華氏911

マイケル・ムーアの華氏911を見ました.

当方,政治にあまり関心がないし,世界情勢にも気を配ってないし,つーか,あんまりニュースや新聞を見たりしないし.そんなわけで,タリバンとアルカイダの違いをぜんぜん理解していないし,なんでイラクを攻撃しなきゃならなかったのか知らないし,てか,そもそもWTCにジェット旅客機を突入させた政治的背景もぜーんぜんわかっていない.あとついでに,ブッシュ大統領が共和党なのか民主党なのか,にわかには答えられない.もひとつおまけに,次回の米大統領選挙がいつ行われるのかも知らない.それに関連するけれど,大統領選のやり方もよくわからん.

そんな僕が,そんな僕だからこそ,「ちょっと,インテリになるつもりで」華氏911を見てきたわけで.

そういえば,映画が始まる前,横に座っていた男連れ2人が大声でいろいろと話をしていた.たぶん,劇場全体に聞こえるくらいの大声.彼らの話の内容をまとめると,
「多くのアメリカ人はこの手の政治的な映画を進んでみるし,内容に関してよく議論もする.しかし,日本人はそうじゃない.きっと日本人は政治に無関心でバカなんじゃないかなぁ」
てな感じだったと思う.
かなり大きな声だったので,彼らの勇気と自信に感心した.
しかし,映画が始まって20分くらい.寝息が聞こえてきたので周りを見渡すと,その2人連れの一人だった.「あーあぁ」と思った.

さて,肝心の映画だけれど,前半(彼が寝ていたあたり)が一番面白かったと思う.
ここでは,ブッシュ家とビン・ラディン家の「黒い絆」が辛らつに紹介されており,少なくとも僕は今までに聞いたことがなかった話なので,「ほぉ」と新鮮かつ痛快に見ることができた.
導入部分にして,最大の見所だと思った.

後半は,「イラク戦争の悲惨さを語る」という内容.
まず,黒焦げの死体(しかも,アメリカ兵の死体らしきものが,バクダットの人々によって吊るされていたり,棒で殴ったりしている)やアメリカ軍の攻撃で焼けただれたイラク人少年が治療を受けている映像とかが出てきたりする.映画館に入る前にミスタードーナツを腹いっぱい食べた身には少々きつかった.これから見に行く人への忠告としては,見る前にあまりモノを食べないように忠告しておく.
そういう悲惨なシーンをいっぱい見せて,「これはいったい誰のための,何のための戦争なのか?」という,まぁ言葉は悪いが,お涙頂戴のありきたりなドキュメンタリーになる.
マイケル・ムーアの正義感はよく出ている内容だと思ったが,彼の十八番のアイロニーはなかった.淡々と見るしかない.

そんな映画.

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