昨年の12月、当blogの読者の間でゲームを行ないました(開催案内、結果発表)。
すごく単純なゲームなのですが、顔の見えない他プレイヤーの出方をじっくりと予測する必要もあって、少しだけ奥の深いゲームでした。
優勝賞品である「水曜どうでしょう」2010年卓上カレンダーの人気も高かったのですが、ゲームそのものを楽しんでくれた人も大勢いました。
第2回の開催を望む声も複数寄せられたのですが、今日まで実現せずに来てしまいました。
ところが本日、スタニスラス・ドゥアンヌ著『数覚とは何か?』を献本していただけることになりましたので、これを優勝賞品として第2回大会を開催することとしました。
この本は、人間がどのようにして数を理解するのかということを解説したものです。僕もまだ読み始めたばかりですが、とても面白い本です。電車で読んでいて、あまりの面白さに乗り過ごしてしまった(その時の様子)といういわくつきの本です。
誤解を恐れずに言えば、人は「1, 2, 3, それ以上」という数の認識をしているようなのです。それは例えば、文字にも表れています。ローマ数字は、1から10までを
のように表記します。1から3までは同じ数だけ縦棒を書いて記すのに、4以上の数(特に、5や10)ではヘンテコな記号が利用されるようになります。
日本語を読み書きするであろうあなたならすぐに思いついたでしょうが、漢字も同じです。
3までは横棒の数が対応しているのに、それより大きいと規則が崩れます。
これは、人間の視覚システムとの関係が濃厚なようです。人は生まれつき、4つ以上の点や線を瞬時に認識できないようなのです。
例えば、下の図をご覧ください。各ブロックの中に黒点が描かれています。左の青でくくったブロックの中には、それぞれ点が2つ、もしくは3つ描かれています。我々はそれらを瞬時に判別できます。
一方、右の赤でくくられたブロックの中には、5つもしくは6つの点が描かれていますが、私たちはじっくりと眺めないと判別できません。
つまり、数字の5を表すのに IIIIII、6を表すのに IIIII などという文字を作ったとしても、私たちの目と脳はそれを瞬時に判断できないのです。2 = III 、 3 = II ならば、一瞬で見分けられるのです。
#ちなみに、記号はわざと 5と6、2と3を入れ替えておきました。きっと後者はすぐに気づいたでしょうが、前者は気づかずに読み流した人が多いでしょう。
さて、こんなに面白い話が目白押しの『数覚とは何か?』ですが、翻訳者の少なくとも1名が当blogを読んでくれています。出版記念に、僕に1冊プレゼントしてくれることになりました。しかし、僕はすでに購入してしまっています。そのことを伝えたら、
「とにかくあげるから、blog読者プレゼントにでもしてよ」
というありがたいお言葉。
数字ゲームは一度やってしまったので、違う企画を考えようとした矢先、
「いやいや。これは数の本だから、数のゲームがいいよ」
と言われてしまいました。確かにその通り。自分の不明を恥じるとともに、第2回数字ゲームの開催が決まりました。
来週、僕は北海道に帰省するので、いくつかのサプライズ賞も準備しようと思います。この本をすでに買ってしまった人も、単にゲームを楽しみたいだけの人も、どしどしご応募ください。
詳細ルールは以下。締切りは2010年8月14日23:59:59。
賞品の発送は8月16日ころを予定。別途開催中のalm-ore 読書感想文大会にもギリギリ間に合います。
【ゲームであなたがすること】
1以上の整数を1つ選び、それを木公まで知らせる。
1以上の整数なので、0は含みません。小数点がついてもダメです。何桁でもいいです。
木公まで知らせる方法は、メール(matuda@enyan.no-ip.com)や口頭、Twitter のダイレクトメッセージなど、なんでもかまいません。
ただし、他の人に自分の数字がバレるような方法(blog のコメント欄)などはダメです。僕にだけ分かるようにしてください。
優勝者には後ほど連絡しますので、その時に送付先等をお知らせください。ゲームに参加するときは、個人識別ができればいいので、本名じゃなくてもいいです。
【優勝者の決め方】
一番小さな数字を言った人を優勝とします。
他の人と数字がダブった場合は、失格となります。
つまり、他の人とダブらないようにしながら、なるべく小さい数字を選ぶことが肝心です。
他の参加者の出方を予想しなければなりません。
「1」はもっとも小さな数字ですから、これを申告すれば楽勝のような気がします。しかし、他の人も同じように考えて、「1」がダブったら2人とも失格となるのです。もしかしたら、「2」を選んだ人が優勝となるかもしれません。
【締め切り】
2010年8月14日(土) 23:59:59 までにご応募ください。
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