが来た』第21回

こんな夢を見た、用事があったので名古屋に行ったところオルニオさんとばったり出くわしたわけで、彼が言うには「高井美希って知ってる?」「いや、ちょっと名前が違います。高村美希ですよね?つーか、なんでオルニオさんが彼女の名前を知ってるんですか?」高村美希というのは中学生の時に僕が好きだった女の子で、家の躾が厳しくて校則はしっかり守るし成績も優秀だったという女の子で、僕は彼女のことが好きなんだけどそれを言い出せずにイジワルばかりするという中学生にありがちな状態になっており、相手も僕のことを好いているらしいのだけれどイジワルし返してばかりという、なんだかこう微笑ましい関係の相手だったわけだが、高校が別々になってしまって以来疎遠になって、大学に入った後は完全に消息がわからなくなったという女の子のことであり、なんでその子のことがオルニオさんの口から出てきたのか訝しんでいたら、「いやさ、ナリーリさんが飲みに行ったらたまたま一緒になったんだって。話をしているうちに木公くんが共通の知り合いだってわかったらしい。この店で飲んでたらしいよ」と言って、複数の人の手を渡ってクシャクシャになった飲食店のレシートを手渡してきて、それには僕の家から車で目と鼻の先なんだけれど入ったことのない飲食店名が印字されていて、会える見込みは無いだろうけれど今度行ってみようと思ってポケットに仕舞いこみ、オルニオさんとは別れて自分の宿泊先のホテルに戻ったら、ホテルの前に退屈そうで派手な身なりの中年女が立っていて、特定の誰かを待っているようにも、不特定な客を待っているかのようにも見えて、どちらかというと後者の可能性が高そうなのだけれど、妙に気になったので素通りする風を装って近寄ってみたら、随分と老けこんでしまったけれど間違いなく高村さんの面影を残しており、思わず声をかけたところ、彼女もすっかり変わってしまった僕の風貌にもかかわらず思い出してくれたみたいで、「やぁ」「やぁ」などと声をかけ合って、「今どこに住んでるの?」「この前までは横浜にいたけれど、今は名古屋」「へぇ、『ハマから流れてきた子だね』?」「なにそれ?」「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカだよ」「知らない」「元気だった?」「元気だよ」「お父さんとお母さんは元気?」「あの時の父は病気で倒れた、母は再婚して今妊娠してる?」「へ?マジで?」「マジで」「俺、これから飲み会で久屋大通に行かなきゃいけないんだけれど、また会える?」「私もヒサヤに用事があるから、一緒に行こうか?」「いいね、地下鉄?タクシー?」「ちょっと距離があるけれど、歩かない?」「いいね」と歩き出したものの、道中では何を話していいかわからず互いに黙って歩いていて、どのくらい歩いただろうか、そろそろ目的地も近づいてきた、また会いたいから連絡先を聞きたいのだけれどなかなか聞き出せない、もどかしい思いをしているところで目覚まし時計が鳴って、とても悔しくて、ふたりのその後はどうなったのかと気になってしかたない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第21回めの放送を見ましたよ。

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第4週『若奥さんの底力』

借金の取り立てのため宇奈山藩へ日参しているあさ(波瑠)。毎日門前払いされるので、勘定係に会わせてくれるまで動かず、門の前で寝泊まりすると言いだした。
さすがに屋敷の前で女に座り込みをされるのは恥である。門番たちは、あさを藩士たちのたまり場となっている部屋へ通して、待たせることにした。そこならば往来の人々の目につかないし、粗野な藩士たちに囲まれれば、あさも懲りて帰ってしまうと考えたからだ。

しかし、あさは全く意に介さなかった。あさに付いてきた番頭・亀助(三宅弘城)ですら震え上がるのを尻目に、あさは休めるうちに休もうと言って、悠々と眠ってしまった。

新次郎(玉木宏)と正吉(近藤正臣)は、あさが帰ってこないことをひどく心配して落ち着かず、仕事も手につかなかった。

翌朝、あさはいつもより元気に帰ってきた。
そしてなんと、ごく一部であるが借金の回収もできたという。あさは、自分では特別なことは何もしていないのに、急にお金を返してくれたのは不思議がっていた。
付き人の亀助の話によれば、豪胆なあさにいつまでも居座られてはかなわないと言って、根負けしたのだという。金を受け取るやいなや、あさは腹が減ったと言って藩の使用人たちと一緒に飯まで平らげてしまったという。

その顛末を聞くと、新次郎は拍子抜けすると共に腹を立てた。
自分の心配が杞憂に終わった安堵感と、あさが自分の身を大切にしないことへの焦燥感が同時に襲ってきたのである。金よりあさの身の方が大事だと諭すのだが、あさには暖簾に腕押しだった。新次郎は面白くなくて、ぷいと出て行ってしまった。

一方、正吉はあさの働きを大いに認めた。
そこで、あさを正式に加野屋の働き手の一人とすることにした。あさは喜び勇んでそれを引き受け、諸藩の屋敷を回って借金回収をする係となった。それからというもの、あさは張り切って働き、少しづつではあるが借金を回収していた。

その頃、対象的にはつは家の外との連絡を一切絶たれ、本人も塞ぎこむ一方だった。
それを見かねた義父・栄達(辰巳琢郎)は、機会を見つけてはつに声をかけた。栄達は自分の身の上を話した。元々は山王寺屋の丁稚で、そこから番頭になり、ついには跡継ぎ娘の菊(萬田久子)の入婿となった。一見、トントン拍子の人生であるが、現在はとてもつらい思いをしているという。跡継ぎ娘の菊には頭が上がらない。菊がはつにつらくあたっているのもわかっている。しかしそれは、彼女が先祖から引き継いだ家を守ろうとするあまりの行動であり、どうか悪く思わないで欲しいと優しく語りかけるのだった。

そこへ、顔面蒼白の惣兵衛(柄本佑)が現れた。幕府がついになくなったというのだ。

1868年(慶応4年)。
徳川が負けて、大坂城に逃げ込んできた。その大坂城にも火の手があがり、炎と煙はあさの家からも見ることができた。あさは、これから世の中がどうなっていくのかと不安になった。町人たちも大騒ぎした。

ある日、新政府から呼び出しがあり、全ての大坂商人が京の二条城に呼びだされた。もちろん、加野屋の正吉も山王寺屋の栄達もそれに応じた。

しばらくして、正吉は疲れきってフラフラと帰ってきた。あまりの衝撃と疲労で家に着くやいなやぎっくり腰になってしまった。

正吉が二条城で聞かされた話というのは、加野屋から10万両を準備しろという命令だったという。
新政府は江戸に向かって出兵することを計画しており、そのための軍資金が必要なのだという。10万両といえば、千両箱100個分に相当し、それは途方も無い金額だった。加野屋の面々は頭を抱えた。

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あさ(波瑠)が藩士たちの部屋に入れられるというのは昨日のラストから続くシーン。
昨日の放送を見ていた時点では「きっと、あさと藩士たちの間に一悶着合って、延々とコントみたいなシーンが続くんだろうな。明日(実際には今日)の放送ではコントに尺を使って、最後に借金回収してシャンシャンと終わるんだろうな」と予想していたわけだけれど。

その予想がいい意味で外れ、藩士部屋のシーンはあっさり終了。今日の放送では幕府消滅まで一気に流れた。
このテンポの良さ、素晴らしい。

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