10年くらい前、教えてエラい人: 神戸→大阪の酔っ払い歌という記事を書いた。
昔、どこかで、神戸から大阪への鉄道の駅(たしか、国鉄だったと思う)を語呂合わせにしたものを読んだ。
詳細はすっかり忘れてしまったが、神戸からぐいぐいと酒を飲み始めて、大阪に着く頃にはすっかりぐでんぐでんになっているという内容のものだったように思う。
先日、数年ぶりにこのことを思い出して、「神戸 梅田 酒」みたいなキーワードで検索してみたら、国会図書館が整備しているレファレンス事例に情報が見つかった。
資料『車掌真乗務手帳』
P37ー38「東海道オモシロ駅名案内』に、歌詞ではないが「オモシロ駅名遊び」として質問にあるような内容が紹介されている。著者がひと昔前の落語か漫才のネタで聞いたものを記憶を頼りに綴ったものとある。元ネタは不明。
参照先として挙げられている坂本衛『車掌 真 乗務手帳』はすでに絶版になっていたが、幸いにもamazonのマーケットプレイス経由で入手できた。
本書で紹介されていたのは、神戸駅からご隠居さんが列車に乗り込むというものだった。
昭和の初期頃の笑い話らしく、神戸→大阪間は蒸気機関車で牽引される各駅停車が運行されていたらしい。所要時間は1時間以上かかったらしい。
列車が神戸駅を出発するやいなや、ご隠居さんは旅行気分になってしまい、酒が飲みたくなった。酒を求めてご隠居さんがボヤくと、それと呼応するように、停車駅のアナウンスが流れるという笑い話だそうだ。
「ちょっと一杯飲みたいなぁ」
–もっと待ちぃ(元町駅)
「いつまで待ったらええんや」
–さぁ飲めやぁ(三宮駅)
「今日はあんまり持ち合わせがないねん」
–タダぁ(灘駅)
「ありがたい。せやけど、勘定はいったいどうなってんのや」
–済よし(住吉駅)
「誰が勘定払ってくれたんや」
–ワシやぁ(芦屋駅)
「なんぼ飲んだらよろしいねん?」
–2升飲めやぁ(西宮駅)
「冷や酒で2升も飲んだら体に悪い」
–燗酒ぇ(神崎駅; 現在の尼崎駅)
「ちょっと熱すぎてヤケドするがな」
–うめたぁ(梅田駅; 現在の大阪駅)
#お風呂を冷ますときなんかに言う「うめた」ね。
以上は、著者が書いているのを一部改変の上引用させてもらった。著者の記憶に基づく記述だそうなので、これで全駅網羅されているかのかわからないし、相変わらず元ネタが気になる。
それでも随分とスッキリしました。