今日は雨、でもどうしても明治神宮にお参りしようと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第48回目の放送を見ましたよ。
国を守るために軍人になる。
表向きの理由は国のためであったが、茂樹(永山絢斗)にとって真の理由は、愛する家族を守ることに他ならなかった。
陽子(井上真央)と共に実家へ帰った茂樹は、父・良一(寺脇康文)を驚かせようと家の中で姿を隠した。しかし、帰宅した父は何事もなかったかのように、極めて冷静に茂樹と再会した。良一は、近所で茂樹帰省の噂を聞きつけており、茂樹のイタズラを予想し、逆手にとってからかったのである。
それを口火に、家族に爆笑が巻き起こり、何を話しても笑いが絶えない夜となった。
しかし、家族はみな、それが茂樹と過ごす最後の夜だと分かっていた。示し合わせたわけではないが、深刻な話は避けようと、みながみな軽口ばかり言い合っていたのだ。
深夜、陽子は隣室で寝ていた陽子は、茂樹がうなされているのに気づいた。静かに枕元に座り、茂樹の汗をぬぐってやった。
そのうちに、茂樹の寝言がはっきりとしてきた。家族の名前をひとりずつ挙げ、この家族に生まれた幸福と感謝を述べた。そして、自分は星になるが、陽子は太陽になれ、と言うのだった。
いつの間にか目を覚ましていた茂樹であったが、目をつむったまま寝たふりを続けていたのだ。面と向かっては言いにくいことを、寝言を装って家族に伝えていた。いつの間にか部屋の外に来ていた良一も、全てを漏れ聞くことができた。陽子と良一は涙を止めることができなかった。
陽子(若尾文子)は、いまだに兄の恐怖や悲しみを思う。そして、そういった境遇にあっても、一切弱音を吐かなかった兄の事を尊敬し、誇りに思うのだという。そして、茂樹だけではなく、同じように強く生きていた人々全員に対して同じ思いを抱いているのだった。
茂樹を戦地に送り出した後、陽子はぼんやりとしたままだった。
そんなある日の放課後、下校したはずの子供たちが走って学校に戻ってきた。通学路で四つ葉を見つけ、陽子に贈るために大慌てで戻ってきたのだという。
受け取った陽子は、それを大切に修身の教科書に挟んだ。そして、たったそれだけのことで、陽子は嬉しくなり、自然と笑顔になるのだった。
茂樹が寝ながら家族へ最後の言葉を伝えるシーンは難解でしたね。
上のまとめ記事の中では、茂樹は目を覚ましつつ寝たふりを続けたと解釈して記述しましたが、そうだと示す直接的な表現や演出、証拠は見つけられませんでした。どう考えても、寝言にしては発声が明瞭で、内容も理路整然としていたので、目を覚ましていただろうと解釈したまでです。
最初は「うーうー」言っているだけでしたから、確かに眠っていたのでしょう。で、陽子に汗を拭かれた時の物理的な刺激で目を覚ましたと考えられます。普通の人なら、はっと気がついたら、思わず目を見開いてしまうところですが、刺激は海軍飛行予科練を出たエリートですから、心身ともに厳しい鍛錬を行い、不意の覚醒でも目を開かない術を身につけたのでしょう(そういう能力が、ヒコーキ乗りにとって何の役に立つのかは知らんけど)。
さらにすごいのは、深夜に、いつの間にか声の聞こえる位置まで移動してきた父・良一です。気づいたらそこにいるんだもんな。どうしてタイミングよく表れることができたのか、テレビの前で頭を抱えてしまいました。良一も隣の部屋で寝ていて、刺激のうわ言に気づいて目を覚ましたってことか?なら、茂樹の寝床まで来ても良さそうなものを、なぜか距離をおいているし。何がしたいんだ?(何をしたかって聞かれたら、実際には聞き耳を立てて泣いてたんだけれど)
で、茂樹はその「寝ながら演説」をした翌日、どんな顔をして家族に接したんだろうか?スケジュールによれば、翌日の夕方の列車に乗ることになっていたので、半日以上実家にいたものと考えられる。
夜中にあんなに恥ずかしい小芝居をうったのだから、家族と顔を合わせたら顔面から火が出るほど恥ずかしいと思うのだが、どういう様子で過ごしていたのだろうか(そのシーンは一切なかった)。。
・・・あまりにシュールな展開に、僕はニタニタ顔をしたまま引込みがつきません。
これはあれだ。2年前の朝ドラ『だんだん』でキモスカ(キモいスカウト)・石橋(山口翔悟)が
「泣いている女の子には、優しく抱きしめてあげるか、チョコレートをあげるかのどちらかだ。・・・と母が言っていた」(うろ覚え)
と言い放ったのを聞いた時以来の衝撃だ。