『フルメタル・ジャケット』を観た

サー、観ました、サー。

サー、鬼軍曹が新兵いびりをする映画だという知識しか持たずに観ました、サー。
サー、有名なシーンだけれどどこかでチラッと出てくるだけだと思っていました、サー。サー、しかし、冒頭でいきなり出てきて驚きました、サー。
サー、もう一つ知っていたのは隊列を組んで歌いながらジョギングするシーンです、サー。サー、ファミコンウォーズのCMでパロディされてるあのシーンです、サー。サー、そのシーンは3シーン目で驚きました、サー。
サー、開始5分で観たかったところは全て見たような気になりました、サー。

しかし、この映画はそれだけの映画ではなかった。

前半は確かに海兵隊訓練学校のしごきがクドイくらいに描かれる。落ちこぼれ訓練生がスケープゴートにされたり、そんな彼の面倒を見ることを命じられた男が葛藤を感じたり。それがなかなかのヒューマンドラマになっていた。僕は単にハートマン軍曹の卑猥な煽り文句を見て笑うだけの映画だと思っていたのだけれど、その認識が改められた。
そして、前半の最後で訓練校最終日の大事件が描かれた後、後半部に進む。

後半では、訓練校で落ちこぼれの面倒見役だった男が戦場報道兵としてベトナムに派遣された後の話。
訓練校の鬼教官ほどではないけれど、クセのある兵士たちがたくさん出てきてくる。報道兵になった彼が、そんな兵士たちと丁々発止のやりとりをしたり、仲間や敵の生死に触れ、何かを感じていくという内容。
先日見た『地獄の黙示録』は、主人公が上級士官たちの腐敗に不条理を思うというふうにまとめられると思う。一方の本作は、下層の兵士たちが近視眼的な感情で行動して不条理な結果を招くというふうにまとめられると思う。そういうふうに考えて、僕の視野がちょっと広がったかなと思う次第。

あと、全然知らなかったんだけれど、エンディング曲はRolling Stonesの “Paint it Black” なんですね。大好きな曲なのでビクッとなった。

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