「また新たに癌が見つかりました。正確に言うと悪性肉腫です。もっと詳しく病名を申しますと、平滑筋肉腫と申しまして、こいつは転移と大きくなるのが非常に速いのが特徴で、やっかいなんです。手の施しようがありません、持って寿命は、ひと月から年内というところでしょうか。残念ですが」
「はあ、持って五ヶ月の寿命か。ちょっと短すぎるなあ」『カモのがんばらないぞ』より
このように宣告を受けたのが、昨年の5月らしい。
それから1年弱、本日午前5時ころ亡くなったそうだ (共同通信の報道)。
元(?)妻の漫画家西原理恵子のサイトトップでも死亡が伝えられているほか、今月のりえぞうコーナーでは喪中のためしばらく仕事を休むと宣言されている。
「そういや、つい先日、会社の人と鴨志田さんの話をしたなぁ」
と思いついて、親切のつもりで彼にこのニュースを教えてあげた。
すると、知らされた彼はものすごくショックだったらしく、ふさぎこんでしまった。
いつも、なんやかんやと、(一応愛のある)口論を戦わせている相手なのだけれど、その姿を見てるとちょっとかわいそうになった。
そんなことを思っていると、彼はため息混じりに
OZmallに連載されている鴨志田譲の闘病エッセイ『カモのがんばらないぞ』の存在を教えてくれた。
その会社の人は、弊社の中でも名の知れたコワモテなんだけれど、OZmallってサイトは「恋に効く! 私が好き!」というサブタイトルが付いているくらい、ガチガチの女性向けサイト。
「そんなおっかない顔して、なんでこんなかわいらしいサイト見てるんですか?」
と、軽口を浴びせかけてみたものの、お母さんが出かけてしまった山口さんちのツトム君のように元気がないし。
これ以上からかっても反応がなさそうなので、口撃は取りやめ、紹介してもらったエッセイを読んでみることに。
ベッドのカーテンを開けると、彼女が微笑みながら僕を見つめた。
「バカ。そんな息子と同じことして。風邪でもひいたらどうするの」
そうニコニコ笑った。
濡れた服が彼女につかないよう、そっとキスをした。「傘もささずに」(鴨志田穣『カモのがんばらないぞ』)
泣けた。
なんだか、コワモテの彼同様、僕までやるせない気持ちになってきた。
やるせない気持ちではあるけれど、心地よいやるせなさ。
そんな、寒い三月の夜。
ええっ!本当に知らなかった。
鴨志田氏も対談に出ていた『アホー鳥が行く』を
ちょうど読み終えたのは、偶然にしてはできすぎてますね。
虫が知らせたんでしょうかねえ。
ここで、そのことを知りおどろきました。
がんだったとは。アル中なおったところだったのに。
ご冥福をおいのりします。
あたしもふと毎日かあさんのことを庶務の人と話していたところでした。
りえぞう、3ヶ月休業だそうです。
Umeさん:
そうなんすよ、Ume さんの日記でちょうど「アホー鳥が行く」が紹介されていた矢先なので、奇妙な偶然に驚いていました。
Rinさん:
エッセイを読むと、アル中が治ったっつーか、癌の方がひどいから転院したという感じっぽいです。
今日、本屋で見つけた物: カモちゃんとみかん。
鴨志田穣『遺稿集』 2008年3月に発売されたものが文庫化されたらしい。 OZmallという女性向けwebサイトに連載さいれていた「カモのがんばらないぞ」…