フジ『北の国から』第6回

今日、関東地方は雪が降って大変だったわけだが、神奈川県内でも相模川を挟んで北側(座間市や相模原市)は大雪だったけれど、南側(厚木市)はぜんぜんたいしたことがなく、「川1本で気候がぜんぜん違うのだなぁ」と神奈川県民経験値がまた少し上がった当方が、BSフジ『北の国から』の第6回を見ましたよ。

* * *

麓郷は根雪が深くなった。純(吉岡秀隆)は厳しい冬に辟易した。

雪子(竹下景子)がマフラーを編み始めた。螢(中嶋朋子)は、雪子から草太(岩城滉一)へのクリスマス・プレゼントだと予想した。その考えを純に話したところ、まるでメロドラマのようだと言って純は興奮した。ふたりは、雪子は草太のことが好きなのだろうと考えた。

その予想はふたりだけの秘密だったはずなのに、純は調子に乗って草太にすっかり話してしまった。
以来、草太はすっかり様子がおかしくなった。急ぎの用もないのに夜遅くまで牛舎に入り浸って仕事に没頭したかと思えば、夜はなかなか寝付けなくなり、自分は不眠症になったと周りに言いふらしはじめた。

草太は友人の川島(小松政夫)に相談した。川島の答えは、モジモジしないで、さっさと口説けというものだった。小細工をせずに、押さえこんでキスをすれば、どんな女も喜ぶというものだった。

そんな矢先、螢は重大なことに気づいた。雪子の編んでいるマフラーには「T I」というイニシャルが編み込まれていた。それは、北村草太とは明らかに違うものなのだ。純は、草太に誤った期待を持たせてしまったことで大いに慌てた。

その頃、雪子と草太は車の中でふたりっきりだった。草太が雪子を呼び出したのだ。しかし、草太の態度は終始落ち着かなかった。雪子が不審がりはじめたころ、草太は雪子を抱き寄せ、強引にキスをした。
純は、その日を境に雪子と草太の様子がおかしいことに気づいた。草太が雪子のことを呼び捨てにするようになったのだ。明らかに距離が近づいているように見えた。

それから何日かして、つらら(熊谷美由紀/現・松田美由紀)が訪ねてきた。つららはふさぎこんでいる様子で、雪子とふたりっきりで話をした。
つららは、雪子のような都会暮らしに慣れた女は北海道の農村に永住することは不可能だと告げた。いくら好きな人ができたからといって、並大抵の努力では農家の嫁になることはできないと言う。そして、つららは自分が草太の嫁になって、彼の農場を一生手伝っていく決意をすでに固めていると話した。けれども、草太が雪子に惚れ込んでしまった。雪子に農家の嫁になる覚悟がないのなら、すぐに麓郷を出て行って欲しいというのがつららの願いだった。
冷静に聞いていた雪子は、つららの立場に同情した。けれども、つららに反対した。誰かが誰かを好きになってしまったら、それはそれで仕方のないことだというのが雪子の意見だった。続けて、現在の自分は草太に対して特別な感情は抱いていないと言い切った。その上で、自分がどこで暮らそうと、人に指図される言われはないと言って、つららの要求を拒絶した。
その後、つららは黙って帰って行った。雪子は彼女を見送ろうともしなかった。2階の寝室から盗み聞きしていた純は、雪子の冷たい一面を初めて見て、軽い衝撃を受けていた。

つららが帰った後、雪子は風呂焚きを始めた。一人で作業していると、昔の出来事が思い出された。
下北沢の喫茶店で、かつての愛人・井関(村井国夫)から別れ話を切り出された時の様子だ。井関は、いつか偶然再会した時に和やかな関係が作れるよう、握手して別れようと提案した。けれども雪子はきっぱりと拒絶した。本当に別れるなら、いつか再会する可能性など考える必要がないと言うのだ。そして、別れた後は井関の住む下北沢には二度と来ないので会う可能性はないと告げた。相手と出くわすような場所には絶対に足を向けない、人と人が別れるとはそういうことだと雪子は説くのだった。
回想から意識を戻した雪子は、タバコに火をつけた。その時のマッチは、かつての下北沢の喫茶店の最後のマッチだった。

その晩、五郎(田中邦衛)は草太の父である清吉(大滝秀治)に呼び出されていた。
清吉の質問は、雪子は草太に気があるのかという事だった。五郎は笑いながら否定するが、清吉はなおも食い下がった。草太自身が、雪子と相思相愛だと言っているのだという。清吉は、若者同士の恋愛は応援したい一方で、跡継ぎである草太が家を出て行くことを心配しているのだ。元々、草太は都会で仕事をしたがっていた。それを何とか説得して、牧場の跡継ぎとさせることができた。雪子はいずれ麓郷を出て行くと思われる。その時に、草太が後を追うことを心配しているのだ。
清吉は、雪子に永住する意思があるのかどうか、確かめて欲しいと五郎に頼むのだった。

家に帰ってきたが、五郎は雪子に話を聞くことができなかった。
すると雪子が、突然、一度東京に戻ると話し始めた。姉・令子(いしだあゆみ)に預けている荷物の整理のために、10日ばかり帰京すると言うのだ。それを口火に、五郎は清吉に頼まれた質問を雪子にぶつけた。しかし、雪子の返事は煮え切らなかった。それについては、東京でゆっくり考えたいと言うのだ。五郎は、今日のところはそれで納得した。

翌々日、雪子は東京へ旅立った。純と螢は、母・令子に「元気にしています」とだけ言付けた。雪子はすぐに帰ってくると約束したが、その他は口数が少なかった。純と螢は、雪子がもう帰ってこない気がした。
雪子が帰った日の夜、何もしらない草太が家に遊びに来た。五郎から雪子の帰京を聞かされて、草太は激しいショックを受けているようだった。

その晩からまた雪が降りだした。

* * *

草太(岩城滉一)は学がないので、大卒の雪子(竹下景子)を口説くには気の利いたセリフの一つやふたつを言わなければならないと思い込んでいた。そこで、雪子の手をしげしげと長め「白子のようなきれいな手だ」と言ってしまった。即座に雪子に「『白魚のような』と言って欲しかったわ」と突っ込まれていたのが、今日の当方のツボ。

あと、雪子と元愛人・井関(村井国夫)の思い出の地が下北沢だとか。当方がよくマジスパを食べに行く下北沢ですね。その他、小劇場なんかが多いことでも有名。雪子のセリフの中に「井の頭線に乗っても、小田急に乗っても、下北沢では絶対に降りない」というのがあって、関東経験値の上がった当方はその電車小ネタにもニンマリしました。

さて、今回のクズ・ナンバーワンは井関でしょうかね。
意見には個人差のあるところだと思いますが、別れた女と将来再会することを期待する男は、多くの場合女性からクズ認定されますよね、はい。

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