フジ『北の国から』第7回

今週、週刊現代フライデーを購入し、両誌ともにエロい袋とじがついていたのだが、どうにもそれを開いて見る気が起きず「俺のアッチ方面は枯れてしまったんだなぁ・・・」と切なくなった当方が、BSフジ『北の国から』の第7回を見ましたよ。

* * *

12月も半ばを過ぎ、クリスマスが近づいてきた。純(吉岡秀隆)は東京の華やかなクリスマスの雰囲気に憧れた。麓郷では毎日雪かきばかりやらされ、サンタがやって来る気配はどこにもなかった。

五郎(田中邦衛)は中畑(地井武男)の仕事を手伝い、毎日山で仕事をしている。おばの雪子(竹下景子)は東京に行ってしまった。日中は家に誰も居ないので、放課後の純と螢(中嶋朋子)は中畑の家で過ごした。中畑の娘・すみえ(塩月徳子)は純と同級生であり、一緒に勉強をするためだ。しかし実際には、純と螢は中畑の家にあるテレビに夢中になっていた。また、夕食も中畑の家で食べていた。中畑の妻・みずえ(清水まゆみ)は料理が上手だった。純は、みずえの料理を食べると、無性に母・令子(いしだあゆみ)のことを思い出すのだった。

中畑の家の電話が鳴った。東京に住む親戚の家に子供が生まれたのだという。電話で楽しそうに話している中畑らを見ていると、純は電話が気になってしかたがなくなった。以前、東京から来た弁護士(宮本信子)が令子に電話をかけてくれたのに、それに出ずに逃げてきたことを思い出したのだ(第4回)。逃げた日の夜、夢に令子が出てきて電話で話がしたかったなどと言っていたことも思い出された。

ある日、家の者が全員お使いに出かけるなどして、偶然に純が中畑家で一人で留守番することになった。その隙に純は東京の令子に電話をかけた。ところが、純は令子が電話に出ても無言のままで、何もしゃべらずに電話を切ってしまった。なぜか話すことができなかったのだ。

別の日、中畑の材木店の1年の仕事が終わった。中畑の家に従業員やその家族が招待されて慰労会が開かれた。五郎たちも招かれた。純は、みんなが宴会で盛り上がっているのを見計らい、中畑の家と棟続きの事務所に忍び込んだ。そこから再度、令子に電話をかけた。電話に出た令子は、純からの電話であると勘付いていた。またしても黙り込んでいる純であったが、令子から何度も名前を呼ばれて、ついに返事をした。純から電話がかかって来たことを喜んだ令子は涙を流しながら純にあれこれと話しかけた。しかし、いつ人に見咎められるかと思うと、純は気が気ではなかった。人が来るからと言って、ろくに話さずに電話を切ってしまった。

翌日から五郎は自宅裏の森に入って何かの作業を始めた。純と螢は、五郎が手伝ってほしそうにしている様子には気づいていたし、五郎が一緒にいるので中畑の家に行く必要もなかったのだが、中畑の家に入り浸った。五郎には勉強するためだと言い訳をした。けれども、純は力仕事が大嫌いだったし、中畑の家でクリスマスパーティーの準備をするのが楽しみだったのが本当の理由だった。

それに加えて、純はもう一つの秘密の計画があった。令子に電話をかけて、螢と話をさせてやろうと思っていたのだ。事前に螢に話すと、彼女は五郎に義理立てして断るので、ギリギリまで秘密にしていた。またしても中畑家の人がいなくなり、純と螢だけが残された。純は事務所に忍び込んで電話をかけると、螢を呼びつけた。そして、螢に受話器を手渡した。
何も疑わない螢は、受話器を耳に当てた。すると、令子の声が聞こえた。螢は放心し、電話を切ってその場を逃げ出した。
螢は怒った。五郎に告げ口しないと約束してくれたが、それから純とは口を利かなくなった。

12月24日になった。学校は今日で終わり、1月20日まで長い冬休みが始まる。
五郎は学校までふたりを迎えに来た。そのついでに、凉子先生(原田美枝子)に挨拶をした。すると、涼子から螢の不審な行動について聞かされた。前日、涼子が目を離した隙に螢が職員室に忍び込んで、どうやら令子に電話をかけていたようであると言うのだ。涼子はそれに気づいたが隠れていたという。しばらくして、螢は何事もなかったかのように裏口から帰って行ったという。
五郎は驚いた。そして、純ではなく、確かに螢だったかと確認した。涼子が螢だったと答えると、五郎は複雑な表情を浮かべた。

話を終えた五郎は、子供たちと合流した。純は中畑の家のクリスマスパーティーに行く許可を求め、五郎は許した。螢は行きたがらなかったが、五郎が行くように命じた。ふたりと別れ、五郎は一人で家へ帰って行った。

中畑の家で、純と螢はクリスマス・イブを楽しんだ。しかし、これからいよいよ食事だという段になって、中畑がふたりを家まで送って行くと言い出した。料理は箱に詰めたから、自分の家でパーティーをやれと言うのだ。螢は素直に従ったが、純は不貞腐れながら帰路についた。
家に着くと、中畑は純に説いた。中畑は、五郎の寂しい思いを察しろと言うのだ。令子と別れて純は寂しい思いをしているだろうが、五郎はそれ以上に寂しい思いをしていると言うのだ。なぜなら、純が生まれるずっと前から、五郎は令子と一緒にいたのだ。それに、五郎は子供たちのために一生懸命努力していると言う。たとえば、寝ている子供たちが凍えないように、夜中に何度も起きてストーブの火が消えないようにしていることを教えた。純はそれを初めて知った。
さらに中畑は、純の態度を責めた。純は怠け者で、妹の螢よりも家の手伝いをしていない。麓郷での生活はただでさえ厳しいのに、東京のように人に頼ることもできない。自分の面倒は自分で看る必要がある。特に純は、一家の長男としていつでも家を支えられるようにならなくてはならない。それが一切できていないと、中畑は優しくも手厳しくたしなめるのだった。
純は中畑の言葉に打ちのめされた。ことごとく、中畑の言うとおりだった。自分は男なのにいつも女々しく、力仕事をサボってばかりで、ずる賢くて口ばかりだと反省した。

家に帰ると、純と螢へのクリスマスプレゼントとしてスキーが置いてあった。クリスマスプレゼントは靴下に入れてあるものだと思った五郎は、スキーを靴下に入れようとしたようだ。しかし、当然入らないので、スキーの先に靴下がはめてあるのみだった。純はそれが可笑しくも、嬉しかった。

その晩、親子3人は1階のストーブのそばで並んで寝た。螢は、内緒で令子に電話をかけたことを五郎に自ら打ち明けて謝った。五郎は、令子は喜んでいたことだろうと言い、螢とどんな話をしたのか優しく問うのだった。

純も、内緒で電話をかけたことを白状しようとした。しかし、なんとなくタイミングを外してしまい、言い出せなくなった。
その晩、純は夢を見た。森の奥からキャンドルを手にした行列が歩いてきた。列の先頭には、五郎と令子、螢がいた。純は脇からそれを見ており、呼びかけるのだが誰にも気づいてもらえなかった。純は疎外感を感じ、泣きながら涙を流した。

* * *

純がかぶっている帽子は 『Tom & Jerry』(イラストはなく文字のみ)です。中畑の家で見ていたテレビ番組はアニメ『赤毛のアン』(その時、時計の針は17:40だったから再放送か?もともとは日曜19:30の名作劇場だよね)でした。そして、純の使っている筆箱は『無敵超人ザンボット3』のものでした。昭和末期に少年時代を過ごした当方としては、全てが懐かしいものでツボにはまりました。

純が、家の人がいないのを見計らい、また、いつ人がやって来るかとドキドキしながら電話をかけるシーンもツボにはまりました。僕らの少年時代には、パソコンはおろか、一人一台のテレビもありませんでした。テレビは居間に1台だけありました。スケベな番組を見ようと思ったら、家族が全員寝静まったころにこっそりと布団を抜けだして『11PM』などを居間のテレビで見なくてはならないわけです。いつ家族が起き出してくるかとドキドキしたことを思い出したわけです。

さて、今回のクズ・ナンバーワンですが、これは難しい。
こっそりと令子に電話をかけたり、結局それを黙っていたズルい純にしようかと思ったのですが、それにしては小物すぎる。
そんなわけで、今回は該当者なし。

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