NHK『ゲゲゲの女房』第120回

 数覚ゲームは今夜が締切りですよと最後の宣伝をする当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第120回めの放送を見ましたよ。

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「妖怪いそがし」

 貴司(星野源)と話をする中で、布美枝は(松下奈緒)は忙しさを口実に、自分自身が家族にきちんと向きあっていなかったのだと悟った。今まで気付かなかったことを恥じ入る。
 貴司は、自分も仕事に追われて、家族と心が離れていると反省した。自分もしっかりと家族に向き合うと宣言し、布美枝にも「妖怪いそがし」に負けないようにと励ました。そして彼は安来に帰っていった。

 布美枝は、寝起きの茂(向井理)を捕まえ、遠慮することなく藍子(菊池和澄)のことを相談した。彼女が高尾山に登ったという捏造作文の内容を現実のものにしてやりたいと願い出た。つまり、本当に家族で高尾山へ行こうと言うのだ。

 茂は、もっと高い山が良い、富士山ではどうか、と突拍子も無いことを言い出す。しかし、よく話を聞いてみれば、彼は富士山麓に別荘を買う話を進めているという。茂は素知らぬふりをしていたが、最初に藍子の作文の話を聞いたときから思うところがあったのだ。自分の少年時代を思い出すと、自然に囲まれて遊んでいた。娘たちにも同じ経験をさせたいと思い、黙って準備をしていたのだ。
 茂の家族に対する愛情を再認識し、布美枝は嬉しかった。

 初夏のある日、布美枝の運転で富士山の別荘へ出かけた。話に聞いていたのとは違って、オンボロで汚れ放題のみすぼらしい山小屋だった。しかし、眺望と周囲の自然環境は最高だった。一家で協力して掃除をしたところ、なかなか雰囲気のある山荘になった。

 ただし、藍子には気がかりなことがあった。この別荘には電気も電話も、漫画道具もない。いつも締切りに追われている茂の仕事に支障が出るのではないかと心配でならないのだった。
 ところが、布美枝も茂も、彼女の心配を笑い飛ばす。布美枝の話によれば、茂に取って本当に大事なのは家族だ。始めから仕事はしないつもりで来ているのだから、心配の必要はないと説明してやる。茂本人は、虫も動物も仕事はしない。生きるためには、本当は仕事は必要ないのだ、と話してやった。

 そして、茂は「妖怪いそがし」に取り憑かれていて、無理やり忙しく働かされていたのだと藍子に説明してやった。

 藍子は自分のわだかまりを素直に話す気になった。茂が忙しいのは、空想の世界に生きる妖怪の仕業ではなく、現実世界に存在する雑誌編集者たちが急き立てるからだ。学校の友達も、妖怪など存在しない、水木しげるは嘘つきだと言っていると、最近の悩みを打ち明けた。茂は妖怪を本当に見たことがあるのか、と。

 茂は、妖怪を自分の目で見たことは一度もないと正直に告白した。しかし、気配を感じたことは何度もあると逸話を聞かせた。たとえば、戦地のジャングルでどんなに頑張っても前に進めなくなってしまったことがある。あとから思えば、あそこには「ぬりかべ」が居たに違いない。
 妖怪は目には見えない、しかし、気配は感じる。昔から、多くの人々が同じ様な経験をし、それを言い伝えで来た。自分の使命は、それを漫画にして分かりやすく伝えていくのだと、妖怪漫画を描く理由を話した。

 まだ半信半疑の藍子であったが、暗い山荘で夜が怖くなるから、もう妖怪の話はやめて欲しいと茂に伝える。茂はここぞとばかりに、藍子が怖いと思うのは妖怪の存在を信じているからだと指摘する。そこで初めて、藍子は素直に妖怪を受け入れることができた。

 家族に明るい笑顔が戻った。

* * *


 帰省していろんな人と会っている当方ですが、みんな口を揃えて「ゲゲゲの女房は面白いね」(もしくは、「面白いっていう話をよく聞くよ」)と言う。報道なんかでもよく言われていることだが、このドラマの人気を再認識している次第。

 スタッフも鼻が高いことだろう。

 さて。
 今日の放送の別荘パートは全てロケでした。ただし、別荘となる山小屋のエイジング処理が中途半端で、妙に真新しい感じがして画面(演技や脚本の流れ)から浮いて見えました。いつもはセットに細かい配慮をするスタッフたちなのに、なんだかやっつけ仕事感が満載でした。

 妖怪いそがしに取り憑かれていたのは、茂や布美枝ではなく、ドラマスタッフだったのです!!!!

 電気が開通していないことに気づき、ロウソクで夕食を取ることになった一家。茂が「まるで、昔の貴族のようだ」と取りなすと、子供たちは「貴族!貴族!」と声をあげながら、庭をグルグルと走り回ります。
 なんだその、バカが絵に描いたような「天真爛漫な子供たち」描写は?テレビの前でずっこけました。

 ドラマスタッフは妖怪いそがしに取り憑かれていて、陳腐な演出しかできなかったのです!!!!

 家族をないがしろにしているようでありながら、陰では家族のために一肌脱いでいた茂。なんか、前にもそういう展開があった。たとえば、次女誕生の騒ぎで自動車の購入を決意するとか。

 脚本家も妖怪いそがしに取り憑かれていて、ワンパターンに陥ったようです!!!!!!!!!!

 恐るべし妖怪いそがし。

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