随心院: 美女・小野小町にあやかったり、憧れたり

小野小町の歌碑日本における絶世の美女の一人と言えば、小野小町。
その小野小町の邸宅の跡地だと伝えられているのが、京都市の随心院だ。

境内には、小野小町の代表作(古今集、小倉百人一首に収録)の歌碑も建てられている。

花の色は 移りにけりな いたづらに
我が身世にふる ながめせしまに

解釈は
「桜の花の色は、はかなくあせてしまったことだなあ。長雨が降り続く間に。同じように、私の容姿も空しく衰えてしまった。もの思いにふけっている間に。」
だそうだ。自分の容姿の衰えを、散りゆく花(桜か梅かは、意見が分かれるらしい。ちなみに、随心院には小町にちなんだ梅園がある)にたとえて嘆いている歌だ。技巧的には、長雨と眺め(「ながめ」)、降ると経る(「ふる」)という2対の掛詞を使っている点が感傷ポイントらしい。
#以上、吉海直人・監修『一冊でわかる百人一首』(p.36)より。

続きを読む

醍醐寺: 愛染明王はおあずけで、仁王に度肝を抜かれる

醍醐寺霊宝館先日、いとう・みうら『見仏記 ゴールデンガイド篇』を読んでいたら、京都市の醍醐寺にも愛染明王があると書いてあった。
敬愛する愛染明王さえあれば、当方は全国津々浦々どこにでも出かけていく気満々である。
愛染明王の展示されている醍醐寺の霊宝館は春と秋の限られた時期しか公開されていないらしい。しかも、春の公開が5月6日までとのことなので、今日を逃すと半年以上おあずけをくらうことになる。
そんなわけで、超ダッシュで行ってきた。

しかし、結論から先に言うと、目当ての愛染明王を拝観することはできなかった。寺の人に話を聞くと、霊宝館の展示物は時期によって変わるらしい。そんなわけで、今回の公開では愛染明王は展示されていなかったのだ。

ちょっぴり残念だけれど、秋の公開時に展示されることを期待。境内のあちこちにたくさんのモミジが植えられていて、紅葉狩りがてらに再訪するのもよかろう。モミジの赤と、愛染明王の赤の競い合いは想像するだけでまぶしい。

愛染明王は見れなかったけれど、醍醐寺はそれ以外にもたくさんの見所があって、とても楽しめた。

続きを読む