NHK『あさが来た』第117回

産経ニュースに掲載されている『【異能の人・みうらじゅんに聞く】「完全に自分をなくすと、すごく爽快」「ブームはいつも誤解から生まれる…」』を読んで、内容はバカバカしいのだけれど生きる勇気が湧いてくるなと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第117回めの放送を見ましたよ。

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第20週『今、話したい事』

あさ(波瑠)は、女子大学校設立へ向けた具体的な方針を立て、成澤泉(瀬戸康史)に説明した。

それには2つの重要な活動があるという。
1つは、世間の人々の女子教育への認識を改めさせ、理解を得ることである。これは成澤の得意とするところである。成澤の女子教育論を本にまとめ、配布するよう指示した。
もう1つは資金集めである。これはあさが担当すると話した。金の扱いはあさの得意とするところであり、成澤には教育について専念してもらいたいからだ。
あさは成澤の教育論の本を持ち、有名な資産家や商人、財界人から寄付を集めるべく奔走した。
しかし、応じてくれるものは皆無だった。

加野銀行の大口顧客である工藤(曾我廼家八十吉)にも相談した。
工藤は先代から加野屋を贔屓にしてくれている資産家である。娘・サカエ(横田美紀)を職業婦人にするため女学校に通わせ、今や彼女は加野銀行で立派に働いている。あさは工藤ならば趣旨に賛同してくれると思ったのだ。

しかし、工藤の反応はあさの予想の正反対だった。工藤は女子教育には反対だという。
その理由は、サカエとの関係にあった。工藤はサカエの縁談を準備し、嫁入りさせようと計画していた。しかし、サカエはそれを断ったのだという。結婚して家に留まるくらいなら、一生独身でも銀行で働き続けた方が良いと言っているのだという。工藤は、なまじ女子に学問を身につけさせてしまったせいで親の言うことを聞かなくなったと言って後悔しているのだ。
これ以上、不幸な親子を増やさないためにも、女子教育には反対だと言うのだ。工藤はあさに対して腹を立てて帰っていった。

その様子を見ていた榮三郎(桐山照史)もあさに対して憤慨した。
大口顧客である工藤との関係が悪化することは加野銀行にとって不利益となるからだ。栄三郎にこっぴどく叱られ、あさはしょんぼりしてしまった。

あさは新次郎(玉木宏)に胸の内を明かした。
世間には女子に教育を受けさせたいと思っている人がほとんどいないとわかって落ち込んだのだという。自分が子供の頃も女子への教育は必要ないと言われており、あさは望んでも勉強をすることができなかった。世間の考え方はその頃と全く変わっていないと嘆いた。

その一方で、あさには恵まれていた点もあったという。それは新次郎との出会いである。
新次郎は女子への教育に理解があり、あさを自由にさせてくれた。あさの欲しがっていた算盤を贈ってくれたことで、あさの未来が拓けた。

そのことを感謝し、今度はあさが今の女子たちの将来を拓いてやりたいと考えているのだという。
あさは新次郎から算盤をもらったが、今の自分が後世に残せることは女子大学を設立することだと話した。それが女性たちの将来への希望になると言う。

さらに、あさが女子大学を求めることにはもう一つ理由があるという。
あさは、自分ももう一度勉強をし直したいのだという。女子大学ができた暁には、自分も通いたいと述べた。できることなら、娘・千代(小芝風花)も入学させ、母子で共に学びたいのだという希望を述べた。

それらの話を聞いて、新次郎も深く感じ入った。あさをますます応援したくなった。

とはいえ、大学設立のための寄付は全く集まらなかった。
成澤は、東京の私立大学に出向き、寄付の集め方を担当者から聞き出そうとしたという。しかし、その極意が漏れると寄付者が奪われるおそれがあるので、全く教えてもらえなかったという。

現在、東京で有名な私立大学といえば、福沢諭吉(武田鉄矢)の作った慶應義塾と、大隈重信が作った東京専門学校である。

あさは、成澤が末端の寄付担当者に話を聞いたのが失敗だと思った。
そこで、大隈重信に直接手紙を書いて相談することにした。

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劇中で描かれたことはなかったのですが、確かあさ(波瑠)は大隈重信に会ったことがあるんですよね。
東京で銀行を開業した実父・忠興(升毅)の祝賀会にでかけた時、資産家や政治家が多数集まっており、そこで大隈重信にも挨拶をしたというセリフがあったと記憶しています。それで直接手紙を書くことにしたんですな。

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