フジ『北の国から』第17回

昨夜は、過去に某水族館でイルカのトレーナーをしていたという珍しい経歴を持っている女の子(上玉)と食事をし、互いにテレビを見るのが好きだという点で大いに趣味が一致したのだが、『最高の離婚』を除いて見ている番組がひとつも合致せずにしょんぼりした当方が、BSフジ『北の国から』の第17回を見ましたよ。

* * *

夏になった。五郎(田中邦衛)は夏の間に丸太小屋を完成させると張り切っていたが、作業は難航していた。丸太のかみ合わせ部分の細工が思っていた以上に難しく、コツがつかめないでいた。
そんなある日、雪子(竹下景子)が東京から戻って来た。純(吉岡秀隆)と螢(中嶋朋子)はとても喜んだ。

雪子は、五郎にだけ令子(いしだあゆみ)の様子を包み隠さず報告した。2週間前に退院し、今は自宅から通院している。職場の美容室にはたまに顔を出す程度で、本格復帰はしていない。
そして、令子は友人でもある弁護士・本田(宮本信子)を伴って富良野に来ているのだという。この期に、五郎との離婚の手続きを全て片付けてしまう目論見でいるという。雪子は予告していなかったことを詫びつつ、今夕彼女らの宿泊しているホテルで面会して欲しいと頼んだ。

五郎は、一人で約束のホテルのレストランに向かった。そこでは本田が一人で待っていた。令子が席を外している間に、事務的な話をふたりでまとめたいと言うのだ。五郎は応じた。
離婚についての令子側の条件は以下のとおりだった。令子はふたりの子の親権は放棄する。その代わり、令子側からの慰謝料の支払いはない。また、夫婦の財産であるアパートと乗用車の名義は五郎から令子へ移し替えることとする。五郎は特に異を唱えることもなく納得した。令子の署名が書かれた離婚届を受け取り、五郎は証人と共に署名することに同意した。

協議が終わると、令子が現れた。令子らは今夜と明日の2泊するという。令子は、子供たちと最後の別れをしたいと頼んだ。五郎はそれにも応じることにした。
一人で家に帰った五郎は、改まって純と螢に話を始めた。令子と正式に離婚することになったこと、両親の身勝手で子供たちに迷惑をかけたことを謝罪した。子供たちは五郎の下で暮らすことに決まったと告げる一方、子供たちが異議を申し立てるチャンスを与えた。ふたりは大人だから自分で判断しろ、どのような結論になろうと自分は口を挟まないと約束した。子供たちは即答を避けた。
そして、翌日は令子と面会することが決まったと告げた。五郎は外すので、母と3人でゆっくりしてこいと言うのだった。

翌日、純と螢は学校を早退した。五郎はふたりをホテルまで送り届けると、令子に会わずにそのまま去った。親子水入らずだと思っていたのに、本田もついてくることが分かってがっかりした。4人で花畑へ出かけた。ちょうどラベンダーが満開の時期だった。令子はとても楽しそうにしていた。
純の心は少しも晴れなかった。今日を限りに母と縁が切れ、別の苗字になると思うと気が滅入った。一方で、純は密かに決意を固めていた。もし令子が一緒に行こうと言ってくれたら、何の未練もなく母に付いて行くつもりだった。しかし、結局、そのようなことは一言も令子の口からは発せられなかった。
螢は不機嫌な様子を隠そうともしなかった。令子に話しかけても一切口を利かなかったし、手を繋がれても振りほどいて逃げるほどだった。純はこっそりと螢の冷たさを叱った。けれども彼女は全く態度を改めなかった。ついには、予定よりも早く家に帰りたがった。仕方なく、純もそれに従って帰宅した。

その日の夜、五郎は中畑(地井武男)に離婚証人の署名をしてもらった。すると、中畑の家に五郎宛の電話がかかってきた。令子が急に体調を崩し、富良野の病院に運ばれたというのだ。五郎は即座に病院へ駆けつけた。医師の診察によれば、令子は大きな病院で精密検査を受けるべきだという。病状が回復して退院したとは言っているが、医師には病状が良くなっているようには見えないのだという。
病室に入った五郎は、帰京の予定を延期してゆっくり休んでいくことを提案した。しかし、令子は翌日に帰るといって聞かなかった。そればかりか、明日は汽車に乗る前に、黒板家の墓参りに行きたいと言い出した。体調を考慮して思いとどまらせようとするが、令子に子どもと一緒にいれて楽しかったと嬉しそうに言われると、令子の願いを無碍にできなくなってしまった。

翌朝。螢はどうしても同行しようとしなかった。熱が出て具合が悪いと言いはって、毛布をかぶったまま寝床から出てこない。純や五郎は、令子の気持ちを考えろと言って叱るが、螢は言うことを聞かなかった。腹を立てた五郎は、自分が帰ってきたら病院に連れて行くからずっと寝ていろと命じ、怒りながら出かけていった。

墓は村のはずれにあった。純は去年の秋に越してきて以来、2度めの墓参りだった。墓地では雪子が気を利かせて純を引き止め、五郎と令子にふたりだけの時間を作った。
五郎は、螢は熱を出し、自分が家で寝ているよう命じたと弁解した。令子は、螢を悪者にしないための五郎の優しい嘘だとすぐに見抜いた。続いて五郎は、令子に別の病院ですぐにしっかりと検査してもらうよう言った。令子が元気であることが子どものためであると強調した。そして、体のことに関しては、恋人への義理立て(通院している病院は、令子の恋人の縁故)よりもよほど重要なことだと説くのだった。令子は、その場では素直に承諾した。
最後に五郎は、令子が子供たちに会いたくなったらいつでも応じる気持ちでいると伝えた。さらに、自分の方から相談を持ちかけることもあるだろうと予告した。離婚しても、子供たちは永久にふたりの問題だと言うのだ。

その後、駅で令子を見送った。令子は純の手を握り、螢のことをしっかり頼むと言うのだった。純は目で答えた。
時刻通りに汽車は出発した。令子は沈痛は気分で車窓を眺めていた。駅を出てすぐに、空知川の美しい景色が見えた。するとその岸辺に螢の姿が見えた。令子は窓から身を乗り出し、大きく手を振って螢の名を叫んだ。螢は目に涙を浮かべ、全速力で汽車を追いかけた。

五郎と純は、家に帰ると即座に丸太小屋建築の作業を始めた。するとそこへ螢が帰ってきた。五郎は低い声で、螢が勝手に家を留守にしていたことを咎めた。螢はそれには答えず、寝室で毛布に包まってさめざめと泣いた。五郎は作業の手を休めることはなかった。

その日の夜、草太(岩城滉一)が家へやって来た。7月26日に行われる空知川筏下り大会への出場を誘いに来たのだ。玄関から声をかけるが、寝室の螢は返事をしなかった。代わりに、雪子が答えた。草太は、彼女が麓郷に戻ってきたことを知らなかった。突然の再会に驚き、草太は慌てて家を飛び出してしまった。
草太は、表に飛び出したところで五郎の姿を見つけた。どうして雪子のことを教えてくれなかったのかと食って掛かった。五郎にすれば、草太は雪子のことを諦めたと思っていた(第15回)ので何も言わなかったのだ。草太は雪子のことを諦めたわけではないと言い始めた。雪子への気持ちは変わらないでいるが、彼女が何も言わずに帰京したことについて自分がコケにされたと思っているのだ。草太は男の意地や見栄に関わるので、いきなり態度を軟化させるわけにはいかないのだ等という理屈を述べた。

ここに来て、五郎は草太が来訪した理由を訪ねた。草太は、螢が沈み込んでいてかわいそうに思ったので、筏下り大会に誘って元気づけてやろうと思ったと訳を話した。その日の昼、草太は螢に頼まれて、彼女を汽車が見えるところまで連れて行ってやったのだ。そこで螢と令子が川越しに最後の別れをした一部始終を話して聞かせた。螢は泣き続け、自分たちよりも五郎が一番かわいそうだと言っていたなどと報告した。そこまで話して、草太は自分が口止めされていたことを思い出した。しかし、後の祭りだった。
けれども、五郎は螢の気持ちをその時はっきりと知ったのだ。

草太と別れて家に戻ると、純は母を思い出し半べそをかいていた。螢がどうしているか尋ねると、すでに眠ってしまったと不機嫌に答えた。五郎は純に静かに話した。人はみな悲しい思いをするが、その表し方は人それぞれである。泣く人もいれば、涙を決して見せない人もいる。螢も同じで、もしかしたら自分たちよりもずっと辛い思いをしているのかもしれない。その気持ちを送りにいかないという行動で表現したのかもしれない。そう純に言い聞かせるのだった。
その時、螢は令子と一緒に行った花畑で積んできたラベンダーを抱えて寝ていた。顔は涙で濡れていた。

次の日曜日、純と螢の通う分校の廃校式が行われた。2学期から、彼らは市街にある本校へ通うことになる。廃校式には在校生とその父兄だけではなく、卒業生も参列した。五郎や中畑も卒業生として参列した。しかし、多くの卒業生は札幌や東京などに出て行ってしまっており、全体の3分の1ほどしか集まらなかったということだ。

夏休みに入り、すぐに空知川筏下り大会だ。数日前から、人々は張り切って筏の準備を始めた。純と螢は、中畑木材の作る筏に乗せてもらう予定となった。
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汽車に乗った令子(いしだあゆみ)が去っていくシーン(末尾のyoutube映像参照)は、名シーンの一つにあげられるところですね。今回久しぶりに見たけれど、扉が閉まった瞬間に無音になるところでゾクゾク来た。この渋い演出が良い。
そして、特に螢(中嶋朋子)が汽車を追いかけるシーンは、『北の国から』を代表するシーンの一つとしてよく取り上げられますね。

そこそっと現れる草太(岩城滉一)兄ちゃんもかっこいい。

あと、「感情の表し方は人それぞれだ」という五郎(田中邦衛)のセリフもグッと来る。当たり前と言っちゃアタリマエのことなのだけれど、僕たちはしばしばそんな当たり前の事実を忘れがちだ。そのせいで人と揉めることもまれではない。

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