東寺: 愛染明王は俺に「忍耐」と告げた

P1000581.JPG京都の五重塔で有名な東寺(教王護国寺)が春季特別公開(3月20日-5月25日; 秋は9月20日-11月25日)をやっており、普段は公開されていない仏などを見学できるので、出かけてきた。
有名な五重塔の内部にも入れるし、東寺には当方が恋する愛染明王もいらっしゃるという情報をGETしていたので。

拝観料は、中心部(五重塔、金堂、講堂)・宝物館・観智院(別院)の3箇所共通券で1300円だった。

桜には微妙に早い時期だったけれど、ちらほらと咲きはじめていた。右の写真は、花を付け始めた枝垂れ桜の下から五重の塔を眺めたところ。満開になったら、凄くきれいなんだろうなぁ。

さて、五重塔に入ってみたのだが、1644年建立というわりには内部の彩色がよく残っていた。照明が薄暗くハッキリと見て取ることはできなかったが、天井や柱には極彩色の花や葉が描かれていた他、四方の壁には弘法大師を初めとする高僧の肖像が描かれていた。
四方に向けて4躯の如来像、正方形の塔の4つの頂点に向けて2躯ずつ計8躯の菩薩像が安置(厳密には、そのうち2体が宝物館に出張していた)されていたのだが、いずれも金箔がきれいに残って美しく輝いていた。


次に、金堂(本堂)に入り、薬師三尊(薬師如来・日光菩薩・月光菩薩; かならずこの3人セット)を見る。
1mほどの高さにあるステージの上にデンと構えていて、まるでロックのライブのようだ。真ん中にボーカルがいて、左右にギターとベースがいる感じ。中央の薬師如来の足元には、彼を警護する十二神将がいて、あたかもステージ下の警備員みたいだし(確か、これらのたとえはみうらじゅん)。
その迫力に、かなり感動。しばらく動けなくなった。

講堂には、弘法大師のアイディアで並べられた21躯の仏像曼荼羅がある。仏教教義に疎い当方にその意味は分からなかったけれど、不動明王や金剛夜叉など強そうな仏がたくさんあってカッコ良かった。
今から5年位前に、北海道在住の当方の従姉(30後半の行かず後家)が「東寺の帝釈天がカッコいい。アンタ、京都に住んでるなら東寺で帝釈天の絵葉書買ってこい」などとほざいていたことを思い出した。当時の当方は仏にまったく興味がなかったので適当に聞き流していたのだが、今回見てみたところ、確かに東寺の帝釈天は男前。穏やかな顔をしているんだけれど、下手にちょっかい出したら返り討ちの血祭りに挙げられそうな、静かな力強さを感じる。剣の達人が真剣勝負に挑む前に瞑想している感じ。
従姉(30後半の・・・)の気持ちが今さらながら分かったのだが、問題は彼女の住所が分からないので、今日は絵葉書を買わずに帰ってきた。まぁ、そういうもんよ。

その後、宝物館を見学。
昔の天皇の勅諭だかなんだかの書がガラスケースに収めてあったりするのだが、それらはイマイチ当方の心を震わせない。何かの儀式のときに使われたという八部衆(阿修羅たちのチームね)の面は写実的な彫りでカッコよかった。当方も、ハロウィンのときなんかに被ってみたいものだと思った(ダンボールで腕を4本追加して、阿修羅になりたいね)。

宝物館の2階に巨大な千手観音があったのだが、その左隣に当方の恋する愛染明王発見。思わず、「おぉぉ」とつぶやいてしまった。
ここにあるのは室町時代の作だそうで、色(彼は真紅なのだ)はほとんどハゲていたし、手に持っているはずの矢も失われていた(僕の見る限り、矢が無いものが多い。細いパーツだから破損しやすいのかもしれない)。しかし、奈良の西大寺の愛染明王に匹敵するくらい凛々しいお顔で、僕が女の子だったらちょっと濡れちゃったかもしれない。

そんな感じで、最後に北大門を出て、別院の観智院に向かった。
ここは客を迎えたり、書院として使われていた建物だそうだ。建物の周りにぐるっと廊下が回されていて、そこから見る庭もきれいに手入れされていた。宮本武蔵が描いたと伝えられている大きな墨絵があったり、襖に四季の風景画の配された客室(ここでは500円で抹茶をサーブしてもらえるらしい)があったりして、建物を楽しむにはいい感じ。竜神たちに護られながら日本海を渡って、仏経典を輸入する様子を表した庭なんて、「おぉぉ、そう見える!」って感じでなかなか感動。僕は気に入りました。

で、この観智院の奥にも愛染明王が安置されていました。つまり、東寺には少なくとも2体の愛染明王がいるわけです。
観智院の愛染明王は、目玉が非常に大きく作られている印象でした。ローレンツのベビー図式よろしく、目が大きいのでとても幼い姿に見えました。愛染明王と言えば、おっかない顔しながら愛欲について考えるというアンビバレントさが売りだと信じる当方にとっては、可愛い顔なのでちょっと拍子抜けでした。

このプリティー愛染明王の前には、「愛染明王のひとこと」とかなんとかいうおみくじがありました(200円)。おみくじどころか、めったにお賽銭すら供えない当方なのですが、彼の可愛い瞳に見据えられて、思わずそこのおみくじを引いてみました。1枚ずつ小さな巾着に入っているのも可愛かったし。

出てきた結果は・・・
愛染明王のひとこと

忍耐

辛い時こそ耐えなさい。忍耐は練達を生みます。練達することで人生の希望を生み出しなさい。

とのこと。

女の子にモテなくても、耐えます。忍耐して練達します。練達して可愛い女の子とねんごろになる希望を生み出します。

コメント (9)

  1. sterai

     ふと思ったんですけど、見るだけでなく、仏像を自分でつくってみてはいかがでしょうか。世界に一体しかないフルオリジナル・完全俺仕様の愛染明王…。「つくったらダメ」っていう法はないんですよね?

  2. 木公

    確かに、「自宅に my 愛染明王」っつーのは夢です。
    それで、仏具店のサイトを見てみたら数十万円以上の価格で断念。
    最近、京都・奈良では寺院からの仏像盗難が流行っているので俺も・・・と思ったんですが、地獄に落ちそうで思いとどまる。

    steraiさんがおっしゃるように自作も考えました。
    しかし、自分の美的才能のなさを考えると、小学生の図工以下のできにしかならないのではないかと思い、ちょっと躊躇してしまいます。
    しかも、仏教を全然勉強していない当方なので、文字通りの “仏作って魂入らず” 状態になってしまいそうで、なんだかイヤンな感じです。

    でも、田宮の兵隊フィギュアとか改造して作るのは楽しいかもなぁ、と思ったりしています。

  3. 木公

    紹介していただいたリンク先、なかなか見事な切り絵ですねぇ。

    でも個人的に思うのですが、二次元と三次元では仏の感じが違うんです。
    仏を見に行く前に写真で見て「カッコいい!」と思って楽しみに見に行くと、感じが違ってピンとこなかったり。逆もまたしかり。

    そんなわけで、仏は三次元にこだわりたい僕がいます。
    #そういえば、寺で仏画とかもあまり見ないし。

  4. りんの母

    三次元と言えば三十三間堂で3Dレーザークリスタルの
    仏像ストラップ(だったかな?)を見ましたよ。
    小さなクリスタルガラスの中に観音様が浮かんでいて
    一緒にいた友達はかなり本気で欲しがっていました。
    もしこれの愛染明王バージョンがあったら
    木公さんは泣いて喜んだりするんでしょうか?

  5. 木公

    あのレーザークリスタルのヤツって、色付けられないじゃん?
    愛染明王はシャア専用色じゃなきゃ!

  6. ume

    今月のBRUTUS見た?
    仏像来てますねえ。

  7. 木公

    BRUTUSはノーチェックでした。
    仏像来てますか、そうですか。ちょっと本屋行ってみます。

  8. alm-ore

    東寺: 西国愛染明王ツアー(8)

    西国愛染十七霊場の八番札所である東寺に行ってきた。 僕の知る限り、東寺には宝物館と観智院で愛染明王を見仏することができる。僕も今年の3月に見てきた。 場…

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