昨日のマクラではSHISHAMO の『君と夏フェス』のことを書いたのだけれど、奇しくも同じく昨日、いつも使っている YouTube Music から今年僕がたくさん聞いた曲というのを知らせてきて、トップが『君と夏フェス』だったので微笑ましく思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第49回めの放送を見ましたよ。
鈴子(趣里)と茨田りつ子(菊地凛子)の合同コンサートは、ブルースの女王・りつ子とスゥイングの女王・スズ子の共演ということで前評判が高く、チケットは完売した。
鈴子はもちろん、彼女の楽団員たちもやる気に満ち溢れた。
コンサート当日、梅吉(柳葉敏郎)も聞きに来た。彼は亡き・六郎(黒崎煌代)がかわいがっていたカメを籠に入れて持ち込んだ。
先の出番はりつ子だった。りつ子は開演の挨拶として、歌手は歌と共に生きていると話した。何があろうと、絶望に打ちひしがれようと、歌うのだと述べた。鈴子は舞台袖からその話に聞き入っていた。
りつ子が歌い終えると、鈴子の番となった。
りつ子のような前口上はなく、静かに舞台へと進み出た。ほどなく羽鳥(草彅剛)の指揮で二村(えなりかずき)がピアノで前奏を弾き始めた。
それは、鈴子たっての願いで1曲目に選ばれた新曲『大空の弟』だった。
詞の内容は、姉が戦地にいる弟の身を案じるというものだった。ただし、単に心配するだけではなく、国を守ってくれることに感謝するというものだった。
歌詞に鈴子の名は出てこないが、弟の名は「六郎」だと明示されていた。まさに鈴子の心情がそのまま表現された歌であった。客席の梅吉も感じ入りながら聞いた。
歌っている途中から鈴子の目には涙が溢れ出してきた。歌い終わると嗚咽を漏らして、舞台上に崩れて座り込んでしまった。指揮台の羽鳥からしっかりするよう声をかけられるが、鈴子はそのまま動けなくなってしまった。
ふと客席に目をやると、六郎の幻が見えた。その六郎は、穏やかで優しく笑っていた。
六郎の幻影はすぐに消えてしまったが、鈴子は気を取り直した。
立ち上がり、大きく息をつくと次の曲が始まった。鈴子の大人気曲『ラッパと娘』である。鈴子はスタンドマイクの前から動けなかったが、その場でステップを踏み、体を大きく動かした。客は大いに盛り上がり、会場全体から手拍子が鳴った。
歌い終わると客は総立ちになり、拍手は鳴り止まなかった。
鈴子は満面の笑顔で投げキッスした。
ステージでの歌唱シーンは金曜日に放送されるのが定番だったのに、今回は木曜日に来ましたね。明日は何やるんだ?
ていうか、りつ子(菊地凛子)と鈴子(趣里)で合計3曲の歌謡シーンだったので、ストーリー自体の進みはなかったですね。
いや、鈴子がステージ上でやっと六郎(黒崎煌代)の死を昇華させたってのは重要な進展なんだけど。