ジャレド・ダイアモンドの『セックスはなぜ楽しいか』という本がある。
ヒトの性行動の謎について、進化生物学の観点から至極マジメにアプローチする本。
マジメなんだけれど、随所にジョークが散りばめていて退屈しない文章。
翻訳もこなれていて、すごく読みやすい。
翻訳は、長谷川寿一。
あるとき、僕は長谷川先生の集中講義を受けていたのだが、彼はこの本についてこんなことを言っていた。
「この本は “長谷川のピンク本” と呼ばれています。私は、自分で書いた本は全て親にプレゼントしているのですが・・・、さすがにこの本だけは躊躇しました」
翻訳者本人が揶揄するこの本。もう何年も前に入手していたのだが、そのタイトルのどぎつさに僕もなんとなく敬遠していた。中身がマトモなことはわかっていたのだけれど。
ほとんどの生物は繁殖期にしか交尾しないのに、なんで人間は年がら年中セックスしたがるのか。
ほとんどの生物は死ぬまで子供を生むことができるのに、なんで人間の女性は閉経してしまうのか。
ほとんどの哺乳類のオスは乳腺や乳首を持っていて、条件さえそろえば授乳することができるはず(ヒトも同様)なのに、なんでメスしか授乳しないのか。
などなど、言われて気づく、性にまつわる不思議な話の謎解きをする、楽しい本。
もっと早く読めばよかった。
で、やらいでもエエのに、ついバカなチャレンジをしてしまった当方。
この本にカバーをかけずに、公衆の面前で読むというチャレンジ。
たとえば、近鉄電車で大和西大寺に向かう車内で。
たとえば、大和西大寺の某飲食店でスパゲティを食べながら。
たとえば、東生駒に向かう近鉄電車の中で。
さらには、多くの若人が乗り合わせた東生駒発の奈良交通のバスの中で。
お昼には、東生駒のマクドナルドでベーコンレタスバーガーを食べながら。
なんかね、ぜんぜん恥ずかしくないのだ。
それは、加齢によって羞恥心が鈍ってきたせいか。
もう、女の子にモテるのを半分あきらめるようになったせいか。
「自分が他人の読んでいる本の表紙に頓着しないのと同じように、きっと他人も僕の読んでいる本など気にしていないだろう」という事実に気づいたせいか。
もしくは、僕が明鏡止水の境地に入ったと信じたいが。
ていうか、ホンネの部分では、
「環境型セクハラで訴えられたらどうしよう」
と、ドキドキしていた小心者だけど。
表紙のピンクさ加減とタイトルのドギツさは、ある程度図太い神経を有していないと、買うのすら恥ずかしいだろうけど、読んで損はないし、退屈もしない本だと思います。
お勧め。
僕なんて学生にゼミでこの本を発表させたぜ。自分では読んでいないので、どんな本か分からなかったけれど、学生の発表開始1分で激しく後悔。
何を理由に後悔したのか、本気でわからない僕がいます。
なんで、なんで?
つーか、自分で読んでなくて、内容を知らない上に、このタイトルなのに、よく学生にアサインしましたね。その勇気には、ちょっと感動を覚えるかも。
実は僕も未読。
この本に関して最も笑ったのは、ロリータの某Mさんが授業の参考図書に指定されていたこの本を書店に注文、本人不在時に「ご注文いただきました『セックスはなぜ楽しいか』ですが、本日入荷いたしました」という電話をお母さんがとり、帰宅したら怒られた、という話でしょうか。
起き抜けに、激しく笑った。
かわいそうな、ロリータ Mちゃん。
彼女は何も悪くないし、マジメに勉強しようとして指定図書を注文しただけなのに。
ていうか、ものすごく偶然なんだけれど、昨夜そのロリータ Mちゃんにずいぶん久しぶりにメール送った。
事前にこの情報を入手していたら、からかったのになぁ。
mixi 経由でロリMちゃんから抗議が入りましたよ。
> ロリータって…(–; まったくもう。
クールビューティ系の女王様タイプに怒られるよりも、ベビーフェイス系の女の子がほっぺたを膨らませてプンプンしている姿に萌える当方(しかも、ちょっとマゾヒスト)としては、ゾクゾクと快感を覚えてしまいまったわけですが。
> ちなみに母からは怒られたわけじゃありませんよ。どんびきされただけです。
怒られようが、ドン引きされようが、ありがたくないことに変わりはないですな。
まったく、罪作りな書名です > ダイアモンド
そして、それを直訳した訳者も同罪 > 長谷川先生
けれども、仮に『性行為、出産、育児』とかいうタイトルだったら、僕は手に取らなかっただろうと思うから、良いタイトルなんだろうけど。
#そんなわけで、ダイアモンドの有名な代表作『銃、病原菌、鉄』はいまだ手にしていない。
我が家にあったような気がします。。。
うん、オニ家ならあっても不思議ではないと思います。
タイトルはアレですが、中身はマトモなので、どこかのお母さんのように怒ったり、ドン引きしたりしないであげてください。
いや、俺は「某Mさん」としか書いてないわけで。
と言うか、大学3年のときとか、本当にロリータだったじゃねーかと思ったりしたわけで。
自分の妹の風貌を伝えるときに「私のお姉さんみたいな人」と説明して、確かにその通りだったじゃねーかとも思ったわけで(昔懐かし「見極め写真」の被写体として見たことがあります)。
なんだかんだ言っても、結局「彼女はかわゆい」ということでいいじゃないですか。
しかも、優秀な学者さんなんだからすごい。