「今日は雨。でもどうしても○○で出かけたかった」とひとりごちている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第154回めの放送を見ましたよ。
水木プロ設立20周年記念謝恩パーティーの計画は着々と練上がっていった。7月12日土曜日の大安に開催されることが決まった。
布美枝(松下奈緒)は、立案の打ち合わせには参加していない。そんな彼女に、茂(向井理)が声をかけた。パーティーでは、水木プロ名物の「緑の餃子」を出したいという。貧乏時代に布美枝がよく作ったもので、野菜のみでパンパンに太らせた餃子である。招待客は100人以上にもなるというのに、布美枝は喜んで作ると約束した。
茂は照れくさかったのだろうか。それと引き換えかのように装って、布美枝に着物を新調するように言った。ケチケチしないで、高価で立派なものを誂えるてよいという。茂がそのようなことを言うのは特に珍しかっったので、布美枝は驚きつつも、とても嬉しくなった。
しかし、布美枝は着物を作ることを断った。自分は素晴らしい着物を持っており、是非ともそれを着たいと言うのだ。
パーティー当日。布美枝の支度が整った。
初めて袖を通した着物は、嫁入り道具として母(古手川祐子)が徹夜で作ってくれた桃色の着物で、青海波の模様が入っている。青海波は静かに波立つ海を模したもので、平穏な暮らしが永久に続くという願いの込められているものだ(参考: 第17回)。極貧時代に質入れされてしまったこともある(参考: 第59回)。
頭に挿した簪は、祖母(野際陽子)の形見の品だ。紅色のサンゴの簪で、これは良縁のお守りだという。実際、茂との見合いでも使用した(参考: 第15回)。
2人の娘(青谷優衣、荒井萌)は、母の晴れ姿に見とれた。着物と簪にまつわる逸話にも感激した。布美枝は、それらの品物を娘たちに伝えていきたいという。どちらか一人に祖母からもらった簪を、もう一方に母からもらった着物を分けてやりたいと願っていると話した。
そこに茂も現れ、かつてない妻の美しさに目を奪われた。しかし、いつまでも準備に手間取っている女性たちを急かすと、すぐに立ち去ってしまった。本心では照れくさかったのだ。
パーティー会場には、人々が続々と集まった。
戌井夫妻(梶原善、馬渕英俚可)とは、プロダクション設立前から25年もの付き合いになる。布美枝と戌井の妻は、漫画バカに振り回された25年の苦労と喜びを互いに目配せして笑うのだった。
トラブルメイカーの浦木(杉浦太陽)が現れ、布美枝は顔をしかめる。茂は、良い人間が良いことをするだけでは、漫画も人生もつまらない。浦木のような人間が必要だと説く。自分の存在を褒められたのか、けなされたのか、浦木は判断に迷うのであった。
布美枝の姉・暁子夫婦(飯沼千恵子、塚本晋也)は、布美枝の娘たちに付き添われた。
幽玄社の元編集長・豊川(眞島秀和)やアニメプロデューサー・船山(風間トオル)らとは、設立パーティーの思い出話を語った。ボロ屋にみんなが集まったことが忘れられないという。
プロダクション設立時のアシスタント、倉田(窪田正孝)と小峰(斎藤工)は、現在も茂を支えている菅井(柄本佑)の献身と漫画賞受賞作を讃えた。
『ゼタ』編集長の深沢(村上弘明)は病気療養中のため欠席した。彼の元秘書でありながら、袂を分かつ結果となった加納(桜田聖子)と布美枝は話をした。彼女は今でも深沢のことを編集者として尊敬しているという。判断に迷ったときには、彼の決断を想像して、その通りにやってみるという。
ふたりで会場を見渡しながら、多くの人々に支えられて仕事をやってきているのだということを再認識する。
布美枝の所へ、みんなが挨拶に来た。布美枝は、みんなのおかげで楽しいことばかりだったと、本心から述べるのであった。
会場は、苦労を吹き飛ばす笑顔でいっぱいとなった。
布美枝の母がリウマチで痛む手と、嫁入り準備で忙しい合間に作った着物。そのわりに、一度も着られることがなく、質入れまでされていた。
「あの着物はいったいどうなるんだ!?」と、ずーっと気になっていたのだけれど、最終週でついに着るとは!!!当方、感激しちゃいました。
アバンタイトル(オープニング前の短いシーン)のラストで「着たい着物がある」などと、例の着物をほのめかすのを聞いただけで、涙腺のゆるい当方はウルウルと来てしまいました。
その他は、「まぁ、最後だし、過去の出演者のおさらいをしておきましょう」って感じでしたね、正直なところ。
なお、パーティー会場内をベレー帽をかぶった、手塚治虫にそっくりな人物がウロウロしていましたが(わざと画面に見切れてた感じ)、あの人は劇中では「えびおそうじ」という漫画家ですね。演じるのは海老原優という人らしい。NHKのサイトにそう書いてある。