主題歌「365日の紙飛行機」のMP3をamazonで購入しようと思ったのだけれど、同じ歌のはずなのにアルバムによって収録時間が異なるのでどれを買えばいいのか迷っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第65回めの放送を見ましたよ。
九州の加野炭鉱で大きな落盤事故が起きた。
夜のことだったので鉱夫たちはみな宿舎で休んでいて無事だったが、不審な点を見つけて坑道に入った親分・治郎作(山崎銀之丞)が巻き込まれた。坑道の奥で火があがり、大量の煙も充満している。消火作業や治郎作の捜索は難航した。
この事故はサトシ(長塚圭史)が仕組んだものだった。鉱夫たちに被害が出ないよう、夜中に事故が起きるようにしていた。しかし、治郎作が様子を見に入ることは想定外だった。
鉱夫の福太郎(北原雅樹)は馬で一睡もせずに大阪まで駆け抜け、賀野屋に事故を報せた。
娘・千代が生まれ、平穏な日々を過ごしていたあさ(波瑠)であったが、報せを受けると即座に緊張し、すぐに九州への旅支度を始めた。
周囲の者は、あさが九州へ行くことを止めようとした。女が夜を徹して旅をするなど、いつ山賊に襲われてもおかしくない。とても危険なことなのだ。
しかし、あさはすぐに駆けつける決意でいた。あさにとって、加野炭鉱は我が子も同然なのである。大阪で千代を産み育てることと同様に、加野炭鉱を守り拡大させることも重要だと考えているのだ。
みなが反対する中、新次郎(玉木宏)だけはあさの味方をした。新次郎は、あさの考え方を理解しており、そのような考え方をする女性だからこそ愛しているのだ。千代の世話は全て自分が引き受けると約束し、子供のことは気にせずに行けと応援した。
あさの出発について押し問答をしていると、五代友厚(ディーン・フジオカ)がやって来た。彼も福岡に炭鉱を持っており、現地の部下から加野炭鉱の事故の報せを得たのだという。五代の炭坑からも煙が見えるほどの大事故だと報告を受け、心配で様子を見に来たのだ。
そして、あさの護衛として一緒に九州へ行くことを申し出た。こうして、あさの現場入りが決行された。
あさが加野炭坑に到着した時、まだ煙は収まっていなかった。桶で水を運んで消化しているのだが、火元が遠いためはかどらないのだという。しかも、煙の勢いもあり、治郎作もまだ見つかっていないという。
あさは、治郎作の妻・カズ(富田靖子)に面会した。
カズは、山に事故は付きものであり、鉱夫は常にそれを覚悟して働いているのだと話した。治郎作もそうであったし、その妻である自分も覚悟はしていたのだと気丈に答えた。
しかし、あさの顔を見て、そこまでしゃべると気が抜けてしまった。あさの胸に抱きついて泣き出してしまった。
そこへサトシがやって来た。
サトシは、あさを詰った。今回の事故の原因はあさにあるというのだ。あさが、採れ高に応じて報酬を出すことにしたため、鉱夫たちは競い合って掘るようになり、安全対策が疎かになった。そのために発生した事故だというのだ。
その上、これほど大きな事故が起きれば、加野炭鉱はしばらく閉山となり、鉱夫たちの働き口がなくなってしまう。加野屋も炭鉱を手放すことだろう。食いっぱぐれた鉱夫に対してどう責任をとるつもりだと詰め寄った。
カズはサトシの言い分に反対した。
鉱夫ならば、いつ仕事が失くなっても仕方がないと割りきって働いていたはずだ。今さら、今後の働き口の世話を要求するなど筋違いだと言うのだ。それに、あさが来るようになってから鉱山に活気が出てきた。あさには感謝をすべきで、責任を追求するべきではないと弁護した。
そのようなカズの応援であったが、あさの考えは違った。
あさは、まさに自分に責任があると後悔していた。出産のためとはいえ、自分が鉱山を離れたことに原因があるのだと認めた。留守にしたために細かい所に目が行き届かなくなり、それが事故の原因だと言うのだ。経営者として責任はとると述べ、深く頭を下げた。
そこへ、五代がやって来た。五代は、事故現場を調査してきたのだ。
すると、そこには火薬が落ちていたという。つまり、今回の事故は偶発的なものではなく、誰かが計画的に仕組んだものだと言うのだ。
そして、親分が見つかったという声が上がった。
このドラマを見ていて、最近一番つらいとと思うことは、時間の流れがよくわからないことだ。劇中で明示的に説明してくれないし。おかげで、登場人物の行動が妥当なのかどうかよく分からなくてモヤモヤする。
たとえば、九州・大阪間の移動にどれくらいの時間がかかるのかわからない。通常の移動ならどれくらいで、早馬を飛ばした場合はどのくらい短縮できるのか?
九州・大阪間はおよそ600kmほどらしい。馬の速度を仮に40km/hだとすると、早馬で片道15時間くらいか?でも、途中の関門海峡は船だろうからもっと時間がかかるだろうし、途中に山道があって速度が落ちるだろうし、なんだかんだで20時間位かかるのかなぁ。
とすると、事故 → 大阪へ早馬 → 九州へ早馬 → 現地着 でざっと40時間くらいか?
治郎作(山崎銀之丞)が事故に巻き込まれてそれくらいの時間が経ってると予想できるけど、果たして生きてられるんだろうか、人って?(事故に巻き込まれる前、しこたま酒を飲んでる様子だったから、体調は通常より不利っぽいし。それとも、アルコールのカロリーで生き残るとかなのか!?)
他にもわからないことは、あさ(波瑠)が炭鉱経営をはじめてから、今日の事故までの時間の経過。少なくとも、妊娠期間は余裕で含まれるので1年以上だし、妊娠のずい分前から炭鉱に行っていたので数年は経っていると思うのだけれど。
なにがすごいかって、サトシ(長塚圭史)の執念と仕事の遅さだよな。
数年間も一途に加野屋を恨み続けるって、すげえよな。これが「どこにいるかわからない親の敵を全国へ探しに行く」とかなら、何年かかっても不思議じゃない。しかし、サトシの場合、目の前に無防備な憎いヤツがいるのに、数年間も陰でコソコソ準備するんだからすげえよな、と。もっと手っ取り早い方法を考えろよ、と。
もしくは、火薬を仕込んで偽の落盤事故を起こすのに何年もかけるなよ、と。あれだけ統率力があって、組員もよく言うことを聞くんだったら、少なくとも半年くらいでケリつけろや、と。
『ショーシャンクの空に』や『大脱走』ならば、苦節○年っつーのも頷けるけど、オマエはちゃうやろ、と。
不甲斐ないやつだ。