[まとめ記事終了します] NHK『虎に翼』第3回

一番好きな伊藤沙莉はドッキリにハメられているやつである当方が、NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』のまとめ記事連載を今日限りでやめることを決めましたよ。

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第1週『女賢しくて牛売り損なう?』

今日の放送では、寅子(伊藤沙莉)が明律大学女子部法学科に進学するという新たな目標を得ました。

下宿人・佐田(仲野太賀)の弁当を届けるために夜間学校に行ったところ、「法律では女性は無能力者とされている」などといった講義内容が聞こえてきました。自分が不当に扱われているように思って、寅子は納得がいきません。
そんな寅子の姿を見つけた法学者・穂高(小林薫)は、寅子の意見を聞いた上で、法律に興味があるなら大学に進学するとよいと助言しました。寅子はそれこそ、自分の進むべき道だと思いました。

寅子の見合い結婚を誰よりも推し進めようとしている母・はる(石田ゆり子)は、しばらく故郷に帰省していて家にいません。その隙に、父・直言(岡部たかし)にだけ相談しました。すると父は大賛成してくれました。母の説得も自分に任せておけと胸を張るのでした。

こうして寅子は入学願書を準備し、試験勉強もはじめました。以前よりも毎日が充実しているように思えました。

そしていよいよ、母・はるが帰ってきました。寅子は、父・直言が母を言い負かしてくれるのかと期待していましたが、彼はなかなか言い出さないどころか、寅子を避けるようになってしまいました。結局彼は口先だけで、母に頭が上がらないのでした。

いよいよ寅子は母に直談判しようと思いました。しかし、大親友であり、兄・直道(上川周作)と近く結婚することの決まっている花江(森田望智)から止められました。花江は自分の結婚式が無事に終わるまでははるに機嫌よくいてほしいというのです。寅子の大学進学を知ったら、どうなることかと恐れているのです。

加えて花江は、自分は直道に一目惚れしたのだと打ち明けました。女は自由に結婚相手を選べないものの、なんとかして彼と結婚できるように、時には寅子も利用して、したたかにたち振る舞ったというのだ。寅子も自分の好きなように生きるためには、したたかに暗躍することが必要だと助言した。

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NHK『虎に翼』第2回

2日目にして早くも寝坊しそうになった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』の第2回めの放送を見ましたよ。

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第1週『女賢しくて牛売り損なう?』

寅子(伊藤沙莉)は3度目の見合いに臨んだ。女学校卒業後は職業婦人になりたいと望んでいたが、家庭に入って守るのが女の幸せだと信じる両親の意向に沿う覚悟を決めた。今度こそ、うまくやろうと決意した。

見合い相手の横山(藤森慎吾)は貿易会社に勤めていて、少し前までニューヨークに駐在していた。先進的な考えを持つ男のようで、妻とは対等な立場でなんでも話し合える関係を作りたいと言っている。寅子はこの相手ならば自分らしさも発揮できると思い、嬉しくなった。

横山が現代の政治経済の問題に触れると、寅子は自分の意見を次々と開陳した。寅子は新聞を読むことを日課にしており、気になった記事はスクラップ帳に貼り付け、何度も繰り返し読んでいた。横山のどんな話題についても寅子はよく知っていたし、自分なりの意見も持っていた。時には、横山の話を途中で遮って、矢継ぎ早に自説を述べた。中には、横山よりもよほど詳しい話題もあった。
初めは笑顔で聞いていた横山であったが、次第に機嫌が悪くなってきた。ついには、女のくせに生意気だと言って怒り出してしまった。

後日、横山からは断りの連絡があった。こうして寅子の3度目の見合いも失敗に終わった。
母・はる(石田ゆり子)は、なんとしても女学校卒業前に婚約まで漕ぎ着けると言って諦めなかった。

その頃、寅子の猪爪家では、兄・直道(上川周作)の結婚準備も同時に進められていた。
直道に結婚相手は、寅子の女学校の大親友・花江(森田望智)であった。

ある日曜日、直道と花江の結婚式の招待状準備が行われた。花江とその母・信子(赤間麻理子)も参集し、女たちが丁寧に作業にあたった。さらにその日の夜は、花江の父・真一(横堀悦夫)も招待して宴が開かれることになっていた。

寅子は不平を漏らしながらも、親友の花江の手前、宴の支度を手伝った。
花江本人も、猪爪家の台所に入って料理の手伝いをした。花江は、もうすぐこの家の嫁になるのだから、早く猪爪家の味を覚えたいとにこやかに言うのだった。
女たちはそれらを苦労だとは思わず、にぎやかにおしゃべりしながら作業を行なっていた。

宴が始まると、寅子の父・直言(岡部たかし)が主催者として場を取り仕切った。花江の父・真一も主賓としてご機嫌だった。両家の結婚をとりまとめたと言って、ふたりの父親たちは愉快そうに語り合った。

一方、結婚式の準備や宴の準備にその日を全て捧げた女たちは、急に影のように静かになった。男たちの話を微笑みながら聞いているだけである。
寅子はそれを気に入らないと思った。男たちは全て自分たちの手柄のように振る舞っているが、実際に作業をしたのは女たちである。女たちは男たちの邪魔にならないよう、急に無口で控えめになってしまっている。

それが終わったある日、母・はるの親戚に不幸があり、彼女はひとりで香川県丸亀に帰省することになった。その間、寅子が家事を切り盛りしなくてはならなくなった。

下宿人・佐田(仲野太賀)は、早くに両親を亡くしたが、その父の意思を継いで大学で法律を学ぶために猪爪家に住み始めた。しかし、彼は司法試験に合格することができなかった。現在は、銀行で働きながら、夜学に通って司法試験合格に挑戦中である。

夜学に通う佐田のために弁当を持たせなければならない。しかし、家事に不慣れな寅子は弁当の用意に手間取ってしまった。後で学校に届けると告げて、佐田を送り出した。

寅子が学校に到着するとちょうど講義中で、寅子にとっては初耳な難しそうな内容が取り扱われていた。寅子は廊下からしばし聞き耳を立てていた。
すると、講師の桂場(松山ケンイチ)に見つかってしまった。寅子は慌てて逃げようとすると、今度は廊下の前方から別の男がやってきて道を塞がれる形になった。

その男は高齢だが、誰よりも偉そうな雰囲気を漂わせていた。一目見ただけで寅子は圧倒されてしまった。
その男・穂高(小林薫)は、寅子に向かって何か言いたいことがあるなら言ってみろと告げた。

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NHK『虎に翼』第1回

3日前に終わったばかりなのに、本日また新たな根性試しの始まる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』の第1回めの放送を見ましたよ。

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第1週『女賢しくて牛売り損なう?』

1931年(昭和6年)のある夜中。
猪爪寅子(はしづめともこ; 伊藤沙莉)は身の回り品をまとめ、家族が寝静まった隙に家出しようとしていた。大阪に行って、梅丸少女歌劇団に入団しようと決意したのだ。
もうすぐ女学校を卒業する時期であったが、その後の進路が明るいものと思えなかった。両親からは見合い結婚をすることを勧められていたが、家庭に閉じ込められるような人生に希望があるとは思えなかったからだ。

しかし、弟・直明(永瀬矢紘)を便所に連れて行こうとしていた母・はる(石田ゆり子)に偶然見つけられ、家出計画は失敗してしまった。
父・直言(岡部たかし)、兄・直道(上川周作)に加え、下宿している書生・佐田優三(仲野太賀)まで起き出してきて、緊急家族会議となった。

翌日には初めての見合いが予定されていた。
寅子は見合いに行きたくないと主張した。結婚した後の自分の姿が想像できず、胸が踊らないというのだ。せっかく女学校で学んだのだから、すぐに結婚するのではなく、職業婦人として知識を活かしたいと希望を述べた。
母・はるは、寅子を頭ごなしに叱った。女学校で学んだ知識は、夫を支える良き妻となり、子を育てる良き母となるために使うものだと諭した。
他の家族もはるの言葉を否定しなかった。

こうして、寅子は強引に見合いの場に連れて行かれた。
おとなしく席についたものの、寅子は明らかに仏頂面だった。しかも、朝まで続いた家族会議のために寝不足だった。あろうことか、見合いの席で寅子は居眠りしてしまった。
当然、見合いは破談となった。

二度目の見合いが行われた。
両親は、寅子は女学校でも一、二を争う優秀な成績だったと紹介した。
智子はそれを事実だと認めた。ただし、一位の成績ではなく、二位だったと面白くなさそうに話した。一位の者はわざわざ「一、二を争う」などと言わない。二位だったからこそ「争う」と言うのだと説明した。
その不遜な態度のため、もちろん今回の見合いも失敗だった。

寅子は、女学校の友人・米谷花江(森田望智)に相談した。
しかし、花江はまったく寅子の味方をしてくれなかった。寅子は職業婦人になりたいと言うが、就きたい職業が具体的に決まっているわけではない。何も考えていないならば、家庭に入って妻なり母なりの役割を務めるべきだと話した。それが、今まで育ててくれた両親に報いることだと述べた。

寅子の三度目の見合いが用意された。
すでに何もかも諦めてしまった寅子は、素直に出席することにした。

今回の相手、横山太一郎(藤森慎吾)は、帝大を卒業し、現在は貿易会社に勤めているという。1ヶ月前までニューヨークに赴任しており、帰国したばかりだという。彼は見合いの場で、ニューヨーク駐在中の写真を次々と見せてくれた。多くのアメリカ人の友人や、ニューヨークの摩天楼の様子が収められていた。
寅子はその写真を見て胸が躍った。

横山は、完成したばかりだと言うエンパイアステートビルについて、馬鹿げた所業だと断じた。アメリカの株式市場の大暴落をきっかけに、世界中を巻き込んだ大恐慌が発生した。未だその影響も残っているのに、単に世界一の高さを誇るだけのほとんど無駄な建物を作ったといって貶した。

寅子は横山の言葉に感銘を受け、思わず自分の意見を開陳してしまった。
横山の言う通り、経済復興を優先すべきである。日本も(第一次)世界大戦を契機として活発に貿易を行うようになってきたが、これからは日本国内の経済発展に目を向けるべきだと述べた。寅子は父の言いつけで、毎日新聞を読むのを日課としていた。だから、政治経済に精通していたのだ。
ところが、父・直言は寅子が生意気な口を利いたと言って、横山に対してすぐさま謝罪した。

しかし、横山は寅子を責めなかった。むしろ、寅子のことを褒めた。
横山が結婚相手に望むことは、様々な話題について語り合える関係になることだと言うのだ。

寅子は気をよくした。
親の手前、見合いを成功させたい。ただし、可能であれば、対等に尊敬し合える相手と結婚したい。今目の前にいる横山は最適な相手だと思われた。
もっと自分を売り込もうと、寅子は経済に対する自分の意見を捲し立てた。

しかし、はじめはおとなしく聞いていた横山が急に起こり出した。
女のくせに生意気だと言うのだ。

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NHK『ブギウギ』最終回(第126回)

今シーズンの根性試しがついに成就する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の最終回(第125回め)の放送を見ましたよ。

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最終週(第26週)『世紀のうた 心のうた』

鈴子(趣里)のお別れコンサートの開催が決まった。それが楽しみな鈴子は終始機嫌がよかった。
家の者たちも鈴子のステージを最後に見れると思うと楽しみでならなかった。また、世間の人々はこれが最後になるが、家族ならば家で鈴子の歌が聞けると思って楽観的に考えていた。

そんな中、愛子(このか)だけはもう二度と鈴子の歌を聞けないと予感していた。理由はないが、鈴子は二度と鼻歌すら歌わないだろうというのだ。
ただし、愛子はそれで構わないという。鈴子が歌いたくないなら、それでいいと言うのだった。
鈴子は愛子の予言を否定も肯定もしなかった。しかし、自分の好きなようにしていいと言ってくれた愛子のことがとても愛らしく思った。自分と亡き夫・愛助(水上恒司)の娘である愛子は、とても良い子に育ったと感激するのだった。

そして、お別れコンサートの当日を迎えた。
そこには鈴子に縁のある人々が大勢駆けつけた。梅丸少女歌劇団時代の大阪の仲間はもちろん、村山興業の関係者や新橋のパンパンたちもやってきた。

幕が上がると、歌う前に鈴子は口頭で挨拶を述べた。
大勢の人が集まったことに感謝し、本当なら一人一人全員に声をかけてまわりたい程である。世話になった人も来てくれて、その人々がいなければ今の自分はなかったと振り返った。話しているうちに鈴子の目には涙がたまり、胸もいっぱいになって言葉に詰まった。
そんな鈴子に、満席の客たちは口々に応援の声を投げかけた。その声を聞いて、鈴子は言葉を取り戻した。みんなが自分を応援してくれるのと同じように、自分もみんなのことを応援していると述べた。そして、愛してると付け加えた。

それを合図に、羽鳥(草彅剛)が優しくピアノを鳴らした。コンサートの最初の曲は、ピアノ伴奏だけのゆったりとしたテンポの『東京ブギウギ』だった。初披露のアレンジであったが、朗々と伸びやかに歌い上げる鈴子の歌声に観客たちは聴き惚れた。

曲の途中から、フルバンドが演奏を始めた。前半とは打って変わって、アップテンポで明るく華やかな『東京ブギウギ』となった。客たちは一斉に総立ちとなり、体をゆすぶった。
会場の端で見ていた茨田りつ子(菊地凛子)だけは座ったままだったが、鈴子の姿を見ながら涙をこぼした。

こうして、鈴子は羽鳥の作ってくれた全ての歌を心に刻みつけるように歌いきり、コンサートは終了した。

歌手を引退した鈴子は、自宅で家の者たちと一緒にゆったりと朝食を摂っていた。
マネージャー・タケシ(三浦獠太)はご飯のおかわりを晶子(木野花)に要求した。すると大野は、自分でやれと言って応じなかった。

それを見ていた鈴子は、自分のことは自分でやるべきだと話した。ただし、自分でやれないことはやってもらう。そして、自分でやれることは人のためにやってあげる。それが大事だと話した。
人として生まれてきたら、全ての人に義理がある。その義理を果たすのが人情である。まさにこの世は義理と人情だと語った。

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NHK『ブギウギ』第125回

ちゃんと確認してないけど、今日のオープニングはロングバージョン(通常月曜日に使用されるもの。関連スタッフのテロップが多いから)だったように思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第125回めの放送を見ましたよ。

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最終週(第26週)『世紀のうた 心のうた』

羽鳥(草彅剛)は作曲の仕事に身が入らなかった。頻繁に手が止まり、ため息が出るのだった。
見かねた妻・麻里(市川実和子)は、意地を張らずに鈴子(趣里)に会うべきだと助言した。これまで鈴子にたくさん楽しませてもらったのだから、そのお礼はきちんと伝えなければならないというのだ。

一方の鈴子も、引退を打ち明けてから羽鳥に避けられ続け、そのまま大々的に引退会見まで行ったことを気に病んでいた。
茨田りつ子(菊地凛子)に仲介してくれるよう頼んだが、彼女はきっぱりと断った。双方ともいい大人なのだから、自分たちで解決すべきだというのだ。特に、引退会見で述べた羽鳥への感謝の言葉は、あらためて本人に直接伝えなければならないと助言した。

ある日、鈴子はいよいよ決心して、羽鳥の家を訪ねることにした。
ところが、自宅の玄関を出ると、そこに羽鳥本人が立っていた。鈴子が訪問する前に、彼が鈴子を訪ねてきたのだ。
ふたりは鈴子の自宅で、おずおずと話し始めた。

羽鳥は自分の気持ちを正直に打ち明けた。羽鳥は、鈴子がいなくなることが怖かったという。
最近、羽鳥は鈴子の新曲を作っていなかった。他の仕事はしているはずなのに、鈴子の曲がないだけで世間からはスランプだと言われてしまった。もしこのまま鈴子が女優になって大活躍したら、自分は鈴子に捨てられた惨めな作曲家ということになってしまう。さらに、今や世間は、ブギといえば福来スズ子だと思っている。自分からブギが奪われてしまったような気持ちになって、鈴子に嫉妬し始めていた。

しかし実際には、鈴子が歌ってくれなければブギがここまで流行することはなかっただろうとも述べた。鈴子のおかげで自分の大好きなブギが世間に受け入れられ、そのことが羽鳥には嬉しかった。羽鳥善一という作曲家を作ったのは、福来スズ子である。自分は鈴子に深く感謝すると述べた。

鈴子は、歌手生命が危機に陥ったとき、何度も羽鳥に救われてきたと話し感謝した。
自分はこれまで羽鳥の歌しか歌ってこなかった。自分をいちばん輝かせてくれるのは羽鳥だと思っていたからだ。さらに言えば、羽鳥が人形使いで、自分は操り人形だと思っていた。羽鳥にとって歌手は歌の一部であり、自分はその立場に誇りを持っていた。いつまでも羽鳥にとっての最高の人形でいたかったのだが、それがもう難しくなったという。

客に歌を披露する前に、羽鳥にとっての最高の歌手でいたいと思っていた。しかし、すでに羽鳥に釣り合うだけの歌手でなくなってしまった。会見では語らなかったが、その羽鳥への思いこそが引退の最大の理由だという。
羽鳥のおかげで福来スズ子という歌手が完成した。羽鳥のおかげで楽しい歌手人生を送ることができたと涙ながらに感謝を述べた。

羽鳥は、最後にもう一度だけ一緒に遊びたいと話した。ふたりで一緒にもう一度観客の前で歌を披露して、これまでの感謝を述べるべきだという。引退会見だけでは足りないというのだ。
鈴子はそれをすぐに承諾した。

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NHK『ブギウギ』第124回

完走までいよいよあと3日となった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第124回めの放送を見ましたよ。

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最終週(第26週)『世紀のうた 心のうた』

羽鳥(草彅剛)不在のまま、鈴子(趣里)の引退記者会見が始まった。引退を切り出してから鈴子と羽鳥の関係は気まずくなり、日程はおろか記者会見を行うことも連絡していなかったからだ。

記者会見の冒頭、鈴子は引退の理由を説明した。
歳をとり、体や心が思い通りにならなくなってきた。そのため、今までのようなパフォーマンスを披露することも難しくなった。客に喜んでもらったり、自分自身で満足することも困難となる。自分を自分で汚すことなく、いちばん輝いていた姿をそのまま残したい。だから、今日をもって引退するのだと説明した。

その後、質疑応答が行われた。
一般の記者たちからは穏当な質問が投げかけられ、鈴子は年末の男女歌合戦の舞台の感想、今後は女優として活動することなどを答えた。

記者たちの中には、鮫島(みのすけ)の姿もあった。彼は、これまで何度も鈴子のことを悪様に書き立てた張本人である。最近、鈴子の全盛期は終わったと雑誌に書いたのも彼である。

鮫島は、若手歌手・水城アユミ(吉柳咲良)が台頭してきて勝ち目がないと思ったのではないかと意地悪な質問をした。
それでも鈴子は落ち着き払って回答した。アユミの実力を認め、近い将来には大物になると予言した。そうなれば、福来スズ子のことなどすぐに忘れられるだろうと話した。そうなることは悔しいが、仕方のないことであると話した。鮫島は、鈴子は負けを認めたと呟きながらメモをとった。

さらに鮫島は、羽鳥の意向を質問した。最近の羽鳥はヒット曲に恵まれていない。鈴子がいなくなればますますヒット曲の生まれる可能性が減じるため、彼が簡単に鈴子を手放すとは思えないと主張した。
鈴子は、羽鳥は元来素晴らしい曲を作る人なので、そのような心配はないと回答した。そして、羽鳥のおかげで今の自分があると述べ、彼への感謝を強調した。

さらに鮫島は、歌手に未練はないのかと尋ねた。
鈴子は、自分は未練がましい女だと述べた。だから、後悔する日が来るかもしれないと冗談混じりに回答した。
そのジョークに会場は笑いに包まれた。いつしか鮫島の表情も柔らかくなっていた。

鮫島は、最後に1曲歌を聴きたいとせがんだ。
しかし、鈴子はきっぱりと断った。一度歌い出すと1曲では止まらないというのだ。
その冗談に、会場はさらに大きな笑いが起こった。
それを合図に会見は終わった。鮫島も笑顔で鈴子に拍手を送った。

帰宅した鈴子は、家族たちに慰労会を開いてもらった。その場には、娘・愛子(このか)のほか、マネージャーのタケシ、家事手伝い・大野(木野花)、庭師・小田島親子(水澤紳吾井上一輝)がいた。

鈴子は、まさか自分が歌手を辞める日が来るとは思っていなかったと話した。そして、歌をやめる大事な日に一緒にいる面々がまったく予想外で驚いたと述べた。
ただし、それは残念な結果ではない。むしろ、この面々と一緒にいれることが幸せだと心から思っていると話した。自分にとってみんなは「家族」である。たとえ血の繋がりがなくても「家族」であることに変わりはないと述べた。自分と出会ってくれたことが嬉しいと感謝を述べた。

後日、鈴子の引退記者会見の模様が雑誌に掲載された。
鮫島の記事は、鈴子へ好意的なものだった。そして、随所には鈴子から羽鳥への感謝の言葉が強調されて掲載されていた。
羽鳥は未だに鈴子と連絡を絶っていた。その代わり、雑誌の記事を穏やかに読んでいた。

鈴子は水城アユミとも面会した。
アユミは引退を取り下げてほしいと懇願した。自分は未熟であり、鈴子の歌う姿を見て勉強したいことがまだたくさんあるというのだ。
もちろん鈴子は引退をとりやめない。むしろ、引退の理由の一部にはアユミも関係していると話した。自分の出番の直前にアユミのステージを見て、たくさんのエネルギーをもらえた。そのおかげで、自分も最後のステージで最高の力を発揮できた。しかし、今後も毎回自分の出番の前にアユミにエネルギーをもらうわけにもいかない。だから、アユミを見てきっぱりと歌手をやめることを決めたのだと話した。

鈴子は、アユミにバトンを渡したと言って激励した。アユミもそれに応え、必ず鈴子のような歌手になると決意を述べた。

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NHK『ブギウギ』第123回

雨続きでいやーな感じの当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第123回めの放送を見ましたよ。

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最終週(第26週)『世紀のうた 心のうた』

鈴子(趣里)は歌手を引退することを決めた。真っ先に羽鳥(草彅剛)に打ち明けたが、彼は承服しなかった。鈴子が歌手を辞めたら絶縁すると述べ、彼にしては珍しく怒りを露わにした。
マネージャー・タケシ(三浦獠太)も同様に猛反対し、激しく取り乱した。

鈴子は、茨田りつ子(菊地凛子)にも打ち明けた。いつものように皮肉混じりに冷たく突き放されるものと思っていたが、りつ子は予想外にも寂しそうな表情を浮かべ、残念だと答えた。
りつ子は鈴子のことを同志だと思っていたという。歌手としても女としても、厳しい時代と共に生きてきた仲だと認識している。だから、鈴子の決断を尊重するのだという。ただし、自分はこれからも1日でも長く歌い続けると宣言した。鈴子は、りつ子に受け入れてもらえて嬉しいのと同時に、歌に全てを捧げるりつ子のことを改めて立派だと思った。
りつ子は、羽鳥が怒った気持ちも理解できると話した。羽鳥は本当に歌を愛しており、彼にとって歌手は歌の一部である。鈴子の引退によって、自分の歌が失われてしまうような気持ちになるのだと話した。
それでも鈴子の決意は変わらなかった。

鈴子が帰宅すると、マネージャー・タケシが待っていた。
彼は、鈴子の引退に反対して取り乱したことを謝った。本来、彼は歌には全く興味がなかったという。しかし、いつの頃からか、無意識に鈴子の歌を口づさむようになっていたという。歌っていると不思議と元気が出てきたという。これまでの人生でどんな仕事も長続きしなかった自分であったが、鈴子の歌で大いに励まされた。だから、もっと鈴子の歌を聞いて励まされたかったというのが本音だと述べた。
鈴子の歌に励まされたのは自分だけではなく、日本中に大勢いる。だから彼らに今まで歌を聞いてくれたお礼を述べると共に、引退の意思をきちんと伝えるべきである。そこで、引退記者会見をすることを提案した。
鈴子は、頼りなかったタケシがいつの間にか道理をわきまえた立派な人間になっていることを嬉しく思った。記者会見の提案を受け入れた。

数日後、羽鳥の長男・カツオ(竹下健人)が留学先から一時帰国した。鈴子は、羽鳥の妻・麻里(市川実和子)から食事会に招かれた。
しかし、羽鳥本人は留守にしていた。鈴子が来訪すると聞くと、羽鳥は急に用事を作って出かけてしまったのだという。引退を聞いて取り乱してしまったことで鈴子に会いにくかったらしい。

麻里は、羽鳥は鈴子に捨てられると思い込んで辛いのだろうと話した。鈴子がいなくなったら、自分の歌を作れなくなると恐れているのかもしれないという。本人たちは気づいていないが、羽鳥と鈴子には他の誰も入ることのできない二人だけの世界がある。それは、妻の麻里ですら嫉妬するほどであるという。ただし、嫉妬はするものの、麻里が鈴子のことを大好きであることには変わりがないと話した。歌手・福来スズ子としても、人間・花田鈴子としても大好きであり、最高の友達であると思っていると話した。
ふたりは友情を確かめ合うように抱き合った。

その頃、鈴子を招いた食事会から逃げ出した羽鳥は、りつ子に会っていた。
羽鳥は、鈴子に絶縁すると脅したことについて後悔していた。しかし、鈴子に引退してほしくないという気持ちは変わらない。りつ子から思い直すように説得してほしいと頼んだ。
しかし、りつ子はきっぱりと断った。
ふたりは特別な関係を築いて、羽鳥は鈴子の曲を作っていた時が一番楽しそうに見える。自分にもいくつもの名曲を書いてくれたが、ふたりの特別な関係には敵わなかった。それへの仕返しとして、ふたりが苦しめばいいのだと述べた。冗談なのか本気なのかはわからなかった。

そして鈴子の引退記者会見の日を迎えた。
控え室の鈴子は落ち着いており、顔には微笑みがあった。

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NHK『ブギウギ』第122回

ちょうど10年前の今日、約2万円でエレキギター本体と練習用ソフトRockSmith2014を注文した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第122回めの放送を見ましたよ。

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最終週(第26週)『世紀のうた 心のうた』

鈴子(趣里)は年末の特別番組『オールスター男女歌合戦』で立派にトリを務めあげ、観客や視聴者を魅了した。落ち目だと言われていた評判を払拭し、まだまだトップスターであると人々に意識づけた。
本番が終わるや否やアユミ(吉柳咲良)が楽屋に挨拶に来た。鈴子のステージを見て、自分はまだまだ実力不足だと思い知らされたと話した。鈴子の持ち歌『ラッパと娘』を歌うなど、自分には実力が伴っていなかったと謝罪した。改めて鈴子を目標に、自分の持ち歌で観客を魅了する歌手になると決意を述べた。
新聞や雑誌でも鈴子のステージの様子が好意的に取り上げられた。「完全復活」と大きな見出しが踊った。

しかし、鈴子は本番直後から気が抜けたようになってしまった。家族から話しかけられても上の空であった。
翌日も、昼間からベッドに横たわり放心状態だった。ぼんやりとこれまでの自分の人生を振り返るばかりだった。

なんとか体を起こした鈴子は、羽鳥(草彅剛)の家を訪問した。妻・麻里(市川実和子)は鈴子の大活躍をベタ褒めした。羽鳥もにこやかにその様子を眺めていた。

けれども鈴子はいつになく元気がなかった。
そして、歌手を引退するつもりだと打ち明けた。
年末の歌合戦で燃え尽きてしまったのが大きな理由だと説明した。あの日は、先に歌ったアユミを見たことで大きなエネルギーをもらった。そのおかげであれだけのステージを披露することができた。しかし、今後はもうあのように歌える気がしないというのだ。
今までも疲れ切って放心状態になることはあったが、頭の中では常に将来の歌のプランが次々に思いついた。しかし、今回はもう十分にやり切ったという思いしか浮かんでこないと話した。

羽鳥は静かに話し始めた。
年末の歌番組の直前には、鈴子は世間から落ち目だと言われており、鈴子自身もどこか元気がなかった。確かにアユミのステージも素晴らしく、そこからエネルギーを得たという話も理解できる。世間から彼女をライバルと仕立て上げられた鈴子は、何か決意を持って歌合戦に出場するのだろうと思っていた。
けれども、まさか引退を考えているとは思わなかったと述べた。

そこを境に、羽鳥は口調が険しくなった。
羽鳥は鈴子を引退させるつもりはないと言い切った。羽鳥は、鈴子のために書いてきた曲は鈴子が歌ってこそ完成すると考えている。鈴子が引退するということは、それらの歌を全て葬り去ることになる。そんなことは絶対に許さないというのだ。喜劇舞台や映画出演など、一時的に異なる仕事をするのは構わないが、歌手を辞めてこれまでの歌を葬り去ることは絶対に許さないと語気を強めた。
鈴子が本当に歌手を辞めたら絶縁すると言い捨てて、羽鳥は席を立った。

帰宅した鈴子は、家族を集めて歌手引退を切り出した。実際にオファーもいくつかあるので、これからは女優をしていくつもりだと話した。
マネージャー・タケシ(三浦獠太)は猛反発した。彼も鈴子が歌手を辞めることに我慢がならなかった。就任以来頼りないマネージャーではあったが、鈴子のステージを一番そばで見聞きしてきた彼は誰よりも歌手としての鈴子のファンなのだ。怒ったタケシは席を立って行ってしまった。

愛子(このか)は、歌手が嫌になってしまったなら辞めてもいいと話した。ただし、鈴子の歌が聞けなくなってしまうのは寂しいとも述べた。
鈴子は何も言わず愛子を抱きしめた。戸惑った愛子が話しかけても鈴子は何も言わずに、よりきつく愛子を抱きしめた。

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NHK『ブギウギ』第121回

昨夜、『ブギウギ〜時を越える服部良一メロディー〜スペシャルコンサート』(NHK+のリンク)を見ていたら、オープニングで水城アユミ役の吉柳咲良が『ハッピー☆ブギ』を上手に歌いこなしていて聴き入ってしまったのだけれど、気になってプロフィールを調べたらホリプロのミュージカル『ピーターパン』の主演を務めていたそうだし、なるほどなと納得した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第121回めの放送を見ましたよ。

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第25週『ズキズキするわ』

1956年(昭和31年)の大晦日。いよいよ『第7回オールスター男女歌合戦』の公開生放送の日を迎えた。
直前に、またしても鈴子(趣里)と水城アユミ(吉柳咲良)の対決を煽る雑誌記事が出た。記事はアユミに肩入れしたものだった。
しかし、鈴子はもう何も心配することもなかった。純粋に歌いたい気分でいっぱいだった。意気揚々と楽しそうに収録会場へ向かった。

本番前、鈴子の楽屋にアユミが父・股野(森永悠希)とともに挨拶に訪れた。『ラッパと娘』を歌うことを許可してくれた鈴子に礼が言いたいと言うのだ。マネージャー・タケシ(三浦獠太)は喧嘩腰で彼らを迎えた。
しかし、鈴子は終始笑顔だった。アユミが自分の持ち歌をどのように歌うのか楽しみで仕方ないと激励した。

本番と生放送が始まった。
総勢30名もの流行歌手が次々と歌を披露する一大イベントである。

鈴子は舞台袖から全ての歌手の歌を聞いていた。そしていよいよアユミの出番となった。
アユミは新人とは思えぬ堂々とした歌と踊りで観客を魅了した。鈴子もその姿に見惚れ、彼女に合わせて静かに口ずさんだ。割れ知らず、少し涙も出てきた。

涙で濡れた化粧を直すために楽屋に戻ると、茨田りつ子(菊地凛子)が待っていた。本番前で緊張しているだろう鈴子のことをからかい半分、応援半分で待っていたのだ。
鈴子は今見てきたアユミのステージを興奮しながら話した。彼女は歌が上手いだけではなく、客の心を掴むカリスマ性も持っているとベタ褒めした。
そして、素早く化粧を直すと、鈴子は再び会場へ向かった。アユミに感化され、もう今すぐにでも歌いたくて爆発しそうな気分だった。

大トリの鈴子がステージに招き入れられた。
歌う前に鈴子は挨拶をした。登場した歌手はみんな素晴らしかったと褒めた。その上で、アユミは自分の若い頃にそっくりだと言って客を笑わせた。鈴子がそれほど美人ではないということは世間の一致した評価であり、鈴子なりのジョークであった。
そうやって客を笑わせると、鈴子は急に表情が引き締まった。自分もまだまだ負けてはいられないと言って『ヘイヘイブギー』を歌い始めた。

アユミの歌で観客は大いに盛り上がったが、鈴子のステージではそれ以上だった。テレビで中継を見ていた羽鳥(草彅剛)もそう感じていた。
舞台袖で見ていたアユミも見惚れて動けなくなった。曲の途中で出演者全員がステージに登場する演出になっていたが、アユミは一歩も動けなくなってしまった。りつ子に促されて、やっと歩くことができた。

こうして、鈴子はまだまだ大スターであることを多くの人々に再認識させる結果となった。

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NHK『ブギウギ』第120回

本日3月21日は、1986年に我が最愛の山瀬まみが『メロンのためいき』で歌手デビューした記念日であり、心からの喜びを申し上げる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第120回めの放送を見ましたよ。

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第25週『ズキズキするわ』

ある晩、愛子(このか)が翌日の学校に行きたくないと言い出した。足の速い転校生と競争することになり、負けるのがいやだからだ。

鈴子(趣里)は、負けるのがいやだという愛子に共感してみせ、学校を休んで勝負から逃げてもよいと話した。ただし、逃げたことは一生忘れられず心に付きまとうだろうと述べた。負けるのが嫌で逃げるくらいなら、負けて悔しい思いをした方がよいというのが鈴子の意見だった。
鈴子は、自分も年末にすごい歌手と一緒に歌う仕事があると話した。初めは自分が負けてしまうのではないかと恐れていた。しかし、今はその人と歌ってみたいとワクワクしているという。確かに怖い面もあるが、それ以上に楽しみなのだと話した。
鈴子は、愛子が逃げようが立ち向かおうがどちらでもよいと思っていると述べ、決断を本人に任せるとした。

翌朝、愛子は登校するかどうか決めかねていた。
その結論を見届ける前に、鈴子は羽鳥(草彅剛)の家へ出かけた。水城アユミ(吉柳咲良)に『ラッパと娘』を歌わせてやりたいと話すためだ。

鈴子は羽鳥に向かって、自分が卑怯者だったことを詫びた。近頃の自分は体力が衰え、仕事も減ってきている。アユミと自分を比べられ、惨めな思いをするのが怖かった。だからアユミに自分の歌を歌わせたくないと思いながらも、自分が許可しなかったと思われたくないので、羽鳥が許さなかったという体裁にしようとした。
しかし、今はむしろアユミと同じ舞台で歌うことが楽しみになってきたと話した。久しぶりに自分の『ラッパと娘』のレコードを聞き直したら、最高の歌だとワクワクした。すると不思議なことに、アユミがどのように歌うのかと興味が湧いてきた。しかも同じ舞台で聴けると思うとズキズキワクワクしてきた。だからアユミに『ラッパと娘』を歌わせてやりたいと話した。
鈴子本人は『ヘイヘイブギー』を歌うつもりだという。これは娘・愛子への思いが込められた歌である。ちょうど今、愛子も自分と同じようにライバルとの勝負で悩んでいる。そんな彼女のために歌いたいというのだ。

じっと話を聞いていた羽鳥は、鈴子に賛成した。鈴子の昂る感情が伝染し、羽鳥もふたりの対決が楽しみでワクワクしてきた。

鈴子はその足でテレビ局に向かい、アユミに自分の歌を歌わせることを許可した。
プロデューサー・代々木(遠山俊也)やディレクター・沼袋(中村倫也)は大きな話題になると大喜びした。

夜になって鈴子が家に帰ると、愛子が泣いていた。転校生との競争に負け、恥ずかしい思いをしたし、悔しくてたまらないと訴えた。
鈴子は、自分も勝負に負けたら恥ずかしくてたまらないだろうと話して聞かせた。しかし、悔しさを正直に言えるのが愛子らしいところだと褒めた。悔しさをバネにさらに立ち向かってもいいし、なんなら逃げてしまってもいい。人生はたいへんな道のりなのだと話した。

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