通勤経路にコスモス畑があり、その横をミニスカを翻しながら自転車で走っていく女子高生を眺めては「コスモスの花言葉は少女の純真か・・・」とひとりごちている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第16回目の放送を見ましたよ。
昭和3年 (1928年)春、糸子(尾野真千子)がパッチ店で修行を始めて半年が経った。いまだに毎日叱られてばかりだが、充実した毎日だった。夜の居残りミシン練習にも楽しく取り組んでいた。
糸子は布の裁断を教えてもらえることになった。山口(中村大輝)は裁断を教えてもらうまでに2年かかったのに比べると異例の早さだった。山口は面白くなかったが、周囲が糸子の努力を認めた結果であり、彼にはもっと頑張るようにと促した。糸子は少し鼻が高かった。
そんな矢先、神戸で繊維会社を経営する母方の祖父・清三郎(宝田明)が岸和田にやってきた。パッチ店をこっそり覗くと、失敗する度に折檻されている糸子が見えた。孫のかわいい清三郎は心を痛めた。
しばらく観察した後、清三郎は糸子を早退させて心斎橋のカフェへ連れて行った。糸子は珍しい食べ物や美しく着飾った女性たちに目を奪われた。和服姿の女給たちが着用しているフリル付きのエプロンも興味深く眺めた。
糸子の境遇に胸を痛めた清三郎は、糸子に神戸へ来るよう誘った。清三郎の会社には大量のミシンがあり、糸子はいつでも好きなだけ使うことができるという。
しかし、糸子は即座に断ってしまった。祖父が自分に甘いことをよく知っており、それでは何も自分の勉強にならないと思ったからだ。店では怒られてばかりだが、それだけ必死になって勉強しようと努力する気持ちになる。だから今の環境が良いと説明した。
今のまま修行を続けて、一人前になったらきっと祖父の会社を手伝うと言うのだった。そこまで言われた清三郎は、糸子を説得することができなかった。それどころか、糸子の健気さに胸を打たれ、目の前で涙ぐむのだった。
4月12日、吉田屋の大広間で泰蔵(須賀貴匡)と八重子(田丸麻紀)の結婚式が挙げられた。糸子らも招待され、善作(小林薫)はふたりの門出を祝福する謡を披露した。天気の良い大安でみんな幸せそうだった。
ただし、奈津(栗山千明)だけは悲しみにくれていた。泰蔵の弟・勘助(尾上寛之)とは小学校の同級生であり知らない仲ではないし、家の料理屋の次の女将として挨拶するのが筋だった。しかし、ずっと庭で泣いていた。何年間も密かに思いを寄せいていた泰蔵の結婚がどうしても許せなかった。
一度だけ奈津に相談を受けたことのある糸子であったが、そんなことは少しも気にしてないようだった。
糸子が連れていってもらった心斎橋(大阪市)のカフェは「浪漫堂」という名前でしたが、どこかモデルはあるんでしょうか?
泰蔵の結婚のなれそめ等は、本編では描かれていません。第14回で奈津が糸子にうわさ話をもたらした以外は一切語られていません。そのかわり、奈津が片思いしているという描写は、くどいくらいに何度も挟まれていました。
さてさて、奈津を取り巻く状況はこの後どうなるんでしょうか。
糸子に関しては「順風満帆ですっ!」という以外に特に言うことがありませんな。