ダーウィン展に行ってきたでぇ~: 大阪市立自然史博物館 9/21まで

大阪市立自然史博物館(長居公園内)で 2008年7月18日(土)から9月21日(日)まで行われている、「ダーウィン展」の見学に行ってきた。
#東京は、6月22日で終了した。

「ダーウィン展に行ってきたでぇ~」の顔出し
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やらなくてもいいチャレンジ: セックスはなぜ楽しいか

ジャレド・ダイアモンドの『セックスはなぜ楽しいか』という本がある。
ヒトの性行動の謎について、進化生物学の観点から至極マジメにアプローチする本。
マジメなんだけれど、随所にジョークが散りばめていて退屈しない文章。
翻訳もこなれていて、すごく読みやすい。

翻訳は、長谷川寿一
あるとき、僕は長谷川先生の集中講義を受けていたのだが、彼はこの本についてこんなことを言っていた。
この本は “長谷川のピンク本” と呼ばれています。私は、自分で書いた本は全て親にプレゼントしているのですが・・・、さすがにこの本だけは躊躇しました

翻訳者本人が揶揄するこの本。もう何年も前に入手していたのだが、そのタイトルのどぎつさに僕もなんとなく敬遠していた。中身がマトモなことはわかっていたのだけれど。

ほとんどの生物は繁殖期にしか交尾しないのに、なんで人間は年がら年中セックスしたがるのか。
ほとんどの生物は死ぬまで子供を生むことができるのに、なんで人間の女性は閉経してしまうのか。
ほとんどの哺乳類のオスは乳腺や乳首を持っていて、条件さえそろえば授乳することができるはず(ヒトも同様)なのに、なんでメスしか授乳しないのか。

などなど、言われて気づく、性にまつわる不思議な話の謎解きをする、楽しい本。
もっと早く読めばよかった。

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約束するサル―進化からみた人の心(小田亮)

約束するサル―進化からみた人の心今回の東京出張における,新幹線のお供だった「約束するサル―進化からみた人の心」.

著者の小田亮先生は,日本における進化心理学の第一人者の1人.
あとがきには,この本を書いた理由は,進化心理学の意味や面白さを一般の人に伝えたかったからとある.
その目的は,一通り果たされている本である.

各章の概要としては
1章では,進化心理学のパースペクティブ(“心のリバース・エンジニアリング”)について述べられている.
2章から3章にかけてはこの10年間の進化心理学の基礎的な知見についての概説が成されている(大きな文脈としては,「性選択」「包括適応度」「互恵性」のお話.あえて,読み手の興味をそそるように,キャッチーな研究をピックアップすると,女性の腰のくびれに関する”ウエスト・ヒップ比”,規範の逸脱者に対する選択的認知を行う「裏切り者検出装置」のお話など).
5章では,進化心理学の知見の他分野(主に,ロボット・人工知能などの工学分野)への応用可能性に関する議論.
6章では,進化論的パースペクティブに対する誤解の解消.
という内容である.

この分野をちょっとでもかじったことのある人なら,目新しいことはまったくありませんが,進化心理学や生物学に関してぜんぜん見聞きしたことのない人にとっては,新鮮で,ある意味ショッキングで,興味深く読めるのではないでしょうか.
あと,「生物学的なお話は人間には当てはまらない」とハナから決めてかかっている人にも,とりあえず読んでみてもらいたいところですね.

難点は,(専門家ではない,一般の読者の興味を惹きつける目的と思われる)雑談っぽい記述が随所にちりばめられており,論旨がわかりにくくなっている点が随所に見られることと,タイトルですね.
「約束するサル」って,いかにも”似非評論家”のエッセイっぽいよね.一見,一般ウケしそうなんだけど,ダメっぽい気がするのは僕だけだろうか?
#ちなみに,セックスはなぜ楽しいか(通称,「長谷川のピンク本」)は,ある意味大成功な書名だと思うけど(これも,進化心理の硬い本です).