とある女子から「せっちゃん(斉藤和義)の『彼女は言った』を聞いてください。特に、後半の一人掛け合いのところ(2:45あたりから)」と言われて聞いてみたけれど、女子相手になんとコメントしていいかわからなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第9回めの放送を見ましたよ。
鈴子(澤井梨丘)が急に倒れた。
銭湯の常連でもある熱々先生(妹尾和夫; 「体を冷やすな。熱々にせぇ」が口癖なのでこう呼ばれている)に診てもらったところ、百日咳との診断だった。当分の間安静にする必要があり、劇団の稽古に行くことはできない。デビューを賭けた3ヶ月後の単独公演にも参加もできないこととなった。
鈴子が休んでいるので、残ったふたりの同期研究生・白川幸子(小南希良梨)と桜庭辰美(木村湖音)は鈴子の穴を埋めるのに大忙しだった。
新人教育係の橘アオイ(翼和希)は、同期3人のうちデビューできるのは一人だけだが、舞台は全員で作り上げる者だと言って聞かせた。仕事が増えたことを恨んだり、ライバルが減ったことを喜んだりせずに、鈴子の気持ちを考えろと諭した。
ところが、しばらくすると鈴子はすっかり回復してしまった。どうやら百日咳などではなく、単なる普通の風邪だったようだ。熱々先生はヤブ医者だと言ってみんなから責められた。
そうとは知らずに、同期の白川と桜庭が見舞いに来た。仲違いしてほとんど口を聞かないふたりだであり、示し合わせたわけでもないのに偶然同じタイミングでやってきた。
ふたりの来訪を知った鈴子は、一芝居打つことにした。苦しそうに床に伏せ、病気が治らず二度と踊ることができないと言った。自分はもう復帰できないが、ふたりのことは尊敬しているので自分の分まで頑張って欲しいと述べた。
それを聞いた白川と桜庭は、仲直りすると約束した。だから鈴子にも必ず戻ってきて欲しいと願った。
鈴子の芝居で同期3人の関係が修復されようとしたその瞬間、弟・六郎(又野暁仁)と熱々先生が部屋に入ってきた。聴診器を置き忘れたので取りに来たのだ。
そして、何も知らない弟・六郎は深刻そうな3人の様子を見て、鈴子はもう完全に快復したとバラしてしまった。熱々先生からすぐに稽古に復帰してもいいとの許可も出た。
嘘だと知って、白川と桜庭は鈴子のことを睨みつけた。
しかし、すぐに3人は笑い合った。こうして全員が仲直りできた。鈴子が白川と桜庭を尊敬していると言うこと、および、白川と桜庭が仲直りすると約束したことは本心だと分かったからだ。
鈴子(澤井梨丘)がツヤ(水川あさみ)と梅吉(柳葉敏郎)の実の子ではないということは視聴者に向けては仄めかされていますが、今日はそれに関するくだりもありました。本文には書かなかったけど。
まず、アホのおっちゃん(岡部たかし)が、弟・六郎(又野暁仁)をからかって、鈴子(澤井梨丘)と六郎は本当の兄弟ではないと言っていました。曰く「六郎はカッパの子、鈴子はクジラの子」とのこと。
何かと空気の読めない六郎は、まだ熱で伏せっていた鈴子にそのことを報告に行きます。鈴子自身は熱にうなされた悪夢だと思っていたようですが。
それを側で聞いていたツヤは一瞬ドキッとします。
また、ツヤと梅吉は、鈴子だけは死なせるわけにはいかない、(誰かに)顔向けできないなどと話し合います。その声も鈴子が熱にうなされながら聞きます。やはり悪夢の一部だと思ったようです。
加えてツヤは、鈴子が桃を食べたいと言うのを聞いて、方々へ探しに行きます。桃は季節外れなのでどこでも入手できません。それでもなかなか諦めようとはせず、鈴子への献身が常軌を逸しているような感じでした。
結局、桃は見つからず、帰ってくるのですが。
そして、帰ってくると、なぜか風呂焚き係の使用人・ゴンベエ(宇野祥平)が桃を持っていました。彼は、記憶喪失で、梅吉の計らいで雇ってやってる人物です。
ゴンベエはなぜ季節外れの桃を持っているのか自分でもわからないようでした。見てて僕にもわかりませんでした。
あっという間に鈴子の病気が治ったり、なぜかゴンベエが桃を持っていたり。他のドラマならあまりのご都合主義に一気に興醒めするところですが、このドラマはそれを補ってなお面白いので耐えられます。