2012年9月1日、安齋肇、泉麻人、みうらじゅん、山田五郎という豪華サブカル人脈4人が集まるイベントがあるとのことで、京都市駅前のホテル銀閣へ行ってきた。
イベントの名称は「夢の寺小屋: 大修学旅行」というもの。
とにかく4人を見たかったので参加することは決めたが(前売り券5,500円)、内容はよくわからなかった。チラシに明記されていないし、WEBで調べてもどういうイベントかよくわからなかった。
見終わった今でもあのイベントは何だったのか一言では説明できないが、とにかく5,500円分は楽しめたし、何か修学したような気もする現在である。
イベントの開演は16時。しかし、チケットにもチラシにも開場時間は明記されていなかった。
まぁだいたい1時間くらい前に行けばいいだろうと、15時に会場入りした。すると、ホテルのエンタランスにはちゃんと受付が設置されていた。会場であるホテル銀閣はわりと小奇麗な和風ホテルで、その日はイベントだけに貸切のようだった。一般宿泊客らと混同することなく、スムーズに大広間に案内された。
会場となる大広間は畳敷きで、座布団が150枚ほどびっしりと並べられていた。
僕が会場入りした時、すでに30人以上は入っていた。それでもまぁまぁ前の方の席をゲットすることができた(座席指定ではない)。最終的には満員になった。
前後左右はそれなりに余裕はあったものの、足を伸ばすことは不可能。かろうじて、後ろに手を付いて、背筋を伸ばすくらいの体勢変更は可能。これのおかげで後々救われることに。
イベント開始は16時で、終了予定時刻は19時となっていた。
ところが、ホテルはほぼ貸切状態なので、主催側は終了時刻にそれほど気を使っていないようだった。結局、90分オーバーの20:30にイベント終了。出演者らは飲酒・喫煙しつつのんびりとやっていたので、いくらでも話を続けることができそうな様子だったが、「これ以上やったら、お客さんの疲労が限界に達する」という配慮で終了したという雰囲気だった。
実はこのイベント、毎年同じメンバーで開催されており、今年で13回目ほどだという。
昨年は、安齋肇が仕事のダブルブッキング(『タモリ倶楽部』)してしまったため、大幅に遅刻したという。全員で安齋肇の到着を待っていたため、終了時刻が22時になったのだという。
しかも、本来は去年で最終回の予定だったそうで、去年は打ち上げのノリで長時間行ったそうだが。しかも、来場者60人くらいを引き連れて飲みに行ったそうだ。遅刻した安齋肇への罰則として、彼が全員分のビールをおごったとか、なんとか。
今年、再開された理由はよくわからない。そして、来場者を引き連れての飲み会もなかった。残念だが、仕方あるまい。
さて、イベントの進行は、最初に1人ずつステージに現れて20分ほどフリートーク(80分ほど)、次に全員が出てきて来場者から寄せられた質問に答える(90分ほど)、最後に各人が家から持ってきたグッズのプレゼントじゃんけん大会(60分ほど)という構成だった。
フリートークコーナーでは初めに安齋肇が登場。松たか子のファンである安齋は、彼女の出演するミュージカル『ラマンチャの男』(主演:松本幸四郎)を見に行ったのだという。内容はドン・キホーテに関するものだったという。その話をマクラに、社会における常識と非常識は紙一重であるということを語っていた。自分たちはサブカル分野に属しているが、そういう自分たちの位置づけについて考察をしているという風だった。
次に登場したのは泉麻人。最近、箱根駅伝に凝っているという話だった。駅伝のルートを実際に歩いており、そこで撮影してきた写真を紹介するという内容だった。今回は横浜から大磯のあたりまでの写真をメインに見せていた。特に山場もオチもない話で、会場は少々微妙な雰囲気に包まれた。ただ、去年ほぼ同じルートを自転車で走ったり、今年の1月に初めて箱根駅伝を応援に行ったりした当方的にはわりとグッと来る内容だった。「権太坂はツライよねー」とか思いながら。
3番手は山田五郎。昨年は同じ場で電子書籍の話をしたという。僕は彼の立場や支持する意見をよくは知らないが、「せっかく電子書籍が流通するインフラは整ったのに、コンテンツホルダーが出し惜しみをしている。けしからん」と言いたいようだった。山田は今年も同じ話をする予定だったけれど、スタッフと打ち合わせて急遽変更したらしい。そこで話したのが、大地の芸術祭: 越後妻有トリエンナーレ2012を見学してきたという話。そこでは町ぐるみでアーティストとパトロンを結びつけ支援する仕組みが用意されているという話であった。今年の話は芸術祭の話であったが、テーマとしては知や芸術のより自由な流通をさせたいという事であるようだった。
最後にみうらじゅんが登場。彼は終始、笑いをとるための漫談に徹していた。会場も笑いに包まれていた。内容としては仏教ネタであり、阿修羅展を大成功させた後、各方面から仏教展のブレインとして意見を求められるという話を面白おかしく紹介していた。キーワードは「阿修羅ごえ」(阿修羅展よりも大ヒットさせたい)だそうだ。奈良の大仏を東京に運ぶためのプロジェクト(奇想天外すぎて即座に没になった)だの、「絶対にツイッターに書いてはいけない」という某寺のオモシロ住職の話など、会場は爆笑に包まれていた。
みうらじゅんのトークの後は休憩。会場は禁煙なのだが、ステージにだけは灰皿が用意されていた(禁煙を果たした泉麻人以外は全員喫煙者)。来場者がスタッフに喫煙所はどこか?と聞いていたのをステージ上のみうらじゅんが聞きつけ、「ここで吸えばいいじゃん。ここが喫煙所だよ」と言って、客と一緒にタバコを吸って雑談していた。
僕はタバコをやめて5年近くなるが、初めて禁煙したことを後悔した。
休憩後は、4人全員で来場者からの質問に答えるコーナー。質問は事前に紙に書いて提出してある。
4人ともビールを飲んで気軽に答えていたし、取り留めもない内容だった。要所要所で笑えて楽しかったけれど。
最後は、各人が持ってきたグッズ(一部ガラクタ。しかし、ファンにとってはお宝)の争奪じゃんけん大会。
僕も何度かチャレンジしたけれど、全部負けてしまって何ももらえなかった。泉麻人の『ナウのしくみ』(1985)の初版本とか、みうらじゅんがスライドショーのいやげ物として作ったオダギリジョーの似顔絵皿とかすげぇ欲しかったんだけれど。
グッズは十分な数があるわけではないので、全員に行き渡るわけではない。来場者の1/3以下の数しかない。同じ人が2つ以上のグッズを貰うことの是非が問われる。
みうらじゅんは、はっきりと「1人1個まで」と主張していた。それを聞き漏らした来場者がいたり、他の出演者もアルコールが入ったせいで仕切りがおぼつかなくなっていた。
それでも、みうらじゅんだけは断固として複数獲得を認めていなかった。
2回貰おうとした人に対する態度は厳しかったけれど、その他大勢の人々に対してはとても優しくて親切な態度だなと思った。
みうらじゅんって、いいヤツだな、と。
全体トークの時にも、他の出演者がある女性アイドルグループの悪口を言っていた。その時も、みうらじゅんだけは何も言っていなかった。
そういえば、みうらじゅんの著作やテレビ・ラジオでの言動を思い返してみると、親しい友人の悪口を面白おかしく言っていることはあるけれど、それ以外の人を名指しで腐しているのはあまり見聞きしたことはない。
みうらじゅんは、いいヤツだね、と。
みうらじゅんだけではなく、他の3人に関してもいろいろ素な部分が見れて、興味深いイベントでした。安齋肇は意外と自分の位置づけに悩んでいるらしいとか、山田五郎は芸術活動の流通について真剣に考えている人だと知ったとか、泉麻人は空気読めそうで読めない奴なんだとわかったりとか。
来年もあるなら参加したいね。
おまけ:
グッズプレゼントで、みうらじゅんはなぜか自分とは無関係なTシャツを持ってきていた。それはTENGAのTシャツであった。
隣に座っていたねぇさんに「TENGAってなんですか?」と聞かれ、少々気まずかった。無視するのも失礼なので、ちゃんと教えてあげたけど。
うわー面白そうなイベントだ(ばんばん!)
教えてくれてもよかったのに〜〜〜〜・・・来年もあるといいですね。あったらリマインダー係になってください。
しかし、13年近くやっているとのことなのに、地元に住んでる人にあまり知られてないっつーのが驚きます。はい。
楽しそうなイベントですねぇ♪
お隣のねえさんにされた質問、私も友人にしました!
ごにょごにょとなかなかはっきり教えてくれず、最後には
「黙ってググってくれ!」と言われましたw
そもそもどんな話の流れになって登場したのか覚えてない。
ググった時の衝撃も覚えてない。
ただ男の子に聞いたらみんなその存在を認識していることに驚いた!
Mっ気が強くて、恥ずかしがり屋の男の子っつーのは世の中に一定数います。
そういう男の子に、わざと知らないふりをして
「なぁなぁ、TENGAって何?」
って上目遣いで聞いてあげて下さい。それでいて、ちょっとSっぽく意地悪な目で見てあげて下さい。
その男の子はうつむいてモジモジしつつも、内心ではゾクゾクしてすごく悦ぶと思います。
なお、SMのSとは、みうらじゅんによれば「サービスのS」だそうです。
Mは「満足のM」だっけな?
SMプレイは、Sが自分勝手に虐めているように見えるけれど、実はSの側がMが満足するように気を使ってやらねば成立しないプレイだそうで。
うわ〜楽しそう!
行きたかった〜〜
メンバーラインナップ見ただけで、電車の中で悶絶してます。
久しぶりにブログ拝読いたしました_(._.)_
メンバーの誰かが死ぬまで続けると言っていたので、誰も死なない限り来年も開催されると思います。ぜひ来年参加してみてください。