朝のうちに放送を見てまとめ記事も書くだけの気力はない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』の第3回めの放送を見ましたよ。
なつ（栗野咲莉）が十勝の柴田家に来て数日が経った。なつは1日も早く酪農の仕事を覚えようと毎日早朝から必死に働いた。
酪農にとって最も重要で、かつ、最も危険な作業である搾乳はやらせてもらえなかったが、その他の作業は大人たちに混じってよく働いた。手が空いても休憩せず、牛舎の中で大人たちの作業を見て覚えようとした。
朝は4時から作業が始まる。まずは牛舎の牛たちにスコップで乾燥飼料を与える。続いて、大人たちは朝の搾乳を行う。
それが済むと、牛たちを放牧場へ移し、新鮮な牧草を食わせる。この頃、柴田家の子どもたちは学校へ向かうが、なつは休む間もなく働き続ける。牛舎が空になったすきに、牛たちの寝床の掃除をする。フンの混じった藁をスコップで掻き出し、新しい寝藁を敷く。これは大変な重労働であるが なつは大人たちに助けを求めることもなく働く。
ここまで終えて、やっと朝食である。食事は、なつにとって何よりも幸せな時間だった。
朝食を終えると、畑仕事を行う。柴田家では、酪農の傍らにマメやジャガイモの栽培を行っている。その間、家長の泰樹（草刈正雄）が牛乳を荷馬車に載せて出荷する。
夕方に牛たちが戻ってくると、2度めの搾乳を行う。
牛は臆病で見知らぬ人間を見ると怯えて緊張する性質があるが、最近は なつにも慣れてきた。搾乳中に なつが体を撫でても落ち着いているようになった。
それで1日の作業は終わりである。
なつはヘトヘトになってしまい、食べるのが大好きなのに夕食中に居眠りしてしまうほど疲れきる。疲労のせいで夜中の睡眠中にも大きないびきをかくようになった。同じ寝室で寝ることになっている柴田家の子供たち輝男（清原翔）と夕見子（福地桃子）は辟易した。
特に夕見子は、よその子である なつが家族からかわいがられているように思えてイライラしているところなので、ますます憎しみを強めるのだった。
里親の富士子（松嶋菜々子）は、なつを受け入れて入るものの、学校にも行かせずに働かせていることに多少の両親の呵責を抱いていた。
夫であり、なつを独断で引き取った剛男（藤木直人）は、なつ本人が望んでいるのだから、やりたいようにやらせようと富士子に話した。少しでも早く家族に認められようと彼女は必死なのだと説明した。
その意見に、富士子は剛男自身の願望が投影されていることを指摘した。剛男は婿養子であり、家長の泰樹に認められようと悩んでいることを富士子は見抜いているのである。
日曜日になった。しかし、牛を相手にしているため、酪農家に休日はなかった。その日もほとんどいつもと同じだった。
ひとつ違ったことは、泰樹が なつに搾乳をやるよう命じたことだ。
泰樹が簡単にやり方を説明するだけで、なつは見事に搾乳をやってのけた。大人たちの作業を熱心に観察していたので、ほとんど覚えてしまっていたのだ。大人たちは感心した。
しかし、その日、剛男がちょっと目を離したすきに なつの行方がわからなくなった。
今日は、ほとんど「酪農家の1日の紹介」でしたね。僕は酪農家の作業を全く知らなかったので、わりと興味深く見ました。朝ドラは、こういう感じで特定の職業についてレクチャーしてくれることがあるので好きです（あと、上手い下手は別として、知らない地方の方言なんかも聞いてて楽しい）。
その他は、家族内の関係についてもわかりやすく整理されている感じでした。
婿養子である剛男（藤木直人）は肩身が狭く、家長・泰樹（草刈正雄）に認められようと努力している。そして、そんな自分の境遇を なつ（栗野咲莉）に投影している。
妻・富士子（松嶋菜々子）は愛情深い人で、なつのことを放っておけない。一方で、今の なつの待遇に疑問を感じている。また、実父・泰樹から夫・剛男を守る役目を担っている。
柴田家の長男・輝男（清原翔）は、なつに対する立場を決めかねている。また、ある程度の年齢なので父・剛男が微妙な立場にあることも理解している。
長女・夕見子（福地桃子）は、自分の立場や両親からの愛情が同い年の なつに奪われるのではないかと警戒し、なつを敵視している。かと言って、なつに直接手を出すと自分の立場が悪くなることも理解しており、両親に訴えるに留めている。
そして、家長・泰樹は表層的には口が悪くて厳しい人間として描かれているけれど、内心は敵か味方かわからない、むしろ「本当は心優しい人なんじゃね？」と思わせることを匂わせてますね。
なお、本文では割愛しましたが、なつが行方不明になった原因は、泰樹が荷馬車で連れ出したからです。